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第53話
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差し出された手も握らず霧島は堂本一佐を睨みつける。低い声を押し出した。
「タイミング良く現れてくれたな。いや、何故あと十五分早くこなかった?」
「ここを突き止めてカランド軍を動かすのに時間が掛かった。申し訳ない」
「嘘をつくな。私たちはずっとあんたらの監視下にあった。そうだろう?」
肯定も否定もせず堂本一佐は落ち着き払って先を促す。そこで京哉が口を開いた。
「堂本一佐。今頃は貴方の根回しでマクミランファミリーもナルコム社もクインラン社も、リライ事務カランド支社まで全てカランド軍が押さえてる。違いますか?」
それでも真顔で見返すばかりの堂本一佐に霧島が鼻を鳴らして吐き捨てる。
「あんたらは私たちを助けに来た訳ではない。情報漏洩防止に来ただけだ」
「日本の警察は勿論、自衛隊もおいそれと他国で行動できる組織ではないのだ」
涼しい顔で言い放った自衛隊のスパイ機関に属する男の襟元を霧島は掴み締めた。
「ならば何故、最初から自衛隊だけで動かない!」
「情報ってものはその本質を洩らしたくなければ、ある程度の上澄みだけを欲しがるところに進呈しておくと、何処もが安堵してそれ以上は突っ込まないんですよね」
堂本一佐の胸倉を掴み締め揺さぶる霧島は、のほほんと発言した京哉を振り返って眉間にシワを寄せる。トゲのある言い方から京哉も怒っているのは分かっていた。
「しかし京哉お前、割り切りが良すぎるだろう。私たちは囮にされたんだぞ?」
「囮っていうか、まあ、麻取だの警察だのまで巻き込んで、自衛隊やカランド軍が機を見ていたのは確かですよね。充分熟して全てを一斉に刈り取れる時機を」
「機を見て一網打尽にして自衛隊とカランド軍は何を得る?」
ふいに質問の矛先を向けられ、堂本一佐は胸元を掴まれたまま霧島に訊き返した。
「何を得るとは、どういうことだね?」
「常に政府の方針と世論にがんじがらめにされて身動きの取れない自衛隊が、今回に限って何もかも一気に押さえた。それも他国でだ。何故だ? そこまでしても得たかったものがあるからだ。いったい何を得た?」
答えようとしない堂本一佐から視線を外し、霧島はバディに切れ長の目を向ける。京哉は薄く笑った。霧島も気付いているのだ。薄笑いのまま京哉が歌うように言う。
「民間人参加型UAVオンライン制御システムじゃないでしょうかねえ」
「これから先は自衛隊及びカランド軍がプロデュースして、誰かにUAVを制御させるのか? マフィアや個人的利益追求団体でなければ許されるのか?」
「……もう許す許さないじゃない、やるかやらないか、それだけでしょうね」
「地球上のどんなゲーマーでも知らずして人殺しに加担させられるというんだな?」
「付け加えればUAVに限らない。大統領が通称フットボールと呼ばれる核ミサイル発射ボタンを押せない事態に陥れば、代わりに五歳の子供が知らずそれを押す日が来るかも知れない。そんなシステムを誰にも知られてはならない、だから全てを抑え込んだんでしょう」
余りの怒りに霧島は肩で息をした。クインランとリライ事務にマフィア、それに脅されていたとはいえナルコム社が組み上げたシステム自体は解体されるだろう。
だが今後必ず人類が起こしてしまう戦争に、そのシステムが採用されるのだ――。
大きく溜息をついて堂本一佐の胸元を突き放し、完全に油断したところで再び素早く掴み寄せると同時に、その左頬に右のこぶしを思い切り叩き込む。
「あっ、忍さんっ! ……って、すみませんね」
駆け寄り止めると見せかけて、京哉は反射的に頬を押さえた形で副官の江崎一尉に慌てて受け止められた堂本一佐の上体を瞬間的に押し下げると、制服のみぞおちに痛烈な膝蹴りを見舞った。
気が済んだ訳ではない。だがこれ以上は嘘を本音にして生きているスパイ相手にヒマを潰す気もなく、今日のところは今までの恨みも込めて一発ずつで我慢する。ただ霧島が殴ったスパイの面の皮はジョークでなく分厚く、京哉の膝蹴りもサンドバッグでも蹴ったような感触だった。
しかしもうスパイなんぞに興味を失くした霧島は灰色の目を落として低く呟く。
「私は雅人に何と言えばいいんだ?」
「……忍さん」
「もういい。ホテルに帰るぞ」
言うなり霧島は京哉を横抱きにする。そんな二人に江崎二尉が申し出てくれた。
「マートルホテルでしたね。ではそこまでお送りさせて頂きます」
つれて行かれたのは売春宿を出て少し歩いた雑居ビルの屋上だった。そこに駐機されていたのはカランド軍から借り受けたらしい偵察用小型ヘリだ。乗り込むとマートルホテルの屋上に着くまで十分と掛からなかった。江崎二尉の敬礼に二人が答礼して労うと、忙しいらしい副官殿はすぐに小型ヘリで去った。
フロントに降りてキィを返して貰い、九〇七号室に戻ると二人は溜息を洩らす。
「京哉、お前は先にシャワーを浴びてこい。気持ち悪いだろう」
「ん、じゃあお先に頂きます」
バスルームに消えるまで京哉を目で追ってから、霧島はポケットから煙草を出して咥えるとロウテーブルに置かれていたライターで火を点けた。何気なくTVを着けて眺める。すると丁度ニュースをやっていてカランド軍の兵士につれて行かれたマクミランファミリーの中堅幹部六人の男が映っていた。
《――先程遺体で発見されたのは計十一名の男性で、当局は大規模なマフィアの抗争とみており……》
自分が言った『必ず殺してやる』という科白を早速誰かが実行してくれたという訳だ。さすがにマフィアの実行部隊の口を塞ぐのは生かしたままでは難しいのだろう。
「ふん、有難くて涙が出るな」
独り毒づいて局を変えたが、どれもアラビア語で内容が分からずに仕方なくまたニュースに戻した。そのうちに京哉が出てきて交代、霧島もバスタイムだ。
ややすっきりして出ると、ガウンと一緒に下着も置かれていた。身に着けて部屋に行くと京哉が大きな窓に凭れてグラスを揺らしている。モルトの匂いに気付いてデスク上を見れば結構な上物ウィスキーとアイスペールが置かれていた。
「コンシェルジュから救急箱を借りるついでにルームサーヴィス取っちゃいました」
「そうか。私も付き合わせてくれ」
「はい。でも貴方はこれが終わってからです」
京哉が指したのはロウテーブルに鎮座した救急箱である。手を引かれて霧島は素直にソファに座った。促されて右手を差し出す。鉄格子を思い切り殴り続けた右手のこぶしは目茶苦茶に潰れていた。シャワーで流してきたが、まだ血が滲んでいる。そっと京哉に手を取られ丁寧に消毒された。傷薬を塗られ、ガーゼを当てられて包帯を巻かれる。
「こんなに無茶して、もう」
「お前の傷より、ずっと浅い」
「そんなことないですよ。手首は折れてないですか? ちゃんと動きます?」
大丈夫だと手首を振って見せ、霧島は立ち上がってグラスを手にした。ウィスキーを二センチほど注ぐとストレートで一気に飲み干す。薬を片付けた京哉がやってきて自分のグラスにロックアイスを入れながら、早くも二杯目を飲み干した霧島を軽く睨んだ。気付かないふりをして霧島は窓外の夜の街を眺める。
向かいのビルの壁では相変わらず巨大魚が躰をうねらせて泳いでいた。赤いヒレをした金魚が何匹も周囲を泳いでいて、巨大魚は一匹の金魚をまさに呑み込もうとしている。その絵を見ていると思わず金魚を応援したくなるから不思議だ。だが何れこの街という逃げ場のない水槽の中では食われてしまうのだろう、などと考える自分が可笑しい。
たかがコマーシャル、人の作った仮想世界の出来事なのに。
離れて立った霧島に京哉が首を傾げる。
「ねえ、忍さん。喧嘩の続きでもしませんか?」
「お前は元気だな。私は疲れ果てたぞ」
「じゃあ喧嘩はやめて飲んで寝ますか?」
「お前に呆れられそうだが、その前にもうひとつ何かがあってもいいと思っている」
「疲れてるんじゃなかったんですか?」
「私は疲れているくらいが丁度いいんだ……グラスを置け」
素直に京哉は傍のデスクにグラスを置いた。霧島も飲み干したグラスを並べる。そして京哉を思い切り抱き締めていた。勢いで二歩、三歩と京哉は後退して窓に背をぶつける。
「タイミング良く現れてくれたな。いや、何故あと十五分早くこなかった?」
「ここを突き止めてカランド軍を動かすのに時間が掛かった。申し訳ない」
「嘘をつくな。私たちはずっとあんたらの監視下にあった。そうだろう?」
肯定も否定もせず堂本一佐は落ち着き払って先を促す。そこで京哉が口を開いた。
「堂本一佐。今頃は貴方の根回しでマクミランファミリーもナルコム社もクインラン社も、リライ事務カランド支社まで全てカランド軍が押さえてる。違いますか?」
それでも真顔で見返すばかりの堂本一佐に霧島が鼻を鳴らして吐き捨てる。
「あんたらは私たちを助けに来た訳ではない。情報漏洩防止に来ただけだ」
「日本の警察は勿論、自衛隊もおいそれと他国で行動できる組織ではないのだ」
涼しい顔で言い放った自衛隊のスパイ機関に属する男の襟元を霧島は掴み締めた。
「ならば何故、最初から自衛隊だけで動かない!」
「情報ってものはその本質を洩らしたくなければ、ある程度の上澄みだけを欲しがるところに進呈しておくと、何処もが安堵してそれ以上は突っ込まないんですよね」
堂本一佐の胸倉を掴み締め揺さぶる霧島は、のほほんと発言した京哉を振り返って眉間にシワを寄せる。トゲのある言い方から京哉も怒っているのは分かっていた。
「しかし京哉お前、割り切りが良すぎるだろう。私たちは囮にされたんだぞ?」
「囮っていうか、まあ、麻取だの警察だのまで巻き込んで、自衛隊やカランド軍が機を見ていたのは確かですよね。充分熟して全てを一斉に刈り取れる時機を」
「機を見て一網打尽にして自衛隊とカランド軍は何を得る?」
ふいに質問の矛先を向けられ、堂本一佐は胸元を掴まれたまま霧島に訊き返した。
「何を得るとは、どういうことだね?」
「常に政府の方針と世論にがんじがらめにされて身動きの取れない自衛隊が、今回に限って何もかも一気に押さえた。それも他国でだ。何故だ? そこまでしても得たかったものがあるからだ。いったい何を得た?」
答えようとしない堂本一佐から視線を外し、霧島はバディに切れ長の目を向ける。京哉は薄く笑った。霧島も気付いているのだ。薄笑いのまま京哉が歌うように言う。
「民間人参加型UAVオンライン制御システムじゃないでしょうかねえ」
「これから先は自衛隊及びカランド軍がプロデュースして、誰かにUAVを制御させるのか? マフィアや個人的利益追求団体でなければ許されるのか?」
「……もう許す許さないじゃない、やるかやらないか、それだけでしょうね」
「地球上のどんなゲーマーでも知らずして人殺しに加担させられるというんだな?」
「付け加えればUAVに限らない。大統領が通称フットボールと呼ばれる核ミサイル発射ボタンを押せない事態に陥れば、代わりに五歳の子供が知らずそれを押す日が来るかも知れない。そんなシステムを誰にも知られてはならない、だから全てを抑え込んだんでしょう」
余りの怒りに霧島は肩で息をした。クインランとリライ事務にマフィア、それに脅されていたとはいえナルコム社が組み上げたシステム自体は解体されるだろう。
だが今後必ず人類が起こしてしまう戦争に、そのシステムが採用されるのだ――。
大きく溜息をついて堂本一佐の胸元を突き放し、完全に油断したところで再び素早く掴み寄せると同時に、その左頬に右のこぶしを思い切り叩き込む。
「あっ、忍さんっ! ……って、すみませんね」
駆け寄り止めると見せかけて、京哉は反射的に頬を押さえた形で副官の江崎一尉に慌てて受け止められた堂本一佐の上体を瞬間的に押し下げると、制服のみぞおちに痛烈な膝蹴りを見舞った。
気が済んだ訳ではない。だがこれ以上は嘘を本音にして生きているスパイ相手にヒマを潰す気もなく、今日のところは今までの恨みも込めて一発ずつで我慢する。ただ霧島が殴ったスパイの面の皮はジョークでなく分厚く、京哉の膝蹴りもサンドバッグでも蹴ったような感触だった。
しかしもうスパイなんぞに興味を失くした霧島は灰色の目を落として低く呟く。
「私は雅人に何と言えばいいんだ?」
「……忍さん」
「もういい。ホテルに帰るぞ」
言うなり霧島は京哉を横抱きにする。そんな二人に江崎二尉が申し出てくれた。
「マートルホテルでしたね。ではそこまでお送りさせて頂きます」
つれて行かれたのは売春宿を出て少し歩いた雑居ビルの屋上だった。そこに駐機されていたのはカランド軍から借り受けたらしい偵察用小型ヘリだ。乗り込むとマートルホテルの屋上に着くまで十分と掛からなかった。江崎二尉の敬礼に二人が答礼して労うと、忙しいらしい副官殿はすぐに小型ヘリで去った。
フロントに降りてキィを返して貰い、九〇七号室に戻ると二人は溜息を洩らす。
「京哉、お前は先にシャワーを浴びてこい。気持ち悪いだろう」
「ん、じゃあお先に頂きます」
バスルームに消えるまで京哉を目で追ってから、霧島はポケットから煙草を出して咥えるとロウテーブルに置かれていたライターで火を点けた。何気なくTVを着けて眺める。すると丁度ニュースをやっていてカランド軍の兵士につれて行かれたマクミランファミリーの中堅幹部六人の男が映っていた。
《――先程遺体で発見されたのは計十一名の男性で、当局は大規模なマフィアの抗争とみており……》
自分が言った『必ず殺してやる』という科白を早速誰かが実行してくれたという訳だ。さすがにマフィアの実行部隊の口を塞ぐのは生かしたままでは難しいのだろう。
「ふん、有難くて涙が出るな」
独り毒づいて局を変えたが、どれもアラビア語で内容が分からずに仕方なくまたニュースに戻した。そのうちに京哉が出てきて交代、霧島もバスタイムだ。
ややすっきりして出ると、ガウンと一緒に下着も置かれていた。身に着けて部屋に行くと京哉が大きな窓に凭れてグラスを揺らしている。モルトの匂いに気付いてデスク上を見れば結構な上物ウィスキーとアイスペールが置かれていた。
「コンシェルジュから救急箱を借りるついでにルームサーヴィス取っちゃいました」
「そうか。私も付き合わせてくれ」
「はい。でも貴方はこれが終わってからです」
京哉が指したのはロウテーブルに鎮座した救急箱である。手を引かれて霧島は素直にソファに座った。促されて右手を差し出す。鉄格子を思い切り殴り続けた右手のこぶしは目茶苦茶に潰れていた。シャワーで流してきたが、まだ血が滲んでいる。そっと京哉に手を取られ丁寧に消毒された。傷薬を塗られ、ガーゼを当てられて包帯を巻かれる。
「こんなに無茶して、もう」
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「そんなことないですよ。手首は折れてないですか? ちゃんと動きます?」
大丈夫だと手首を振って見せ、霧島は立ち上がってグラスを手にした。ウィスキーを二センチほど注ぐとストレートで一気に飲み干す。薬を片付けた京哉がやってきて自分のグラスにロックアイスを入れながら、早くも二杯目を飲み干した霧島を軽く睨んだ。気付かないふりをして霧島は窓外の夜の街を眺める。
向かいのビルの壁では相変わらず巨大魚が躰をうねらせて泳いでいた。赤いヒレをした金魚が何匹も周囲を泳いでいて、巨大魚は一匹の金魚をまさに呑み込もうとしている。その絵を見ていると思わず金魚を応援したくなるから不思議だ。だが何れこの街という逃げ場のない水槽の中では食われてしまうのだろう、などと考える自分が可笑しい。
たかがコマーシャル、人の作った仮想世界の出来事なのに。
離れて立った霧島に京哉が首を傾げる。
「ねえ、忍さん。喧嘩の続きでもしませんか?」
「お前は元気だな。私は疲れ果てたぞ」
「じゃあ喧嘩はやめて飲んで寝ますか?」
「お前に呆れられそうだが、その前にもうひとつ何かがあってもいいと思っている」
「疲れてるんじゃなかったんですか?」
「私は疲れているくらいが丁度いいんだ……グラスを置け」
素直に京哉は傍のデスクにグラスを置いた。霧島も飲み干したグラスを並べる。そして京哉を思い切り抱き締めていた。勢いで二歩、三歩と京哉は後退して窓に背をぶつける。
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