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第51話
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でもやることもなく無為に座って過ごすより余程いい。何より朦朧としていたって霧島の意識があり、気配が濃厚で傍にいる実感がしっかり味わえるのが嬉しかった。
まだ熱も高く、怪我だって骨折の可能性大で油断はできない。そんな身でハードな移動を強いたのだ。本当は格好つけている場合ではないのかも知れない。けれどこれで多少は待遇も改善され、療養にも看病にも専念できる環境が整ったのだ。
小柄な京哉はくるくると甲斐甲斐しく働いた。霧島の身の回りのあれこれが一段落すると、これ以上の砂を落とさないよう京哉もシャワーを浴びてさっぱりする。着替えて出てみると、マスターがブランチを運んできてくれていた。
二人分のブランチが載ったトレイを受け取って、引き替えにクリーニングサーヴィスを頼む。承知していたマスターは、衣服を専用の袋に入れて出て行った。
「忍さん、起きてるならオートミールだけでも食べて下さい」
「ん、ああ。すまん」
無茶な行軍のあとで酷かと思ったが、もう丸二日近く殆ど食べていないのだ。風邪をひこうが腕を撃たれて粉砕骨折しようが食欲は失くさない霧島がこれでは、規格外の体力と回復力に期待できなくなってしまう。
飯を食わなければ稼働しないタイプの男の背中に枕をふたつ重ねて押し込むと凭れさせた。京哉はスプーンを口まで運んでやる。
「はい、熱くありませんから、あーんして」
「んあ……ドロドロだな。おまけに甘いぞ」
「まあ、おかゆの一種ですし、シナモンシュガーの匂いがしますし」
愚痴に応えてやりつつ京哉は素直に口を開ける霧島に、これは相当参っているぞと思う。それでもオートミールを食べきりアイスティーをひとくち飲むと横になった。
「なあ、おい京哉。食後の煙草タイムはないのか?」
自分の食事であるミートソースのスパゲッティを食べながら京哉は顔をしかめる。
「いきなりそれですか? 貴方は禁煙したんでしょう、大学時代に」
「いや、吸ったら目が覚めるかと思ってな。今は廃人二十面相。灰人か」
「何です、それ。とにかく今の貴方に煙草は吸わせられません、胸、折れたでしょう? ご自分で分かってらっしゃる筈ですよ。誤魔化されませんからね」
「そう捲し立てるな。そう言って自分は吸うんだろうが」
「当たり前じゃないですか、僕は恒常的喫煙者です。煙草なんて煙を胸いっぱい吸い込んで肺をタールで汚して、代わりに味わう旨さがなんぼの代物です。そうやって喋るのも怪しい、呼吸すら精一杯の人に僕の煙草は分けてあげられません。貴重な日本産が勿体ないでしょう」
「くそう……もう大丈夫、問題ないんだがな」
相変わらず威勢がいいのは口だけらしく、霧島はそのままウトウトと眠りに入ったようだった。京哉は煙草を吸いつつ携帯で一ノ瀬本部長に現状報告のメールを打ったり、部屋に付属のTVの音声をミュートにし映像だけ眺めたりして過ごす。
三時間も経った頃、控えめなノックで銃を片手にドアを開けるとクリーニング済みの衣服や保冷剤に点滴のパックまで大きなトレイに載せたマスターが立っていた。
「こんなものまで手に入るんですか?」
「長く客商売してますからねえ、蛇の道は何とやらですよ」
消炎鎮痛剤や抗生物質まで入っているという点滴は有難かった。荷物を受け取るとコートハンガーをスタンド代わりに早速点滴を開始する。タオルで霧島の腕を縛り、消毒してから針先で静脈を上手く捉え、紙テープで固定した。
保冷剤をタオルで包み霧島の額に載せる。少々保冷剤は大きく重たすぎたのか霧島は僅かに目を開けたが、すぐに瞼を閉ざしてしまう。眠くて堪らないらしかった。
だが保安官事務所で霧島の寝顔に感じた淋しさや心細さは、今の京哉は不思議と感じていない。取り敢えず安全圏に辿り着けたからなのかも知れなかった。年上の愛し人の寝顔を眺め、傷ついた身体を癒すためにも眠れるだけ眠って欲しいと思う。
今は何があっても必ずこの自分が貴方を護ってみせるから――。
事ある毎に霧島が助けてくれる。文字通り身を投げ出して護ってくれるのだ。あのとき霧島が矢面に立ってくれなければ、京哉はチンピラどもに死ぬほど弄ばれていただろう。
タラすつもりだった際も考えてみたらオットー=ベインが見ていたのだ。チンピラたちが堕ちる前に京哉の目論見は邪魔されていたに違いない。
そこまで読んで霧島は矢面に立ったのでも、普段の冷静さや超人的な計算能力を発揮したのでもない。ただただ京哉が嬲られるのが許せない、その想いだけで自らを犠牲にしてくれたのだ。愛する者を護りたい一心で。
京哉は自分がどれだけ霧島に溺愛されているのか知っているからこそ、お互い同じくらい想い合っているのを実感できるし、負けないくらい想っていると言い切れる。
お蔭で往々にして相手を思いやりすぎ過剰に護ろうとしてしまう。でも躰が勝手に動いてしまうのだから仕方ない。考えて行動するべきと理性で分かっていても咄嗟に動く自分を止められないのだ。
愛する者を護ろうとするのは理屈ではなく本能的行動である。
こうして傷だらけで眠っていると心配が募りすぎ、文句のひとつやふたつ言ってやりたくなってしまう。けれど霧島は大怪我をしたものの命があったのは僥倖だったし、京哉も霧島の目前で嬲られず年上の愛し人の心に大きな傷を残さなくて済んだ。
何もかも霧島が抵抗しリミッタが外れたかのように暴れてくれたからである。この霧島にとって京哉を護ることが既に本能となっているが故に、我が身を顧みず無茶をしたのだ。霧島の大怪我はさておき京哉は素直に嬉しい。
護られて嬉しいからこそ京哉は霧島の拠り所になりたいと切に願う。
プライドも志も高い霧島忍を堕としてしまった自分が霧島の拠り所を自負するのはおこがましいという気もしている。でも選んだのは一方的でなく互いに惹き合った。紆余曲折を経て結果的に今の形になれた。
だったら自分も霧島並みとまではいかなくても、卑下することなく負い目ばかりに引きずられず毅然としていた方がいい。
「自分の性格は分かってるから簡単に負い目なんて消えないよなあ。でもね、今こうやって忍さんの休息を護るくらいはできるんですよ。ゆっくり眠って下さいね」
あとはベッドの傍に椅子を置いて腰掛けた京哉はそっと霧島の黒髪を指先で梳きながら、静かにそう呟いて京哉は傷だらけの寝顔を見つめ続けた。
「早く治して落とし前つけに行きましょうね。……あれ、ナニしに来たんだっけ?」
◇◇◇◇
身体が休息を求めてやたらと眠いらしく、可哀想に思いつつ何とか起こしても朦朧としている霧島にはスプーンで「あーん」して卵と野菜のリゾットを胃袋に流し込ませ、自分はグラタンという夕食を済ませた京哉は少し眠気を感じつつ再度シャワーを浴びると、セミダブルのベッドに寝ている霧島の隣に潜り込んだ。
まだ芯から安堵しきってリラックスできる状況ではなく、必然的に浅くなる眠りは量でカバーするしかない。枕元に銃を置くと愛し人の体温を感じながら目を瞑った。
そしてふと感触に気付いて京哉が反射的に腕時計を見ると夜中の二時半だった。
「……ねえ、何してるんですか、忍さん」
「あー、何って何のことだ?」
しれっと聞き返した霧島の手は京哉のドレスシャツの下をまさぐり続けている。
「三大欲求があるだろう? 食欲と睡眠欲が満たされて、こう、アレがだな……」
「そういうのは元気な人がやるものなんです。大人しく寝て下さい」
「なあ、いいだろう? 十五分、十五分でいいんだ。だめなら七分でも……なあ?」
「何なんですか、そのいい加減な時間設定は! 僕はそんなにお安くないですっ!」
「ならば、きちんとするからさせてくれるか?」
「きちんとって……躰もまともに動かないクセにっ!」
まだ熱も高く、怪我だって骨折の可能性大で油断はできない。そんな身でハードな移動を強いたのだ。本当は格好つけている場合ではないのかも知れない。けれどこれで多少は待遇も改善され、療養にも看病にも専念できる環境が整ったのだ。
小柄な京哉はくるくると甲斐甲斐しく働いた。霧島の身の回りのあれこれが一段落すると、これ以上の砂を落とさないよう京哉もシャワーを浴びてさっぱりする。着替えて出てみると、マスターがブランチを運んできてくれていた。
二人分のブランチが載ったトレイを受け取って、引き替えにクリーニングサーヴィスを頼む。承知していたマスターは、衣服を専用の袋に入れて出て行った。
「忍さん、起きてるならオートミールだけでも食べて下さい」
「ん、ああ。すまん」
無茶な行軍のあとで酷かと思ったが、もう丸二日近く殆ど食べていないのだ。風邪をひこうが腕を撃たれて粉砕骨折しようが食欲は失くさない霧島がこれでは、規格外の体力と回復力に期待できなくなってしまう。
飯を食わなければ稼働しないタイプの男の背中に枕をふたつ重ねて押し込むと凭れさせた。京哉はスプーンを口まで運んでやる。
「はい、熱くありませんから、あーんして」
「んあ……ドロドロだな。おまけに甘いぞ」
「まあ、おかゆの一種ですし、シナモンシュガーの匂いがしますし」
愚痴に応えてやりつつ京哉は素直に口を開ける霧島に、これは相当参っているぞと思う。それでもオートミールを食べきりアイスティーをひとくち飲むと横になった。
「なあ、おい京哉。食後の煙草タイムはないのか?」
自分の食事であるミートソースのスパゲッティを食べながら京哉は顔をしかめる。
「いきなりそれですか? 貴方は禁煙したんでしょう、大学時代に」
「いや、吸ったら目が覚めるかと思ってな。今は廃人二十面相。灰人か」
「何です、それ。とにかく今の貴方に煙草は吸わせられません、胸、折れたでしょう? ご自分で分かってらっしゃる筈ですよ。誤魔化されませんからね」
「そう捲し立てるな。そう言って自分は吸うんだろうが」
「当たり前じゃないですか、僕は恒常的喫煙者です。煙草なんて煙を胸いっぱい吸い込んで肺をタールで汚して、代わりに味わう旨さがなんぼの代物です。そうやって喋るのも怪しい、呼吸すら精一杯の人に僕の煙草は分けてあげられません。貴重な日本産が勿体ないでしょう」
「くそう……もう大丈夫、問題ないんだがな」
相変わらず威勢がいいのは口だけらしく、霧島はそのままウトウトと眠りに入ったようだった。京哉は煙草を吸いつつ携帯で一ノ瀬本部長に現状報告のメールを打ったり、部屋に付属のTVの音声をミュートにし映像だけ眺めたりして過ごす。
三時間も経った頃、控えめなノックで銃を片手にドアを開けるとクリーニング済みの衣服や保冷剤に点滴のパックまで大きなトレイに載せたマスターが立っていた。
「こんなものまで手に入るんですか?」
「長く客商売してますからねえ、蛇の道は何とやらですよ」
消炎鎮痛剤や抗生物質まで入っているという点滴は有難かった。荷物を受け取るとコートハンガーをスタンド代わりに早速点滴を開始する。タオルで霧島の腕を縛り、消毒してから針先で静脈を上手く捉え、紙テープで固定した。
保冷剤をタオルで包み霧島の額に載せる。少々保冷剤は大きく重たすぎたのか霧島は僅かに目を開けたが、すぐに瞼を閉ざしてしまう。眠くて堪らないらしかった。
だが保安官事務所で霧島の寝顔に感じた淋しさや心細さは、今の京哉は不思議と感じていない。取り敢えず安全圏に辿り着けたからなのかも知れなかった。年上の愛し人の寝顔を眺め、傷ついた身体を癒すためにも眠れるだけ眠って欲しいと思う。
今は何があっても必ずこの自分が貴方を護ってみせるから――。
事ある毎に霧島が助けてくれる。文字通り身を投げ出して護ってくれるのだ。あのとき霧島が矢面に立ってくれなければ、京哉はチンピラどもに死ぬほど弄ばれていただろう。
タラすつもりだった際も考えてみたらオットー=ベインが見ていたのだ。チンピラたちが堕ちる前に京哉の目論見は邪魔されていたに違いない。
そこまで読んで霧島は矢面に立ったのでも、普段の冷静さや超人的な計算能力を発揮したのでもない。ただただ京哉が嬲られるのが許せない、その想いだけで自らを犠牲にしてくれたのだ。愛する者を護りたい一心で。
京哉は自分がどれだけ霧島に溺愛されているのか知っているからこそ、お互い同じくらい想い合っているのを実感できるし、負けないくらい想っていると言い切れる。
お蔭で往々にして相手を思いやりすぎ過剰に護ろうとしてしまう。でも躰が勝手に動いてしまうのだから仕方ない。考えて行動するべきと理性で分かっていても咄嗟に動く自分を止められないのだ。
愛する者を護ろうとするのは理屈ではなく本能的行動である。
こうして傷だらけで眠っていると心配が募りすぎ、文句のひとつやふたつ言ってやりたくなってしまう。けれど霧島は大怪我をしたものの命があったのは僥倖だったし、京哉も霧島の目前で嬲られず年上の愛し人の心に大きな傷を残さなくて済んだ。
何もかも霧島が抵抗しリミッタが外れたかのように暴れてくれたからである。この霧島にとって京哉を護ることが既に本能となっているが故に、我が身を顧みず無茶をしたのだ。霧島の大怪我はさておき京哉は素直に嬉しい。
護られて嬉しいからこそ京哉は霧島の拠り所になりたいと切に願う。
プライドも志も高い霧島忍を堕としてしまった自分が霧島の拠り所を自負するのはおこがましいという気もしている。でも選んだのは一方的でなく互いに惹き合った。紆余曲折を経て結果的に今の形になれた。
だったら自分も霧島並みとまではいかなくても、卑下することなく負い目ばかりに引きずられず毅然としていた方がいい。
「自分の性格は分かってるから簡単に負い目なんて消えないよなあ。でもね、今こうやって忍さんの休息を護るくらいはできるんですよ。ゆっくり眠って下さいね」
あとはベッドの傍に椅子を置いて腰掛けた京哉はそっと霧島の黒髪を指先で梳きながら、静かにそう呟いて京哉は傷だらけの寝顔を見つめ続けた。
「早く治して落とし前つけに行きましょうね。……あれ、ナニしに来たんだっけ?」
◇◇◇◇
身体が休息を求めてやたらと眠いらしく、可哀想に思いつつ何とか起こしても朦朧としている霧島にはスプーンで「あーん」して卵と野菜のリゾットを胃袋に流し込ませ、自分はグラタンという夕食を済ませた京哉は少し眠気を感じつつ再度シャワーを浴びると、セミダブルのベッドに寝ている霧島の隣に潜り込んだ。
まだ芯から安堵しきってリラックスできる状況ではなく、必然的に浅くなる眠りは量でカバーするしかない。枕元に銃を置くと愛し人の体温を感じながら目を瞑った。
そしてふと感触に気付いて京哉が反射的に腕時計を見ると夜中の二時半だった。
「……ねえ、何してるんですか、忍さん」
「あー、何って何のことだ?」
しれっと聞き返した霧島の手は京哉のドレスシャツの下をまさぐり続けている。
「三大欲求があるだろう? 食欲と睡眠欲が満たされて、こう、アレがだな……」
「そういうのは元気な人がやるものなんです。大人しく寝て下さい」
「なあ、いいだろう? 十五分、十五分でいいんだ。だめなら七分でも……なあ?」
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