C-PTSD~Barter.3~

志賀雅基

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第4話(BL特有シーン・回避可)

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「誰かが昼間の大会で疲れてるって言ったような気が……」
「そうか? 覚えはないが……ここはまだ元気なようだぞ」

 重みをかけられ己の変化を知られて京哉は羞恥に顔を背ける。霧島は腹で京哉を刺激し続け、絶妙なテクニックで刺激を与えながら京哉を昂らせ追い詰めてゆく。

「や、だめ……忍さん……先にシャワー浴びさせて下さい」
「ここに戻ってすぐに浴びただろう、硝煙も落とした筈だぞ」
「そんな、あれからもう何時間も……はぁん、やだ」
「本当に嫌なのか? 私が何時間我慢していたと思っている?」

 有無を言わさず霧島は京哉のベルトを緩めた。パーティーのために着替えたスーツを非力な京哉はあっという間に剥がされる。タイを緩めて解かれドレスシャツと下着だけにされて京哉は頬を紅潮させた。脱がさず下着に手を入れられて目を瞑る。

「京哉お前、ここまで濡らして……そんなに私が欲しかったのか?」

 知られたくなくてシャワーなどと口にしたと悟り、霧島は灰色の目に笑みを浮かべる。そして自らもスーツを脱ぎ捨てた。ドレスシャツや靴下に下着まで潔く脱いで滑らかな肌を晒す。
 京哉は霧島の引き締まった腹から逞しくも分厚い胸板を目に映し、成長しきった躰の中心に息を呑む。
 霧島が大らかに笑った。

「これを誤魔化すのは苦労したぞ。抱かせてくれるか?」

 下腹につくほど反り返り揺れもしないほど張り詰めて滾った霧島のものは太すぎる茎まで濡れそぼっていた。
 そんな霧島を見せつけられては京哉も堪らない。自らドレスシャツのボタンを外して袖を抜く。下着も取り去ると伊達眼鏡を外してナイトテーブルに置いた。ベッドにぺたりと座って霧島に微笑みかける。

「ここにきて……してくれますよね?」

 頷いた霧島はベッドに上がり京哉を抱き締めた。組み敷いて白くみずみずしい京哉の躰に肌を擦りつける。左胸の小さな尖りを口に含んで舌で転がし、右胸は指先で嬲った。
 存分に弄って離すと白く滑らかな肌に赤く胸が凝ってエロティックにそそる。

「忍さん、またつけてくれているんですね、ブレナムブーケ。いい匂い」
「お前のためにつけたんだ……お前だけのために」

 ペンハリガンのブレナムブーケは霧島の愛用するオードトワレだが、普段は現場に匂いを残せないので殆どつけない。
 だが京哉も大好きな匂いと知っていて、求める時にはこうして密かに香らせてくれるのだ。今ではこの匂い、イコール自分を欲しているサインだと京哉は認識していて、気恥ずかしくも嬉しさを隠せず微笑んでしまう。

 一方で霧島は愉しむ筈が追い詰められてしまい、己の右手指を口に含むと唾液で濡らし性急に京哉の膝を立てた脚を押し広げた。京哉が頷くと一本目の指を挿入する。

「あっあ……忍さん、そこ、いい――」
「京哉、怪我をするから動くな」
「そんな、勝手に躰が……ああん、そこ……やだ、はぅん!」

 長い指で内襞を擦り上げられるたびに京哉の腰はビクビクと揺れた。自分より自分を知り尽くした指先に堕ちてしまっていた。
 ポイントを掻いては擦られ、淫らに腰が前後するのを止められない。涙を溜めて見上げると二本目の指が押し入ってくる。

「もう、忍さん……僕、いっちゃいそうで、あ、だめ!」
「いきたければいっていいぞ」
「や、だ……貴方と一緒に、っん……いきたい――」

 涙ぐんでの訴えに霧島の揺れた。今すぐ突き入れ貫き征服してしまいたかったが堪える。怪我はさせられない。
 だが自分の数指を狭い窄まりに咥え込んで甘く鳴く京哉は堪らない色っぽさだ。仰け反らせた白い喉に咬みついてしまいたいほどで、それでも欲望を抑えつけ霧島は年上の余裕を見せる。
 後ろを攻めつつ前を扱き始めたのだ。

「ああっ、だめ……許して……ああんっ、やっ、やだ!」
「大丈夫だ、いかせはしない」

 手の中で京哉が変化すると攻めを緩め、また落ち着くと攻め始める。翻弄され京哉は思考を白熱させて喘ぐより叫んでいた。
 この部屋は防音だがそうでなくても我慢できなかっただろう。いく寸前で逸らされること三回で身を捩って逃れた。既に涙も堰を切って溢れている。

 そんな目で霧島を睨みつけると勢い長身を押し倒した。

「あっ、こら……何をする!」
「僕を弄んだ人にお仕置きですよ……ほら、欲しかったんでしょう?」
「くっ、つうっ!」

 霧島に跨った京哉は太いものを握って自らにあてがい腰を落とし始めていた。だが霧島の指で馴らされたとはいえ強引な挿入が可能な太さではない。
 それでも京哉は腰を引こうとする霧島を押さえつけ切っ先を半ば無理矢理呑み込む。

 霧島は端正な顔を僅かに歪めて痛みに耐えた。そのまま己が根元近くまで咥え込まれるのを見守る。 

「んっ、く……京哉、大丈夫か?」
「忍さんがいっぱい濡れてましたから……じゃあ、動きますよ」

 冷や汗も乾かないうちに京哉は腰を持ち上げては落とし出した。霧島はじっと己のものが白く華奢な身を幾度も貫く様を眺める。
 やがて己に京哉の躰が馴染んできて、怪我させる心配がなくなったのを感じ取り自分からも腰を突き上げ始めた。縦に横にと粘膜を擦り上げ小刻みに突く。
 巧みな攻めで京哉が再び甘く切なく鳴き出した。

「あっ、はぁんっ! 太い、忍さん、硬いよ……ああん!」
「京哉、京哉……私もいい、最高だ!」

 上下から躰をぶつけ腰を擦りつけ合う。霧島はきつく巻きつく粘膜の感触に我慢できず、上体を起こすと京哉を持ち上げシーツに寝かせて自分が主導権を握った。
 思い切り突き入れると頑丈なベッドが軋むほど激しく攻め始める。細い躰に負担だと知りつつ根元まで埋めて抉った。幾らも経たずに京哉がしゃくり上げるように訴える。

「あっ、く……忍、さん……もう僕、だめ――」
「私も、一緒に、いかせてくれ!」

 細い腰を片手で掴んで根元まで埋めたまま切っ先で突き、腰を捻って粘膜を擦った。京哉の体内が急激に狭くなる。霧島は腰が蕩けるような思いを味わった。

「もう来て、早く……いく、出ちゃう……あうっ!」
「うっ、くっ……京哉、くうっ!」

 京哉が自分の腹から胸にまで弾けさせるのと同時に、霧島も京哉の芯をたっぷりと熱く濃い白濁で濡らしていた。二人は身を震わせて幾度も迸らせる。
 だが再び霧島は京哉を揺らし始めていた。この自分に対し『お仕置き』などと言い放った年下の恋人に、それこそキッチリとお仕置きしてやるつもりだった。

 思い切り脚を開かせて片足を脇に抱え込むと、腰を浮かせた京哉の窄まりに反り返ったものを押し下げ突き立てる。一度放ってなお太さを増したものが狭い粘膜を貫いた。
 容赦なく掻き混ぜこね回す。

 京哉は堪らず悲鳴じみた喘ぎを放った。

「ああん、何を……忍さん、そんな……はあんっ!」
「京哉……もっと、もっと私を感じてくれ、京哉!」

 吸いつき締めつけてくる内襞の感触に霧島の理性がとぶ。目茶苦茶に突き入れては芯を抉った。己の放ったもので滑りは良くなった筈なのにまだきつい。
 締める余裕があるのかとムキになってしまい、次は京哉を這わせて背後から攻め抜く。何の予兆もなく京哉が溢れさせ、窄まりが痛いほど締まって霧島も京哉に注ぎ込んだ。

「んっ、忍さん……もっと、汚して……僕にかけて、あぅんっ!」
「分かっている! 私だけだ、私しか受け入れられん躰にしてやるからな!」
「お願い、僕を忍さんの形にして――」

 既に何度いったか、いかせたのかも分からなくなっていた。

 やがて気付くと京哉の躰から力が抜けていた。霧島は慌てて己を抜き去ると華奢な身を抱き支え乱れたシーツに寝かせる。
 京哉は茫洋とした霧島を見返し、汗に濡れて乱れた前髪に手を伸ばした。だがパタリと手を落として目を瞑る。

 確かめたがバイタルサインに異常はない。またも失神させてしまった己の所業に呆れ、霧島は溜息を洩らした。

 頭を振ってバスルームに立つと簡単にシャワーを浴びる。適当にバスタオルで拭って白いシルクサテンのパジャマを着るとバスタオルを湯に浸して絞った。
 バスタオルで京哉の躰を拭きながら躰を傷つけていないかチェックする。そうしていると京哉は目覚めた。

 けれど霧島自身が放った白濁が溢れ出ている秘部をまじまじと覗き込まれた状態に気付くなり、京哉は素早く足を閉じて裏返った声を上げる。

「何してるんですかっ! その目は強制性交モノ、懲役五年執行猶予ベントウナシです!」
「言うに事欠いて夫にそれはないだろう、お前の方こそ傷害罪で十五年以下の懲役もしくは五十万円以下の罰金だぞ」
「傷害って……もしかして?」

 珍しく霧島は顔をしかめて頷いた。

「ああ、少々擦り剥いたようだ」
「わああ、すみません! 薬、薬を塗らなきゃ!」

 焦ってベッドから滑り降りた京哉は勢い床に転がった。あれだけやらかしたばかりで足腰が立たないのだ。それでも救急箱の置かれたキャビネットに這い寄る。霧島が拾ってベッドに着地させ自分で救急箱まで歩み寄って処置をした。

 京哉は戻ってきた霧島の顔をまともに見られないまま平謝りだ。

「ううう、本当にすみません!」
「もういい、お互い様だ。それにああいう積極的なお前もそそるからな」
「そう言って貰えると助かります」

 そこで京哉は壁に掛かった赤茶色の木目も美しい時計を見る。既に日付が変わり三時間が経過していた。霧島は京哉の躰を拭いてから一旦部屋を出て行き、違うシーツを調達して戻ってくる。おそらく隣の自分の部屋から持ち出してきたのだろう。シーツを交換して濡れたシーツは他の洗濯物と一緒にカゴに放り込んだ。

 最後に京哉にもお揃いのパジャマを着せつけ、自分の部屋には戻らず京哉のいるベッドに上がった。毛布を被ると左腕を差し出してくれる。
 京哉は有難く腕枕に頭を落とした。今日は二人の住処のマンションには戻らず、ここに泊まりだ。

 ナイトテーブルに手を伸ばした京哉がリモコンで照明を常夜灯モードにする。毛布を被り直すと霧島に抱き込まれた。

 温かい胸のゆったりとした鼓動を感じていると、とろりとした眠気が押し寄せる。霧島も既に穏やかな寝息を立てていた。
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