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第46話(エピローグ)
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「キャス、すっごく綺麗だったよね」
「六月の花嫁か。招待客が殆ど真っ黒の制服だからさ、新郎新婦の白が映えたよな」
「エスコートの貴方も制服礼装姿が素敵だったよ。いっぱいポラ、撮っちゃった」
あれから二週間も経たずに完全回復したマクシミリアン=ダベンポートはキャスリーン=バレットと結婚式を執り行った。その招待から二人は帰ってきたばかりだ。
制服を脱いでリフレッシャを浴びたシドは綿のシャツとコットンパンツというラフな姿で、コーヒーではなくワインクーラーからロゼワインを出して栓を抜く。
こちらも自室で着替えてきたハイファが簡単ながら華やかな色合いのつまみをプレートに作ってロウテーブルに並べた。
二つのワイングラスの間には、今日の花嫁が手にしていたブーケがあった。
「何でお前がそいつを受け取るんだよ、キャスの女友達も沢山いたじゃねぇか」
「ブーケ・トス、何だか知らないけど僕に降ってきたんだもん。たぶんキャスはわざと僕に投げてきたんだと思う」
「あー、『籍は入れずに式くらい』とか何とか言ってたっけな」
「結婚式、ねえ――」
「――結婚式か……」
やはり機動捜査課の面々を思い出しつつ、シドはワインに口をつける。
ポーカーフェイスながら何事かを考え込む愛し人にハイファは優しく告げた。
「僕はこのままで充分だよ」
「結婚してるも同然だしな」
「うん。……ねえ、結婚はいいけど、こっちに座らない?」
ハイファは自分の指定席、二人掛けソファを指し示す。
「ではご招待に与りますか」
気取った言い方をして隣に移ったシドと飲みながら、幾たびものついばむようなキスをハイファは受ける。ゆっくりと押し倒された。
顔の横で左右の手首をソファに押しつけられ固定されて思い切り、痺れるくらいに舌を吸われて耳許で囁かれる。
「俺はたぶん、結婚なんて契約よりもお前を縛るぜ?」
「いいよ、望むところ」
シドに荒々しく腕を掴まれてハイファは寝室に連れて行かれた。
意外なほどに優しく始まり徐々に濃厚になるシドからのキスと愛撫にハイファは、透明感のあるきめ細かで滑らかな肌を、先程まで飲んでいたロゼワインに負けぬくらい上気させつつ陶然とする――。
了
「六月の花嫁か。招待客が殆ど真っ黒の制服だからさ、新郎新婦の白が映えたよな」
「エスコートの貴方も制服礼装姿が素敵だったよ。いっぱいポラ、撮っちゃった」
あれから二週間も経たずに完全回復したマクシミリアン=ダベンポートはキャスリーン=バレットと結婚式を執り行った。その招待から二人は帰ってきたばかりだ。
制服を脱いでリフレッシャを浴びたシドは綿のシャツとコットンパンツというラフな姿で、コーヒーではなくワインクーラーからロゼワインを出して栓を抜く。
こちらも自室で着替えてきたハイファが簡単ながら華やかな色合いのつまみをプレートに作ってロウテーブルに並べた。
二つのワイングラスの間には、今日の花嫁が手にしていたブーケがあった。
「何でお前がそいつを受け取るんだよ、キャスの女友達も沢山いたじゃねぇか」
「ブーケ・トス、何だか知らないけど僕に降ってきたんだもん。たぶんキャスはわざと僕に投げてきたんだと思う」
「あー、『籍は入れずに式くらい』とか何とか言ってたっけな」
「結婚式、ねえ――」
「――結婚式か……」
やはり機動捜査課の面々を思い出しつつ、シドはワインに口をつける。
ポーカーフェイスながら何事かを考え込む愛し人にハイファは優しく告げた。
「僕はこのままで充分だよ」
「結婚してるも同然だしな」
「うん。……ねえ、結婚はいいけど、こっちに座らない?」
ハイファは自分の指定席、二人掛けソファを指し示す。
「ではご招待に与りますか」
気取った言い方をして隣に移ったシドと飲みながら、幾たびものついばむようなキスをハイファは受ける。ゆっくりと押し倒された。
顔の横で左右の手首をソファに押しつけられ固定されて思い切り、痺れるくらいに舌を吸われて耳許で囁かれる。
「俺はたぶん、結婚なんて契約よりもお前を縛るぜ?」
「いいよ、望むところ」
シドに荒々しく腕を掴まれてハイファは寝室に連れて行かれた。
意外なほどに優しく始まり徐々に濃厚になるシドからのキスと愛撫にハイファは、透明感のあるきめ細かで滑らかな肌を、先程まで飲んでいたロゼワインに負けぬくらい上気させつつ陶然とする――。
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