陽気な邪神と陰気なダンス

トマト農園

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勇者と賢者のダンス

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賢者は困っていた。

これでも賢者と呼ばれる身であり、数々の問題を解決してきた。
東に飢饉あれば、国の貯えを民衆に配分することを王に進言し、同時に飢饉の原因となる農作物の病を治す方法を見つけたし、国間の戦争では兵法を教え、軍を鍛え勝利してきた。
そういった経験から「賢者」としての自信を持っていた、誇りもある。しかし、新たに召喚された勇者の言うことがわからない。

「魔法を教えてください」真剣な眼差しで私に教えを願った青年が嘘をついているようには思えない。しかし、私は魔法というものを知らない。

「賢者のあなたは、魔法使いの魔法と、僧侶の法力どちらも使えるはずだ」そう言って譲らない頑固な彼は、決して譲らない。いや待て、法力ってなんだ?

「女神の力を借りて傷などを癒すことができますよね?それです」

いやできないが、そんなこと聞いたことがない。教会が慈善事業で作成しているポーション(簡易な傷薬、傷口の出血、化膿を防ぐ)のことかと思ったがそれでもないらしい。

何やら魔力とやらを使って炎を起こせたり、氷の刃を相手に飛ばせるらしい。氷の刃?ナイフを投げるのではだめなのだろうか。ダメかそうか

違う世界から来たので何やら齟齬があるのであろう。魔法、法力などそのような不思議な力はこの世にないと告げると勇者はがっくりと肩を落とした。

「じゃあここは剣と魔法のファンタジーな世界ではないのですね。。。」

わたしに言ったのか、自分自身に言い聞かせたのかポツリと暗い声でつぶやくと、勇者はとぼとぼと帰っていた。

少しかわいそうに見えるが仕方ない。私は、彼が開けっ放しにしたドアを超能力で閉めると、ゾンビの呪いの対処方の研究に戻った。
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