愛言葉を贈らせて〜謎めいてる彼女の甘い罠〜

愛宮

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第一章『告白ゲーム(藤堂朔視点)』

*2*ゲームスタート②*

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『ごめんね朔くん。結羽のお見舞い、今日で最後にして欲しいの。朔君が来ると、あの子頑張っちゃうから。起き上がって笑顔でいなきゃって頑張っちゃう。結羽に、優しくしてくれて、ありがとね』

あの日、杉原衣と出会う数分前。
鈴野結羽スズノ ユウの姉の結空ユアさんから、寂しげに、でも優しく俺に告げられた。
結羽は、俺の中学時代の同級生だ。
面倒見の良い明るい女の子。
でも、生まれ付き体が弱いらしく、学校は休む事が多かった。
自分の顔が嫌いで、前髪を伸ばし、俯いて周りを威嚇ばかりしていた俺にしつこく付き纏い、俺に他人の輪に入るきっかけをくれたり、顔を隠す必要はない、と教えてくれたのが彼女だ。
俺は当然ながら、彼女に恋をした。
中学卒業の日、告白したが玉砕を喰らった。
正直、勝手に両思いだと思い込んでただけにショックは大きかった。

鈴野姉妹の両親は、数年前に事故で亡くなっているらしい。
だからなのか、結空さんは唯一の家族である年の離れた妹の結羽をとても可愛がっている。
結羽も中学時代よく「お姉ちゃん大好き」って話していた。
結羽から貰った沢山の恩を、どうしたら返せるのだろうか。


*****


「藤堂君偉いね、お使い?」
「なんで居んの、ここ一般的なスーパーだぞ。お嬢様が来る所じゃないだろ」
「言っときますけど、今日のは本当に偶然ですからね。それと私は四葉女に通ってはいますが、一般家庭の一般育ちです」

結空さんに頼まれた買い出し中、まさか杉原衣に出会うとは思いもしなかった。
安易な発想で自己満足なのはわかってる。
でも、結羽の為に俺が出来る事と言ったら、結空さんのサポートぐらいしか思いつかなかった。
結羽が、大好きな姉さんと少しでも多くの時間を過ごせる様に。
それと、出来ればまだ、結羽との繋がりを持っていたいと言う、俺のささやかな抵抗心でもある。

「藤堂君」
「ん?」

買い物カゴを持った彼女が俺に近づき、耳元で告げてくるーーーー好きですよ、と。
他のお客さんが居るから配慮したのは分かるが、不意打ちは、卑怯だ。
杉原さんは、とても耳残りの良い可愛い声をしている。

「お使い頑張って下さい、藤堂君」

最後はいつも通りの笑顔を残し、彼女は鮮魚コーナーへと消えた。


.
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