『十人十色のラブストーリー』

小雨あい

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ピュアボーイを見守ろうの会(高校生、片恋)

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午後の教室。
各々が帰り支度をしている中、拳を握り締め、気合を入れる男子が此処に一人。

ーーーーよし、今日こそは、夢原に話しかける!

竜之介りゅうのすけの頭の中は、メッセージの文面や会話のシュミレーションでいっぱいだ。
クラスの誰とでも気さくに話す竜之介だが、夢原ゆめはら胡桃くるみの前ではまるで別人になる。
胡桃は、普段から表情を崩さず、どんな場面でも落ち着いている優等生だ。
彼女を前にすると、竜之介は途端に恋するピュアボーイとかす。

「ゆ、夢原、あ、あのさ。その、えっとさ」

声が小さすぎて、竜之介自身も聞き取れていない。
後ろの席のクラスメート達は、こっそりその様子を見守っている。

「わぁ、竜之介が本命の前で完全に動揺してる、楽し~」
「緊張してる姿、可愛いよね」

胡桃は目だけで竜之介をちらりと見やる。

「どうしたの?帰らないの?」

その声は冷静で淡々としているのに、どこか柔らかい。
竜之介は赤面し、手をもじもじさせながら必死で言葉を絞り出す。

「い、一緒に帰らないか?」

胡桃は少し目を細め、涼やかな笑み浮かべるとーーーー「うん」と声を鳴らす。

その一言に、竜之介の胸はドキドキが止まらなくなる。
だけど、その顔は満面笑顔で、嬉しさを隠しきれていない。

後ろで成り行きを見守っていたクラスメート達は、思わずクスッと笑い、拍手を送りたくなる。

「竜、えらい!よく頑張ったな」
「竜君の頑張る姿を見ると、ほっこりするんだよな~」
「そろそろ成立まで秒読み段階か?」
「え~勿体ない。もっと焦れてる二人が見ていたいのに」
「竜ちゃん相手だと、胡桃もまた嬉しそうなのが、飯旨ポイントなのよね」



《了》
クラスメートに見守られながら(遊ばれながら)、進展する二人。
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