君と僕とで異世界転生!?

もう1人の強者

「はぁ～。どこの世界でもお風呂っていいなぁ。あの上から目線の言い方違和感ありすぎる…エルさんはいい人…じゃないや、いい魔物なのにな…」

異世界でも風呂はとても居心地のいい場所である。


誰もいないことをいいことに、大きめの独り言を言っていると…
「誰かいるの？」

「誰だ！？」
突然感じた気配に湯船から立ち上がる。
「あなたこそだぁれ？」
湯気で全く顔が見えない。
ゆっくりと近づいてくるその体は……
(女！？)
「あなた…子供？とゆうことはまさか……」
「僕はこの城の主であるシエラだ。お前はだれだ？」
「そう…あなたが新しき魔王…シエラ様…」
近づいてきたのはとても美しい赤毛の切れ長の目をした女性だった。
「ご無礼をお許しくださいませ。10年間の使命を終え、ただいま帰ってまいりました。リリシエル･セーランと申します。セーラとお呼びくださいませ。」
(エルと同じ苗字？)
「私はエルエーラの妹でございます。兄様が慕うものは全て私の尊敬すべきもの。つまりシエラ様は私の尊敬すべきものでございます。」
「セーラ…よくわかったからまずは湯船に浸かるか服を着てくれないか。女の体には全く慣れていないのだ。」
「まぁ…なんとお可愛らし……。おほんっ。失礼しました。それでは失礼して…」
(入るんかい！)
「ところでシエラ様…その額の傷は？」
「ん？あぁ。この真ん中にまっすぐ縦に入った傷か？これは生まれた時からあるらしいな。何度も魔法で治そうとしてもこれだけは消えなかった。」
(もしかしたら死んだ時の傷かな？)
「もしや……これは…」
「ん？なんだ、これがなんなのかわかるのか？」
「いっ、いえ。なんでもございません。それよりシエラ様、兄様から聞いたのですが半年前から剣術を習っているそうで？」
「ん？あぁ。」
「半年で兄様と互角に戦えるなど流石でございます！！」
「褒め方がエルと全く同じだな。流石兄妹だな。」
「そうでしょうか？なんか照れます」
セーラはエルよりは常識人で、話しやすかった。しばらく一緒に話して、僕が先に上がった。そのあとセーラはこっぴどくエルに怒られたらしい。







次の日からは、剣術に加え、自作魔法や自分の知らない時魔法についてなどの勉強が加えられた。実はセーラは、世界で最も凄いとされる魔法使いだそうで、より多くの知らないことを知っていった。
こうして僕は徐々にチート並みの力を手に入れていったのである。