俺のうちにもダンジョンができました

天地森羅

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第一章 始まり

6 驚愕、キングスライムのアイテム

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どれくらい気を失っていただろう。
俺は目が覚めると、体験したこともないほどの激痛が体を襲う。
なんとか這うようにしながら落ちていた瓶を拾い飲みほした。淡い光がおさまり体力が少し回復した。
起きあがり周りを見ると、何か所か火はくすぶっているがほとんど消えていた。



キングスライムのいた後には、大量のドロップアイテムがあった。
まずは、巨大な大きな魔石がひとつと、でかスライムが落とす大きめの魔石が数十個ある。
ポーション瓶も30本くらいおちている。
そしての部分に魔石が3個ついている黄金の豪華な小型ナイフとやはり魔石がついている黄金の豪華なつえらしき物もあった。
とにかく拾ってリュックにいれていく。



そして、古ぼけた巻物が三枚あった。
一枚目を拾い広げてみると、見たことのない文字が書かれている。
だが、みつめていると文字が化けはじめた。そして見慣れた文字カタカナに変形した。
俺はそれを読み上げた。


【ウォーター】


すると手元にあった巻物が消えていき俺の体に、しみこむように入りこんでいくような感覚がした。
とたんに激しい頭痛がしたが、すぐにおさまった。



何だったのだろう。




二枚目を拾い開けてみると、やはり、見たことがない文字で書かれていて、それも文字化けが始まった。


【ウォーターカッター】


読み上げると同じように巻物が消えて体に入っていく感じがすると、激しい頭痛がしたが、すぐにおさまった。


【スキル 鑑定】


3枚目も同じ現象が起き、頭痛の後、巻物すべてがまるで俺の体に溶け込んでいくように消えていった。
巻物が気になった。頭痛より好奇心の方が勝っていたので3回も同じことを繰り返してしまった。





俺はなんとなく、「ウォーター」といってみた。
なにもおこらない。
今度は、手を突出し、すこし念じるようにいってみると、手のひらが熱くなる感じがした。
もっと集中すればもしかしてと思い、俺は頭の中で水を強くイメージした。
すると先ほどより手のひらが熱くなってきた。

そして「ウォーター」と唱えた。


すると、手から少量の水がチョロチョロと流れるように出て、しばらくすると止まった。
俺は唖然と自分の手をみつめた。


今度は、ブーメランが飛ぶようなイメージを浮かべ集中力を高め、手を松明の一つに向かってふりきり、「ウォーターカッター」と叫んだ。
俺の手から薄い刃物のようなものが飛び出したと思ったら、松明が真二つになった。
俺は口を開けたまま茫然としていた。





本当に焦ると人って固まるんだな。俺は身をもって体験した。
人生で一番のパニック状態だった。
俺の心臓は鼓動がフル回転して、冷や汗が滝のように流れた。





大きく深呼吸する。





いや、無理でしょう!





これは、いわゆる【】というものではないだろうか
あの巻物は、魔法を使えるようになる『スクロール』というものだった。
キングスライムボスを倒すことによってドロップした、レアアイテムだ。




テンションは最高潮マックスになっていた。
ラスボスを倒し、たくさんのドロップアイテムと魔法という未知との遭遇。




はい、調子にのりました。
5回くらい繰り返し魔法を使っていたら、また、気絶しました。






目が覚めた。
落ちているポーションを飲む。あいかわらず苦い。
アイテムを拾い、リュックにしまう。
疲れきった俺はヨレヨレになりながらダンジョンをでた。




家に帰ると母さんに泣きながら叱られた。なんと丸三日たっていた。
ダンジョンから戻ってこない俺を心配して母さんは警察に行こうと思っていたところだった。
いろいろ危なかった。


とりあえず、鶏小屋に行った。
やつらに攻撃された。こいつら飛べるようになっていて四方から特攻してくる。
だが俺もだてにダンジョンに潜って能力向上していない。簡単にかわすことができる。
やたら反抗的になったが可愛いやつらなので手加減して軽くたたきおとす。


さすがに糞の始末や水・餌の補給などは世話してやらないといけないので、俺が掃除に巣箱が汚れ怒って攻撃してきたようだ。
ちなみに餌は小屋の隅に餌の袋が置いてあったので勝手に破いて食べていた。


鶏らは巣箱から出て飛び回り、なかには扉を開けるもさもいて勝手に小屋と外を出入りしていた。
夜にはおのおの巣箱に戻るし、スライム水あげてから良質の卵を以前より増産してくれるから放置していたが、あとで改善しなければいけないな。


とにかく、たまに攻撃してくる鶏をよけながら鶏小屋の掃除をして水や餌の補給をすませた。
鶏達の無双に母さんこわがって鶏小屋には近づかなかったから、鶏の世話と卵集めは俺だけの仕事になっていた。
かなりの数の卵を集めた。


牛や畑は母さんが世話してくれていたので簡単に済んだ。
疲れ切った体を酷使して、黙々と残っていた仕事をかたずけた。






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