俺のうちにもダンジョンができました

天地森羅

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第一章 始まり

10 3階層新スライム登場とボーナススライム

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ダンジョンの出入口のワープ室と勝手に呼んでいる部屋に入ると、目の前に、『2階』『3階』と立体スクリーンがでた。2階層ボス攻略をしたので増えていた。
『3階』をタップすると、一瞬で移動できた。
3階と書いてある扉を開け出ると、そこはうす暗い岩壁にかこまれた通路だった。






1階層に似ているが中は明るいし、通路は2階層くらい広い構造になっている。
迷路になっているので、慎重に進んでいく。ダンジョンでは何が起こるかわからない。
だが、新しいスライムが登場するのではないかと、期待しながら進んでいった。



10分くらい進むと、前方から、なんと鉄色のスライムが歩いてくる。


【鑑定】をする。


【鑑定】
種族:鉄スライム
レベル3



鉄スライム、なんだか固そうなスライムだな。
わかりやすく体の真ん中についているやつが魔核だろう。
俺は一瞬で『鉄すら』の前に移動すると、素早く魔核をナイフでついた。
鉄スライムは動かず攻撃もしてこなかったので一撃で、、、


倒せなかった。


『鉄すら』にナイフで打ち込むと、その衝撃は凄まじく、欠けたことがないナイフの刃が折れてしまったのだ。
俺が今まで愛用し、鍛えた大事なナイフが折れてしまった。
八つ当たりぎみに『鉄すら』を蹴飛ばしたら、びくともせず逆に俺は足を痛め、あわてて回復薬ポーションを飲んだ。
なんて固くて重いんだ。


3階層スライムは守り重視型のスライムのようだ。




ナイフが折れてしまったので、俺は逃走することにした。
鉄スライムはのしのしと重そうな体でゆっくりと歩きながら、俺の後を追いかけてくる。
歩みが遅いのである程度距離を置きながら、鉄スライムの攻略方法を考えた。



水や電気には強そうだ。鉄は熱いうちに打てというから、火はどうだろうか?
あと攻撃する武器をどうする。
俺が今まで使って強化してきたナイフがあっさりと折れてしまうのだから、たぶん他の武器でも同じようになるだろう。
そうだ、『ボスすら』のドロップした、あの豪華ナイフはどうだろう。
俺は、いったん家に『ボスすら』のドロップナイフをとりに戻った。





再び3階層ダンジョン。ゆっくりと歩いたら10分くらいして、鉄スライムが一匹のしのしと歩いてきた。
手をかざし「ファイヤー」と魔法を発動した。
『鉄すら』は燃え続けていたが、火がおさまってくると、真っ赤に変色していた。
俺は反動をつけ『鉄すら』の魔核を一突きした。
固い。手に力をこめる。
やがてナイフが鉄スライムの体を貫通し魔核を破壊できた。



なんとか鉄スライムを倒すことができた。
ドロップしたのは鉄のボール状の丸い塊だった。まるで砲丸投げの鉄球だ。


【鑑定】
材質:鉄
1Kg



鉄、どうすればいいんだろう。そういえば金属を買い取ってくれる業者がいたな。
3階層ドロップ品は食べられないから、うちの牛鶏やつらとくに母さんは喜びそうにないな。


3階層ダンジョン探索を続けた。
やっぱり『鉄すら』が多いな。




おっと、5匹のスライムがでた。
その中で2匹だけ違う色のスライムがでてきた。鑑定してみよう。


【鑑定】
種族:銀スライム
レベル5

【鑑定】
種族:アルミニウムスライム
レベル5


おお、もしかして銀やアルミニウムをドロップするのか?



金属スライムは攻撃してこないが守りが固いので倒すのに時間がかかる。
しかも複数匹いるので、なかなか先に進めない。
その上、2階と比べると食べるグルメという楽しみがないので、なんとなく地味というか気分はコツコツ掘る炭鉱夫のようだ。



いや、これが正しい探索なんだ。2階が楽しすぎたのだ。気を引き締め直す。



やっと倒したら、銀500gとアルミニウム500gが手に入った。もちろん鉄もある。
しかも、すべて丸いボール状態だ。
せっかくのドロップアイテムだが、俺は苦笑するしかなかった。

俺はローテーション状態で、3階層の探索を続けていった。




3階層のスライムたちは集団で出てくる傾向がある。
その中でやはり色が違うスライムが一匹いる。鑑定してみる。

【鑑定】
種族:プラチナスライム
レベル8


銀もすごいがプラチナも価値がある。
売るには形状が少々問題だが、しかし鉱物っていろいろ



3階層金属スライムは盛り上がりに欠けると思っていたが、やはり驚くべきスライムがでた。
10匹の中央に一匹だけ大きく金色に輝くまぶしい、でかスライム。
略して『金すら』。


いままでの金属スライムの中では一番固い。しかもキラキラしてまぶしい。
【ファイヤー】魔法を発動、『金すら』が炎に包まれる。
すると『金すら』がまるで小さな太陽みたいになり、ダンジョンの通路を転がり出した。
まわりにいた、鉄やその他のスライムを踏み潰していく。
通路がサウナのように熱くなってきた。
俺は【ウォーター】魔法で『金すら』を冷やした。
あれ、体が縮んでいる。
とにかく魔核を攻撃する。数十回ナイフで突き刺してようやく魔核を破壊した。


【鑑定】
材質:金
1kg



まるで砲丸投げ用のボールのような金の塊が落ちていた。どうせだったら延べ棒状態のほうがよかった。
まてよ、金1g4000円としても、400万円。
俺の頭には、ダンジョン成金の垂れ幕が掲げられた。
問題はこの丸い金ボールを、どうやって売るかだな。




なめていました、3階層ダンジョン。
やはり驚愕のスライムがいました。

10匹くらいの集団の中に、ひときわ大きいでかスライム。しかも、眩しいほどにキラキラ輝いている。


【鑑定】
ダイヤモンドスライム
レベル10


夢中でスライムの中に突入しました。
ダイヤモンドスライム略して『ダイすら』の固いこと固いこと。
『ボスすら』がドロップしたナイフの刃が、また折れてしまいました。
あと3本しかないのにどうしよう。


なんせ『ボスすら』は、復活に1ヶ月かかり、アイテムドロップしないのだ。


なんとか、ダイヤモンド1kgを手にいれた。
しかも丸いボール状態のダイヤモンドボール、ミラーボールみたいだ。




今や、俺は探索というより、1日中ダンジョンで、1階層でスライム水、2階層では野菜など、3階では鉱物の採取になっていた。
冬でよかった。もうすぐ春になるから。
できるかぎりダンジョンにもぐりアイテムを集めることにした。







ある日、3階層も奥深く探索していた時、一匹のスライムをみつけた。
大きさは普通だが、色が銀色もしくは鈍い鉄色というかキラキラ輝いていた。『銀すら』『鉄すら』とは違うようだ。


【鑑定】
種族:メタルスライム
レベル100


レベル100!
最強のスライムが現れた。俺の額に汗が流れ出る。ナイフを構えた。
と思ったら、メタルスライムが逃げた。
は、速い。どうやって走ってるんだ。
最強わけ脱兎のごとく逃走するわからないスライムが出た。



逃げ足の速いスライムは、1日1回は遭遇するようになった。



ある日、メタルスライムが油断していたので、逃げられる前に攻撃することができた。
どうやら、攻撃を一度受けると逃げないようだ。
レベル100なので最悪こちらが逃走する気持ちでいたが、強さと速さは一階層スライムと同等のようだ。
だが守りは固い。
何度も攻撃して、やっと倒すことができた。
豪華ナイフの刃が、またまた折れ犠牲になった。


【鑑定】
材質:アダマンタイト
1kg



聞いたことのない鉱物が手に入った。
頭の中でレベル上げのブザー音が鳴り響いていた。






家に帰って調べたが、わからなかった。
現実には存在しないがファンタジー世界ではよく出てくるアイテムらしく、最高級の金属らしい。
なんとなく鑑定してみた。


【鑑定】
材質:アダマンタイト
1Kg
オリハルコンの次に固い。剣や矢じりなどの武器に使用される。スキル錬金でしか加工できない。



なんだ、鑑定機能に詳細がついてきた。もしかしてと思い、自分を鑑定してみる。


【鑑定】
種族:人間 神崎達也 27歳
レベル10
スキル 【鑑定・錬金】
魔法【ウォーター・ウォーターカッター・ファイヤー・ファイヤーボム】




驚いた、レベルが上がっている。
たしか前の鑑定したときはレベルが5くらいだったので5つは上がっている。
メタルスライムを倒したからだろう。
鑑定レベルが上がり詳細がつくようになった。少しうれしい。



なぜなら、やっと【スキル錬金】が使えそうだからだ。
実は【スキル錬金】は使い方が全く分からなかった。
いろいろなものを持ち「錬金」と唱えたが、何もおきなかったのだ。



今まで使えなかった【スキル錬金】が、謎の金属アダマンタイトを武器にすることができるとは。
俺は刃の折れたナイフの柄とアダマンタイトを並べ、剣をイメージして「錬金」と唱えた。
すると二つが輝きだし、合体するように光が結合したら、俺の目の前には豪華な剣が復活していた。


【鑑定】
アダマンタイト製剣
作成者:神崎達也
ダンジョンモンスターにダメージを与えられる。



2度目の驚きだ。これで俺は最強の武器をいつでも作成できる。
武器を気にせず、3階層の探索しやすくなった。






余談。

実は金スライムを倒してドロップした金のボールが、俺の部屋を半分ほど占領して山積みになっていた。
もちろんダイヤモンドや他の高価な金属ボールもあり、家の至るとこに置いてある。
鉄やアルミなら外の倉庫に放置できるが、さすがに高価なこれらを放置できず、とりあえず家の中に置いておいた。
丸いきれいなボール型のこれらは、売りに出せず困っていたのだ。



なんとなく錬金のコツを覚えた俺は、いたずら心にダイヤモンドボールをひとつ手にした。
頭にワイングラスをイメージし「錬金」と唱えた。
するとダイヤモンドのボールが光り、そのあとには、ワイングラス型のダイヤモンドグラスが10個あった。
なんて豪華なワイングラスだ。
3度目の驚きだ。


【鑑定】
ダイヤモンド製ワイングラス
作成者:神崎達也
高級ワイングラス。なお【スキル錬金】でダンジョンモンスターのドロップアイテムでワインを作ることも可能。このワインを入れて飲むと最高級の味わいになる。



なんと、【スキル 錬金】は2階層果物をワインにすることができるのか。
【スキル 錬金】思った以上の働きをする。





まてよ、ダイヤモンド材質のワイングラスなんて、この世界に存在するのか?
もしかして、俺は国宝級いや世界級のワイングラスを作成してしまったかもしれない。
まあ作ってしまったものはしかたがない、せっかくだから高級ワイングラスを使ってみよう。



ワインと言えば葡萄だろう。たしか工場に葡萄いたなじゃなくて、あったな。
少し大きめのボールいっぱいに葡萄と果物を用意した。最初は2房くらいで錬金してみる。

葡萄ジャムができた。味見したら普通に甘くておいしい。
もう一度挑戦だ。

また2房とり錬金する。普通に葡萄ジュースができた。うん。美味しい。
なかなか難しいな。

また2房とり今度はワインの醗酵を強くイメージし錬金する。
芳ばしい匂いがする。旨い。まさしく赤ワインができた。




さっそくダイヤモンド製ワイングラスに入れ飲んでいたら、母さんに見つかった。
二人してダイヤモンド製ワイングラスで飲んだ。
なんて美味しさだ。あまりの美味しさにとまらない。


そのうち母さんがケラケラ笑いながら、もっとおしゃれに作れとか、今度は白ワインが飲みたいと言い始めた。
俺にデザイン性をもとめないでほしい。でもイメージって大切だ、ネットで調べてみよう。
なんて考えながら、今度はちがう果物をワインにして飲んだ。イチゴのワインは甘いな。
やはりダンジョン産ワイン超旨いな。



母さんはゲラゲラ笑いながら飲み続け、俺は撃沈して寝た。
どうやら、母は笑い上戸で、俺は死んだ父から寝落ちする血筋を受け継いだのが判明した。






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