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災厄編第1章 災厄の始まり
第2節1款 ギルド日の出財団
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暗い木目調の壁と赤色基調の絨毯が敷き詰められた大部屋。
和風建築が建ち並ぶ日本サーバには似合わぬ西洋風の内装。その中央にコの時にテーブルが並んだ会議室。イベント時に使用される大部屋は偉い豪華な作りだった。
そんな会議室に集まったのは、日の出財団と日頃協力関係にあるギルドの役員たちだった。
商業系〈六角商会〉経営責任者の六角麗子、執行責任者の吉田加奈子
商業系〈タタ技研〉所長の御子柴龍太、副所長の中津川奏次郎
交流系〈エヌ・テー町会〉町会長の御子柴富子、副会長の山田清次郎
交流系〈ネモフィラ同盟〉ギルマスの海江田亜里沙、大番頭の宮前颯汰
商業系〈澤渡商店〉店長の澤渡花音、マネージャの萩野伊織
商業系〈一号商会〉会長の御田裕樹、副会長の村井丈治
攻略系〈カロル騎士団〉団長の麻生武雄、参謀の歩瀬晴翔
攻略系〈銅鏡騎士団〉ギルマスの佐山雪洋、総司令官の谷口優也
そして、
「さて……」日の出財団会長、一守明久が溜息交じりに席に着いた。
「えー…… 本日は、この様な情勢の中、お集り頂きまして、有難う御座います。本日、お集り頂いたのは、えー…… 今回の異常事態に、どの様に、対応するのか、日頃から…… えーと、ご協力頂いている皆様と、知恵や発見を共有していければと考えた物です」一守がオデコから脂汗を噴出させながら挨拶をした。
二關は思わず吹き出してしまいそうだった。
『日の出財団会長の一守』と言う事で割とゲーム内では有名人だ。しかし一般に呼ばれる二つ名は『脳筋一守』『イノシシ』『KY』『突撃にしか脳がない奴』と呼ばれる程、評価は惨憺たる状況だった。
そして自分自身、リアルでも一守の丁寧な挨拶なんて今の今まで聞いたことがなかった。一守もそれだけこの状況を深刻に考え受け止めてるのだろうと思った。
「えっと、うちの代表が柄にもない丁寧なあいさつをした所で時間も時間です、ドタバタでまともな昼食も摂れていないでしょう。うちのメンバーに昼食を用意させています。まもなく届くと思いますので、昼食を摂りながら意見交換でもしましょう」
二關も理事長としてそれなりの挨拶をした方が良いか悩んだ。
しかし、現状としてこの会議室全体が重たく緊張した空気に包まれていた。
このまま進行しても座面を温めるだけで、大した進展も無く時間だけが流れてしまう。和やかな雰囲気で情報交換が出来ればと考えていた。
二關が着席するとほぼ同時に食事が運ばれてきた。
「おぉ、チキンステーキか、これは旨そうだ」
今にもよだれを垂らしそうな勢いで嬉しそうな顔をして言ったのは裕樹。
東日本ではそれなりの規模を誇る約二千人を抱える商業系ギルド、一号商会の代表御田裕樹だ。御田さんの発言でいくから場が和んだ様に感じられた。
「さっき絞めたばかりで新鮮で美味しいですよ」料理を運んできた和泉が満面の笑みで言ったが、会議室内の空気が一瞬引き攣ったのは見なかった事にしよう。
「食べながらで結構です。現在、我々日の出財団が得ている情報を公開いたします」全員がナイフを手に取ったのを確認して二關が口を開いた。
羽田にあった『エプロン』や『転移石』の使用が出来ない上に、エプロンは土地だけ残り施設が丸々消え去っている事。
恐獣 (モンスタ)への攻撃は可能で、魔法の行使も可能であった事。
攻撃メニューの縛りがなくなった故に街内や施設内で無制限にPKが可能である事。皆が目の前のチキンステーキを食べている間に得ている情報を公開した。
「と、言う事は各都市への移動は……」ネモフィラ同盟の亜里沙が呟いた。
「お察しの通りゲートからの移動は出来ません。ただし徒歩や馬を用いてならサーバ越えの移動は出来るとウラジオストクの拠点から報告を受けています。尤も、日本から外に出るには海を渡ると言う危険が伴います。関東圏から関西圏、北海道などへ長距離移動をするのは現状では厳しいでしょう。当然荷物も嵩張りますので補給の問題が付いて回ります」
この世界には通称ゲート、公式にはエプロンと呼ばれた転移装置が存在した。サーバ内外問わず相当額の資金を支払えば移動する事ができた。
ゲートは現実世界で言う空港があった場所に存在し、江戸近郊で考えれば羽田や成田にあった。
そのゲート施設が使えなくなってしまった。故障などではなく付属施設ごと綺麗さっぱり消えてしまい、残ったのは更地だけだった。
「続いて通信についてですが、魔法通信機が使える現状特に不自由はないと考えて良いでしょう」
この世界には魔法通信機と呼ばれる携帯電話の様な機械があった。
魔法を利用した通信機と言う設定だが、要はボイスチャット機能をこの世界に落とし込むためのご都合主義の塊だ。
しかし、ご都合主義の塊は転移石やエプロンの様に消失しなかった。
「ただし手持ちの通信機は三百から四百キロが限界、大阪には繋がりましたが広島は繋がりませんでした。我が財団は海外サーバとのやり取り用に大通信機を所有しています」
〈大通信機〉と呼ばれる拠点設置型の通信機が存在した。
サーバを跨いだボイスチャットにはこの通信機と通す事が必要で、手持ちの通信機では他サーバに居るプレイヤとのボイスチャットが出来なかった。
AプレイヤとBプレイヤのホーム拠点が日本サーバであっても、片方の操作キャラクタが他サーバに移ればその時点で通話が出来なくなる。
不便なルールではあったが、サーバ間通信負荷軽減のための苦肉の策だったのではないかと言う噂もあった。
「しかしその大通信機をもっても日本サーバ以外に所有する拠点との連絡は一部しか成功していません」
大通信機一つあればゲーム内のどこの、例えば日本サーバの裏側、南米サーバにもつながった。
「ロシアサーバのウラジオストク、中国サーバの釜山や北京、上海の拠点は通常通り繋がりました。しかしウラジオストックと同じロシアサーバに存在するノヴォシビルスクやサンクトペテルブルクは繋がりませんでした。この事から二千から三千キロ程度が限度かと思われます。当然北米や欧州、オーストラリアのサーバには繋がっていません。この事から、通信が届く範囲には限界があって、サーバによる制限では無くて距離による制限になっている物と思われます。補足になりますが、世界各地で同じ様な状況にあると報告を受けています」
「あ~、海外の事はよくわからんのだが……」
カロル騎士団団長の麻生が頭を抱えながら口を開いた。
「俺のギルドの者が一人、『エジプト観光に行ってくる』と言ったまま連絡がつかない。最悪の状況も考えにゃならんっつう事か……」
「今までの様に、海外サーバから素材を仕入れてそれを国内で売ると言う方法も取れなくなりそうですね……」六角商会の加奈子も意気銷沈した表情でボヤいていた。
「そういえば、財団はダンジョン攻略に出ていたよな。そいつらは無事に戻ってきたのか」銅鏡騎士団のギルマス、佐山雪洋が尋ねてきた。
「あー…… それは俺から説明する。我々日の出財団は、蜃気楼旅団と共同で江戸川湿地で戦闘関係の検証をしていた。今はダンジョン外まで撤収も完了、千葉…… この世界だと下総にある拠点へ撤退中だ。 これは言いにくい事だが…… 現地で十八人が死亡か行方不明。現在行方不明の者のホームに人員を置いているが、戻って来たという報告は受けていない」
二關は死亡についての情報を伝えるべきかどうか悩んだ。それを察してか一守が状況を説明してくれた。
「それはつまり死んだら甦らないって事か?」
「ホームに戻ってきたとの報告を受けていないだけです。その辺はまだ分かりかねます。行方不明なだけで生死の確認は出来ていない。更に言えば亡骸も確認出来ていませんので…… 結論を出すのは時期早々かと……」
佐山が現在考えている中で最悪の想定を口にしたので、二關は濁そうとした。
考えてはくないが恐らく佐山が言っている事は正解だ、この世界では死に戻りは存在しないと考えた方が良い。
HPが無くなればそこで死だ。死んだら元の世界に戻れる保証もない。
そもそも、この世界にHPと言う概念が残っているのかも怪しい。転移石は消えた。メニューも開けないからHP残量を確認しながら戦う手法も使えない。
しかし魔法だけは今のところ使える。魔法電話は使えて転移関係が使えない違いは何だ?
そして、三文字の話しを考えればゲームの時の様に回復魔法は万能ではない。
内科案件にしか効果がないのか。それとも回復魔法はあくまでも治癒力向上程度なのか。整形外科案件や病気でも手術が必要な外科案件、恐らくは元の世界の様な手術が必要になるのだろうか。
案の定、会議室は静まり返ってしまった。皆下を向き黙っていた。麻生に至っては机に突っ伏して声を堪えながら泣いていた。恐らくは会議室の中にいる全員が察していた。
―― そりゃそうだ。
訳も分からずこの世界に閉じ込められ、職場にも、家族にも友人も連絡が取れない。ゲームの世界に似ているが、ゲームの時に使えた重要な機能が使えない。
この状況がいつまで続くのか、元の世界に帰れるのかも分からない。
黙り込み落ち込むのも当然だ。こうして落ち着いて会議が出来ているだけで凄い事だ。
「……… わ…… わたくしからも失礼しますわね!」
会議室が静寂に包まれている中、エヌ・テー町会の町会長の富子が口を開いた。
「NPCって言ったかしら。あれたぶん普通の人間と同じと思った方が良いと思うのよ。世間話も出来るし、私達…… 探検家がおかしな行動を取っている事を心配しているわ。その辺考慮に入れて行動した方が良いと思うのよ」
NPC又はモブ、簡易的な人工知能が組み込まれたゲーム内に存在する住民が居た。貴族、農民、商人、兵士等、老若男女問わず多くの住民がプログラムの上で暮らしていた。
「日の出財団の方でもその辺は今調べています。メンバーからかなりの件数、似たような報告が入っています。もしかしたら先の話しも含めて『ゲームの世界に取り込まれてしまった』と言うよりは『ゲームによく似た世界に入ってしまった』と考える方が良いかと思います」
一応元の世界でもここ数十年で人工知能の研究がかなり進み、人工知能を活用したサービスが多く存在した。
しかしその人工知能は、ニュースの自動生成や株の自動取引、ユーザーの行動から学習したコンシェルジェサービスが良いところ。二關自身もユーザーの作文から特性を抜き出した読書感想文自動生成やサービスを使った事がった。
〈ネクストテラ〉のNPCにも人工知能は組み込まれてはいた。
一人一人固定の住宅、固定の職場に固定の役職が与えられ、それぞれ買い物に出かけたりと言った行動をしていた。それはあくまでも各家庭の資材の備蓄状況に反応して、それに対処していくだけのルーティンワークだった。
しかし、この世界に居るNPC達はどう考えても幼稚な人工知能はではない。
紛う方なき人間だ。
「大きな話をすれば我々探検家がNPCや風紀に対して酷い行いし続ければゲーム時代の様に融通が利かなくなるでしょう。逆に上手く遣り繰りしていけば、この世界に対して大きな発言権を有する事になるでしょう」
NPCを人間と考えた際、〈探検家〉と呼ばれる職業の人間達がNPCに対し悪い行いをし続けた場合、処罰や差別の対象になりかねない。
逆に探検家達がNPC達にとって害のない存在、または感謝される存在になる事ができれば当面の立場は保証される。
「つまり日の出財団…… 二關君はNPCは人間であると認識すべきと言いたいのかな」
タタ技研の中津川が深妙な顔をしながら確認してきた。
「現状の情報を精査すればそう認識するべきかと思われますが……」
「私も、タタ技研の中でそう言った話しを聞いている。科学的に考えて信じ難い話しだと考えている。今回のアップデートでAIに修正が入ったと言う事はないのか」
「現在のこの状況が常識的に考えて有り得ない状況です。NPCの行動についての修正情報は記憶の限りなかったと思います。悪い方向に物を解釈をして予防的行動すべきと日の出財団の役員として認識しています」
中津川との押問答が始まろうとしていた所で、タタ技研の御子柴龍太が口を開く。
「中津川さんちょっと黙ろうか…… 私からも一件あります。実はファーム、つまり牧場経営をしておりまして、ギルド拠点と俺の牧場が近くて…… 今で言うと世田谷とかあの辺りだ。まあ、確認しに行った。そしたら案の定俺の牧場だった。領地なんて法外な値段が掛かる物を持っている人は少ないかもしれないが頭に入れておいた方が良いかと……」
〈ファーム・オブ・ネクストテラ〉と〈ステイツ・オブ・ネクストテラ〉は、MMORPGである〈ネクストテラ〉の世界内で牧場経営や都市開発が出来る拡張機能である。
当然〈ネクストテラ〉内の世界なので三つの機能は連動している。
例えば牧場主が探検家へ畑作業を依頼することも出来る、と言うより牧場主に必須な職業技能〈農夫〉は牧場からのクエストを受けて農夫のレベルを上げなければ牧場を購入出来なかった。
〈ステイツ〉の領主は探検家向けの宿屋を建設したりギルド拠点を誘致したりする事も出来た。ダンジョンのあるエリアを購入して敢てダンジョンを難しく改造する事も出来た。
探検家の中には余ったゲーム内資金で牧場や領地を購入して探検家を引退する者も少なからず居た。
また探検家の中に牧場や領地からの依頼をメインの取り扱っている者も多く居て、それぞれで活発的な交流があった。尤も牧場は兎も角領地に関しては結構な値段が掛かるので持っている人間は少ない。
そして二關は財団の〈北千葉拠点〉のある〈柏の街〉の領主である事を思い出した。
財団拠点を作る際に土地広さに融通が利く、〈税金〉と呼ばれる土地維持費を領主側の設定で最低にしておけば安く抑える。
と言うのは建前で、どうせなら自分がリアルで住んでいる土地に拠点を置きたい。そう思い財団資金を横領し領地を購入、柏の街領主になった。
しかし、思いの外のめり込み今やこの地域内ではそれなりに発展している領地になっていたはずだ。
「私は柏の街の領主です…… あとで確認して次回会合時にで報告書をまとめましょう。他に何かありますか」現状の不安点や判明している事を話しきったのか、会議室は一瞬静まり返った。
「あ…… あの! 光郁さん!」静寂を破るように六角が声を上げる。
「もし、もし可能であれば…… 六角商会を日の出財団に入れてもらえないでしょうか」六角商会ギルマスの六角からの提案だった。
六角商会は所属プレイヤのレベルもそれほど高くない。
地域の治安が急激に悪化してる中、小規模ギルドを今後も維持していくのは難しい。
六角商会はもともと海外サーバ限定アイテムを買い付け、日本サーバで販売する貿易商的なプレイをメインに行なっていた。
街からゲートへ、ゲートから街へ、街から街へと飛び回り街で見つけた現地サーバ限定アイテムを連日買い付けていた。ここ日の出財団本部の建物モデルも海外から仕入れてきた〈設計図〉や素材を元に作っている。低層の黒い瓦屋根に囲まれた中でベージュの石造りの中層建築と言う浮いた存在になっている。
しかし、ゲートが消失した今、貿易商の様な仕事は大きな船や飛行機が必要になってしまった。
一応この世界に帆船はあるが規模は大きくない。海外に出てあっちこっちを飛び回る事はほぼ不可能な状況であった。
六角商会はその組織の特性上、海外サーバで翻訳機なしでチャットや会話するための外国語に長けたメンバーが多く所属していた。
六角からの提案は、海外に拠点を抱える財団にとってはとてもありがたい申し出であった。
自分自身、六角商会の六角とはリアルでも親交のある人で双方で信頼し合っている関係であると思っている。故に六角は財団への吸収を求めたのだと思った。
他にも澤渡商会、タタ技研、カロル騎士団からも合流や更なる協力の申し出があった。
澤渡商会は生産系ギルドを謳ってはいるものの、どちらかといえばおしゃべりギルド。ゲームを楽しみながらおしゃべりも楽しむ、武具販売店を所有しているものの品揃えもさほど良くなく、とりあえずやっていた感が強いギルドであった。
澤渡自身はレベルが高いものの構成員はさほど強くなくスタート時からほとんど成長していない者もいるくらいであった。
タタ技研は二關が通っていた大学の教授が設立したギルドである。御子柴龍太は自分のゼミの担当教授であった。龍太教授は二關の父とも古くからの交流があり、父に連れられ食事に行く仲であった。
御子柴龍太所長以外にも大学教授や推教授なども参加しておりこの世界においておそらくトップクラスの学力があるギルドと思われる。
カロル騎士団は団員レベルはほぼMAXで統制もほぼ完璧に取れた一部には有名なギルドだ。しかし人員は二十五人程度で小規模なギルドだ。
中小ギルドが大手に合流していく。この状況下での生存戦略としては妥当なところかもしれない。
合流希望のギルドが今後も出てくるかもしれない。それの準備もしなければと二關は考えていた。
この後、今回の会議の議事録が全員分完成するまでの三時間ほど、団子とお茶を摂りながら雑談をし会議は解散となった。
「二關、会議後ちょっといいか?」会議が解散になった直後、後ろに控えていた四藏に呼び止められた。
和風建築が建ち並ぶ日本サーバには似合わぬ西洋風の内装。その中央にコの時にテーブルが並んだ会議室。イベント時に使用される大部屋は偉い豪華な作りだった。
そんな会議室に集まったのは、日の出財団と日頃協力関係にあるギルドの役員たちだった。
商業系〈六角商会〉経営責任者の六角麗子、執行責任者の吉田加奈子
商業系〈タタ技研〉所長の御子柴龍太、副所長の中津川奏次郎
交流系〈エヌ・テー町会〉町会長の御子柴富子、副会長の山田清次郎
交流系〈ネモフィラ同盟〉ギルマスの海江田亜里沙、大番頭の宮前颯汰
商業系〈澤渡商店〉店長の澤渡花音、マネージャの萩野伊織
商業系〈一号商会〉会長の御田裕樹、副会長の村井丈治
攻略系〈カロル騎士団〉団長の麻生武雄、参謀の歩瀬晴翔
攻略系〈銅鏡騎士団〉ギルマスの佐山雪洋、総司令官の谷口優也
そして、
「さて……」日の出財団会長、一守明久が溜息交じりに席に着いた。
「えー…… 本日は、この様な情勢の中、お集り頂きまして、有難う御座います。本日、お集り頂いたのは、えー…… 今回の異常事態に、どの様に、対応するのか、日頃から…… えーと、ご協力頂いている皆様と、知恵や発見を共有していければと考えた物です」一守がオデコから脂汗を噴出させながら挨拶をした。
二關は思わず吹き出してしまいそうだった。
『日の出財団会長の一守』と言う事で割とゲーム内では有名人だ。しかし一般に呼ばれる二つ名は『脳筋一守』『イノシシ』『KY』『突撃にしか脳がない奴』と呼ばれる程、評価は惨憺たる状況だった。
そして自分自身、リアルでも一守の丁寧な挨拶なんて今の今まで聞いたことがなかった。一守もそれだけこの状況を深刻に考え受け止めてるのだろうと思った。
「えっと、うちの代表が柄にもない丁寧なあいさつをした所で時間も時間です、ドタバタでまともな昼食も摂れていないでしょう。うちのメンバーに昼食を用意させています。まもなく届くと思いますので、昼食を摂りながら意見交換でもしましょう」
二關も理事長としてそれなりの挨拶をした方が良いか悩んだ。
しかし、現状としてこの会議室全体が重たく緊張した空気に包まれていた。
このまま進行しても座面を温めるだけで、大した進展も無く時間だけが流れてしまう。和やかな雰囲気で情報交換が出来ればと考えていた。
二關が着席するとほぼ同時に食事が運ばれてきた。
「おぉ、チキンステーキか、これは旨そうだ」
今にもよだれを垂らしそうな勢いで嬉しそうな顔をして言ったのは裕樹。
東日本ではそれなりの規模を誇る約二千人を抱える商業系ギルド、一号商会の代表御田裕樹だ。御田さんの発言でいくから場が和んだ様に感じられた。
「さっき絞めたばかりで新鮮で美味しいですよ」料理を運んできた和泉が満面の笑みで言ったが、会議室内の空気が一瞬引き攣ったのは見なかった事にしよう。
「食べながらで結構です。現在、我々日の出財団が得ている情報を公開いたします」全員がナイフを手に取ったのを確認して二關が口を開いた。
羽田にあった『エプロン』や『転移石』の使用が出来ない上に、エプロンは土地だけ残り施設が丸々消え去っている事。
恐獣 (モンスタ)への攻撃は可能で、魔法の行使も可能であった事。
攻撃メニューの縛りがなくなった故に街内や施設内で無制限にPKが可能である事。皆が目の前のチキンステーキを食べている間に得ている情報を公開した。
「と、言う事は各都市への移動は……」ネモフィラ同盟の亜里沙が呟いた。
「お察しの通りゲートからの移動は出来ません。ただし徒歩や馬を用いてならサーバ越えの移動は出来るとウラジオストクの拠点から報告を受けています。尤も、日本から外に出るには海を渡ると言う危険が伴います。関東圏から関西圏、北海道などへ長距離移動をするのは現状では厳しいでしょう。当然荷物も嵩張りますので補給の問題が付いて回ります」
この世界には通称ゲート、公式にはエプロンと呼ばれた転移装置が存在した。サーバ内外問わず相当額の資金を支払えば移動する事ができた。
ゲートは現実世界で言う空港があった場所に存在し、江戸近郊で考えれば羽田や成田にあった。
そのゲート施設が使えなくなってしまった。故障などではなく付属施設ごと綺麗さっぱり消えてしまい、残ったのは更地だけだった。
「続いて通信についてですが、魔法通信機が使える現状特に不自由はないと考えて良いでしょう」
この世界には魔法通信機と呼ばれる携帯電話の様な機械があった。
魔法を利用した通信機と言う設定だが、要はボイスチャット機能をこの世界に落とし込むためのご都合主義の塊だ。
しかし、ご都合主義の塊は転移石やエプロンの様に消失しなかった。
「ただし手持ちの通信機は三百から四百キロが限界、大阪には繋がりましたが広島は繋がりませんでした。我が財団は海外サーバとのやり取り用に大通信機を所有しています」
〈大通信機〉と呼ばれる拠点設置型の通信機が存在した。
サーバを跨いだボイスチャットにはこの通信機と通す事が必要で、手持ちの通信機では他サーバに居るプレイヤとのボイスチャットが出来なかった。
AプレイヤとBプレイヤのホーム拠点が日本サーバであっても、片方の操作キャラクタが他サーバに移ればその時点で通話が出来なくなる。
不便なルールではあったが、サーバ間通信負荷軽減のための苦肉の策だったのではないかと言う噂もあった。
「しかしその大通信機をもっても日本サーバ以外に所有する拠点との連絡は一部しか成功していません」
大通信機一つあればゲーム内のどこの、例えば日本サーバの裏側、南米サーバにもつながった。
「ロシアサーバのウラジオストク、中国サーバの釜山や北京、上海の拠点は通常通り繋がりました。しかしウラジオストックと同じロシアサーバに存在するノヴォシビルスクやサンクトペテルブルクは繋がりませんでした。この事から二千から三千キロ程度が限度かと思われます。当然北米や欧州、オーストラリアのサーバには繋がっていません。この事から、通信が届く範囲には限界があって、サーバによる制限では無くて距離による制限になっている物と思われます。補足になりますが、世界各地で同じ様な状況にあると報告を受けています」
「あ~、海外の事はよくわからんのだが……」
カロル騎士団団長の麻生が頭を抱えながら口を開いた。
「俺のギルドの者が一人、『エジプト観光に行ってくる』と言ったまま連絡がつかない。最悪の状況も考えにゃならんっつう事か……」
「今までの様に、海外サーバから素材を仕入れてそれを国内で売ると言う方法も取れなくなりそうですね……」六角商会の加奈子も意気銷沈した表情でボヤいていた。
「そういえば、財団はダンジョン攻略に出ていたよな。そいつらは無事に戻ってきたのか」銅鏡騎士団のギルマス、佐山雪洋が尋ねてきた。
「あー…… それは俺から説明する。我々日の出財団は、蜃気楼旅団と共同で江戸川湿地で戦闘関係の検証をしていた。今はダンジョン外まで撤収も完了、千葉…… この世界だと下総にある拠点へ撤退中だ。 これは言いにくい事だが…… 現地で十八人が死亡か行方不明。現在行方不明の者のホームに人員を置いているが、戻って来たという報告は受けていない」
二關は死亡についての情報を伝えるべきかどうか悩んだ。それを察してか一守が状況を説明してくれた。
「それはつまり死んだら甦らないって事か?」
「ホームに戻ってきたとの報告を受けていないだけです。その辺はまだ分かりかねます。行方不明なだけで生死の確認は出来ていない。更に言えば亡骸も確認出来ていませんので…… 結論を出すのは時期早々かと……」
佐山が現在考えている中で最悪の想定を口にしたので、二關は濁そうとした。
考えてはくないが恐らく佐山が言っている事は正解だ、この世界では死に戻りは存在しないと考えた方が良い。
HPが無くなればそこで死だ。死んだら元の世界に戻れる保証もない。
そもそも、この世界にHPと言う概念が残っているのかも怪しい。転移石は消えた。メニューも開けないからHP残量を確認しながら戦う手法も使えない。
しかし魔法だけは今のところ使える。魔法電話は使えて転移関係が使えない違いは何だ?
そして、三文字の話しを考えればゲームの時の様に回復魔法は万能ではない。
内科案件にしか効果がないのか。それとも回復魔法はあくまでも治癒力向上程度なのか。整形外科案件や病気でも手術が必要な外科案件、恐らくは元の世界の様な手術が必要になるのだろうか。
案の定、会議室は静まり返ってしまった。皆下を向き黙っていた。麻生に至っては机に突っ伏して声を堪えながら泣いていた。恐らくは会議室の中にいる全員が察していた。
―― そりゃそうだ。
訳も分からずこの世界に閉じ込められ、職場にも、家族にも友人も連絡が取れない。ゲームの世界に似ているが、ゲームの時に使えた重要な機能が使えない。
この状況がいつまで続くのか、元の世界に帰れるのかも分からない。
黙り込み落ち込むのも当然だ。こうして落ち着いて会議が出来ているだけで凄い事だ。
「……… わ…… わたくしからも失礼しますわね!」
会議室が静寂に包まれている中、エヌ・テー町会の町会長の富子が口を開いた。
「NPCって言ったかしら。あれたぶん普通の人間と同じと思った方が良いと思うのよ。世間話も出来るし、私達…… 探検家がおかしな行動を取っている事を心配しているわ。その辺考慮に入れて行動した方が良いと思うのよ」
NPC又はモブ、簡易的な人工知能が組み込まれたゲーム内に存在する住民が居た。貴族、農民、商人、兵士等、老若男女問わず多くの住民がプログラムの上で暮らしていた。
「日の出財団の方でもその辺は今調べています。メンバーからかなりの件数、似たような報告が入っています。もしかしたら先の話しも含めて『ゲームの世界に取り込まれてしまった』と言うよりは『ゲームによく似た世界に入ってしまった』と考える方が良いかと思います」
一応元の世界でもここ数十年で人工知能の研究がかなり進み、人工知能を活用したサービスが多く存在した。
しかしその人工知能は、ニュースの自動生成や株の自動取引、ユーザーの行動から学習したコンシェルジェサービスが良いところ。二關自身もユーザーの作文から特性を抜き出した読書感想文自動生成やサービスを使った事がった。
〈ネクストテラ〉のNPCにも人工知能は組み込まれてはいた。
一人一人固定の住宅、固定の職場に固定の役職が与えられ、それぞれ買い物に出かけたりと言った行動をしていた。それはあくまでも各家庭の資材の備蓄状況に反応して、それに対処していくだけのルーティンワークだった。
しかし、この世界に居るNPC達はどう考えても幼稚な人工知能はではない。
紛う方なき人間だ。
「大きな話をすれば我々探検家がNPCや風紀に対して酷い行いし続ければゲーム時代の様に融通が利かなくなるでしょう。逆に上手く遣り繰りしていけば、この世界に対して大きな発言権を有する事になるでしょう」
NPCを人間と考えた際、〈探検家〉と呼ばれる職業の人間達がNPCに対し悪い行いをし続けた場合、処罰や差別の対象になりかねない。
逆に探検家達がNPC達にとって害のない存在、または感謝される存在になる事ができれば当面の立場は保証される。
「つまり日の出財団…… 二關君はNPCは人間であると認識すべきと言いたいのかな」
タタ技研の中津川が深妙な顔をしながら確認してきた。
「現状の情報を精査すればそう認識するべきかと思われますが……」
「私も、タタ技研の中でそう言った話しを聞いている。科学的に考えて信じ難い話しだと考えている。今回のアップデートでAIに修正が入ったと言う事はないのか」
「現在のこの状況が常識的に考えて有り得ない状況です。NPCの行動についての修正情報は記憶の限りなかったと思います。悪い方向に物を解釈をして予防的行動すべきと日の出財団の役員として認識しています」
中津川との押問答が始まろうとしていた所で、タタ技研の御子柴龍太が口を開く。
「中津川さんちょっと黙ろうか…… 私からも一件あります。実はファーム、つまり牧場経営をしておりまして、ギルド拠点と俺の牧場が近くて…… 今で言うと世田谷とかあの辺りだ。まあ、確認しに行った。そしたら案の定俺の牧場だった。領地なんて法外な値段が掛かる物を持っている人は少ないかもしれないが頭に入れておいた方が良いかと……」
〈ファーム・オブ・ネクストテラ〉と〈ステイツ・オブ・ネクストテラ〉は、MMORPGである〈ネクストテラ〉の世界内で牧場経営や都市開発が出来る拡張機能である。
当然〈ネクストテラ〉内の世界なので三つの機能は連動している。
例えば牧場主が探検家へ畑作業を依頼することも出来る、と言うより牧場主に必須な職業技能〈農夫〉は牧場からのクエストを受けて農夫のレベルを上げなければ牧場を購入出来なかった。
〈ステイツ〉の領主は探検家向けの宿屋を建設したりギルド拠点を誘致したりする事も出来た。ダンジョンのあるエリアを購入して敢てダンジョンを難しく改造する事も出来た。
探検家の中には余ったゲーム内資金で牧場や領地を購入して探検家を引退する者も少なからず居た。
また探検家の中に牧場や領地からの依頼をメインの取り扱っている者も多く居て、それぞれで活発的な交流があった。尤も牧場は兎も角領地に関しては結構な値段が掛かるので持っている人間は少ない。
そして二關は財団の〈北千葉拠点〉のある〈柏の街〉の領主である事を思い出した。
財団拠点を作る際に土地広さに融通が利く、〈税金〉と呼ばれる土地維持費を領主側の設定で最低にしておけば安く抑える。
と言うのは建前で、どうせなら自分がリアルで住んでいる土地に拠点を置きたい。そう思い財団資金を横領し領地を購入、柏の街領主になった。
しかし、思いの外のめり込み今やこの地域内ではそれなりに発展している領地になっていたはずだ。
「私は柏の街の領主です…… あとで確認して次回会合時にで報告書をまとめましょう。他に何かありますか」現状の不安点や判明している事を話しきったのか、会議室は一瞬静まり返った。
「あ…… あの! 光郁さん!」静寂を破るように六角が声を上げる。
「もし、もし可能であれば…… 六角商会を日の出財団に入れてもらえないでしょうか」六角商会ギルマスの六角からの提案だった。
六角商会は所属プレイヤのレベルもそれほど高くない。
地域の治安が急激に悪化してる中、小規模ギルドを今後も維持していくのは難しい。
六角商会はもともと海外サーバ限定アイテムを買い付け、日本サーバで販売する貿易商的なプレイをメインに行なっていた。
街からゲートへ、ゲートから街へ、街から街へと飛び回り街で見つけた現地サーバ限定アイテムを連日買い付けていた。ここ日の出財団本部の建物モデルも海外から仕入れてきた〈設計図〉や素材を元に作っている。低層の黒い瓦屋根に囲まれた中でベージュの石造りの中層建築と言う浮いた存在になっている。
しかし、ゲートが消失した今、貿易商の様な仕事は大きな船や飛行機が必要になってしまった。
一応この世界に帆船はあるが規模は大きくない。海外に出てあっちこっちを飛び回る事はほぼ不可能な状況であった。
六角商会はその組織の特性上、海外サーバで翻訳機なしでチャットや会話するための外国語に長けたメンバーが多く所属していた。
六角からの提案は、海外に拠点を抱える財団にとってはとてもありがたい申し出であった。
自分自身、六角商会の六角とはリアルでも親交のある人で双方で信頼し合っている関係であると思っている。故に六角は財団への吸収を求めたのだと思った。
他にも澤渡商会、タタ技研、カロル騎士団からも合流や更なる協力の申し出があった。
澤渡商会は生産系ギルドを謳ってはいるものの、どちらかといえばおしゃべりギルド。ゲームを楽しみながらおしゃべりも楽しむ、武具販売店を所有しているものの品揃えもさほど良くなく、とりあえずやっていた感が強いギルドであった。
澤渡自身はレベルが高いものの構成員はさほど強くなくスタート時からほとんど成長していない者もいるくらいであった。
タタ技研は二關が通っていた大学の教授が設立したギルドである。御子柴龍太は自分のゼミの担当教授であった。龍太教授は二關の父とも古くからの交流があり、父に連れられ食事に行く仲であった。
御子柴龍太所長以外にも大学教授や推教授なども参加しておりこの世界においておそらくトップクラスの学力があるギルドと思われる。
カロル騎士団は団員レベルはほぼMAXで統制もほぼ完璧に取れた一部には有名なギルドだ。しかし人員は二十五人程度で小規模なギルドだ。
中小ギルドが大手に合流していく。この状況下での生存戦略としては妥当なところかもしれない。
合流希望のギルドが今後も出てくるかもしれない。それの準備もしなければと二關は考えていた。
この後、今回の会議の議事録が全員分完成するまでの三時間ほど、団子とお茶を摂りながら雑談をし会議は解散となった。
「二關、会議後ちょっといいか?」会議が解散になった直後、後ろに控えていた四藏に呼び止められた。
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