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第一章 あの日あの場所で
プルタブとコーラと男と女
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プルタブを引く。アルミに穴が開き、中から炭酸の弾ける音がする。
「それにしても確かに暑いな、祐之介も死にそうだからいったん休憩するか」と言って、啓斗は近くの自販機で買ったコーラを呷る。
案の定、夏目は手加減なしのスマッシュを連続して放ち、そのうちの一つが祐之介の額に見事クリーンヒットすると、そのまま後ろ向きに重力に引かれ、視界が青くなった祐之介を夏目は即刻戦力外通告し、啓斗に支えられて、コートを囲うネットのさらに外側にある屋根付きの木製ベンチまで運ばせたのだ。
祐之介は啓斗にすぐ近くの自販機で缶コーラを買うよう頼み、啓斗がちゃっかり自分の分と二本買ったうちの一本を取って、氷嚢代わりに赤く腫れた額に押し当てる。
じんじんとした痛みを幾許か希釈されていくのを感じたが、それもしばらく経つと、夏の猛暑に、徐々にコーラの冷気がなくなる。
これ以上は氷嚢代わりに使えないと悟った祐之介はプルタブを引き、コーラを一気に呷る。
…ぬるい。
「それにしても確かに暑いな、祐之介も死にそうだからいったん休憩するか」と言って、啓斗は近くの自販機で買ったコーラを呷る。
案の定、夏目は手加減なしのスマッシュを連続して放ち、そのうちの一つが祐之介の額に見事クリーンヒットすると、そのまま後ろ向きに重力に引かれ、視界が青くなった祐之介を夏目は即刻戦力外通告し、啓斗に支えられて、コートを囲うネットのさらに外側にある屋根付きの木製ベンチまで運ばせたのだ。
祐之介は啓斗にすぐ近くの自販機で缶コーラを買うよう頼み、啓斗がちゃっかり自分の分と二本買ったうちの一本を取って、氷嚢代わりに赤く腫れた額に押し当てる。
じんじんとした痛みを幾許か希釈されていくのを感じたが、それもしばらく経つと、夏の猛暑に、徐々にコーラの冷気がなくなる。
これ以上は氷嚢代わりに使えないと悟った祐之介はプルタブを引き、コーラを一気に呷る。
…ぬるい。
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