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第七話 元奴隷(1)
しおりを挟む『魔法は魔力を手に集中させて詠唱を唱えれば出来るぞ』
今僕たちは、クルスさんに修行させてもらっている。
僕はクルスさんが言った通り魔力を手に集中させてみた。
そして、詠唱を読んだ。
『風よ、北よりきて、いでて吹かれろ。『風圧』』
すると、後ろから大きな風が来た。
大きな風と言っても砂がめちゃくちゃ飛んでくるくらいの風だ。
『おぉ。すげーな。レオン。』
レイは褒めてくれた。
これで僕もようやくレイと同じ初級魔術が使えるようになった。
『水よ我が体から出て、我らを癒やしたまえ『9フォーター』』
なんだ?あのレイがやってる魔術は?
まさか。
『すごいな!レイ!中級魔術がまさか1日でできるようになるとは』
僕たちはまだクルスさんに2時間しか教えてもらってない。
僕は1時間半でようやく初級魔術が撃てるようになったのに。
レオンは1時間半で中級魔術か。
やっぱりすごいな。
その後、僕は初級魔術を安定して出せる練習、レイは他の水の中級魔術を試したりしていた。
30分後、僕は4回目に魔法を撃ったとき急に目がフラフラしてきた。
『レオン。レオン。どうした。』
『魔力ギレか。』
その後僕は寝てしまった。
あれ?ここはどこだ?
『レオン!!!』
目の前にはクルスさんとレイが椅子に座っていた。
『えっと、なんで』
僕がクルスさんに質問しようとした時、クルスさんは先に説明を始めた。
『魔力ギレだ。魔力の使いすぎで体内にある魔力がなくなり倒れてしまうんだ。そう考えると、レイはもちろんだが、レオンも、4回初級魔術を撃っても倒れないなんて、もともと持ってる魔力量が大きいだろう。』
『あ、ありがとうございます。』
そして、話を聞くに僕が寝てから3日が経っていたらしい。
レイはその期間、2日だけクルスさんに修行をしてもらったらしい。
『レオン。もう立てるな』
クルスさんが僕に聞いてきた。
『はい』
そう言い僕達の修行が始まった。
~3日後~
僕たちはクルスさんの修行が終わり家に帰っている途中だった。
『今日も疲れたな』
『うん。そうだね』
僕は汗だくだった。
なぜか。
それは剣術を教えてもらっていたからだ。
魔法は一日4回使うと倒れてしまうので3回しか使えない。
だから剣術を学ぶことにしたのだ。
剣術には階級が7段階あるらしく、下から
【初級】【中級】【上級】【聖級】【永級】【王級】【神級】
とある。
ちなみに、クルスさんとベリーさんは王級、クール=マルセイユ様は【神級】らしい。
僕は剣術の才能があるらしく、一年後には聖級まではいけると言われた。
そうこう考えていると後ろから誰かが走ってきた。
痛っ。
『あれ!ベリーさん!?』
『レオンくん!?』
『ベリー様!!!!?????、』
レイはめちゃくちゃ驚いていた。
『おい、レオン。お前ベリー様とも知り合いなのか?』
『え、うん。』
レイは口を開けたまま立ち止まった。
『レオンくん。ごめんね。私急いでるから。』
そういうと、走ってどっかに行ってしまった。
『お前、ベリー様とも知り合いだったのか。』
『すげーな。マジでお前。』
そう話しながら僕たちは家に帰った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『レオンくん。そしてこの街。絶対に守る。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ただいま!』
あれ?返事がない。
『ただいま!』
あれ?返事がない。
大声で言ってみた。
『た、だ、い、ま!』
やっぱり返事がない。
恐る恐るドアを開けてみた。
『あれ?帰ってきたか。』
誰だ?
見る感じいい人ではない。
太っていて、手にはなぜか拳銃を持っていた。
『れ、れ、レオンおかえり。』
え?
『だれだ。誰なんだよ。お前は。』
『なんだその口の聞き方は。俺は今さっき家を追い出されてイライラしてんだよ。これからここに住まわせてもらうから、お前ら俺のいうことを聞けよ。』
何を言ってんだ。こいつ。
『後、これみとけよ。』
そいつの手から火が出てきた。
『これでも俺は上級魔術師だ。逆らったらいつでも殺せる。後他のやつに言ったりしてみろ。どっちかを殺すだけだから』
はぁはぁはぁはぁ。
昔の記憶が蘇ってきた。
昔といってもついこないだだが。
完全に心の奥にしまっていた記憶。
元奴隷の記憶。
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