恋の続きは未定。

3.2

・津田煌成
「脚本ができました～！」
　朝、机で船をこいでいると、キャーキャー言いながら映画の脚本担当の小説部の女子が入ってきた。
　どうやら土日丸々使って完成させたそうだ。
「津田くん！これ脚本！」
「ありがとう…」
　渡された冊子をめくると最初のページに大きく
「映画のような恋がしたい」と題名が書かれてあった。　
　最初に書かれているあらすじを読む。
〈○○（安藤）と△△（津田）の恋愛物語。同じクラスの２人。○○はクラスの男子に夢中。○○に興味を持つ△△は彼女を振り向かせようと努力する。次第に２人は惹かれあって、最後に△△が○○に告白する。〉
　関わりを通じて恋に気づき両思いになるというまあどこにでもありそうな内容のものだった。

△△（津田）―あいつよりもっと良い人いるし…俺とか。

△△（津田）―一緒に帰ろー。

△△（津田）―俺、○○のことが…

　これらをセリフを実際に言うと思った途端、恥ずかしさで顔が火照っていくのを感じた。…だけど、もう後戻りできない。　
「どうかな？」
「……頑張ります。」
「おけ！じゃあ来週から少しずつ映像を撮っていくね！放課後開いてる？」
「一時間くらいなら…」
「了解！安藤さんにも聞いてみて予定組むね！」
　撮影、上手くいくといいな。