また会えたのは嬉しいんだけど…これ、どうすれば?

フリージア

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北の平原にて
「はあ…」
「どうしたんだい?シア?」
何食わぬ顔でウィルが尋ねてくるが…お前のせいだよ!無駄に目立って気疲れしたんだよ!だから嫌だって言ったのに…
ここには馬で来たのだが、なぜか馬の数が足りないということでウィルに横抱きで相乗りさせられた。
絶対目立ってたー!ウィルは訓練場からそのまま来て騎士服だし、私は普段よりは動きやすいものだけど、普通にドレスだし。その私たちの後ろをリーゼとかルトのキラキラ集団とごっつい軍人集団がついて来てるんだよ?シュールだよ。思わずみんな二度見するよ…
なんて現実逃避していると、
「リアそろそろ頼む」
ルトが私を現実に引き戻した。あっ!そうじゃん。アンデット退治に来たんじゃん。普通に本来の目的忘れてた。とりあえず、それっぽいお祈りのポーズをとって…上空に巨大な術式を描く。うーん…こんなもんかな?
「ピカッ!」
「なんだ!?」
方陣が突然光るとアンテッドの大軍は跡形もなく消え去りましたとさ。軍人さんたちはいまいち状況を把握できていないみたいだけど、まあ、ルトがなんとかしてくれるでしょう。私はとりあえず、
「怪我人はどちらに?」
私たちが来るまでアンデットを食い止めていた兵士に尋ねる。
「えっ!あっ!あちらのテントに…!」
「分かりました。ありがとうございます。」
それから救護テントに行って治療にあたるのであった。

ルト視点
「いったい彼女は何者なんですか!?あれだけの数のアンデットを一瞬で!高位の神官ですら複数人で対処しなければ…」
教官たちが驚いている。まあ、そうなるよな。一般常識から言ったらあり得ない光景だ。本来ならアンデットを浄化するには複雑な手順が必要になる。だがリアはそれを全て破棄できるらしい。前にどうやっているのか聞いたことがあるが…「なんとなく?」と、答えになっていない答えが返って来た。まあ、リアらしいと言えばらしいんだが…そんなことより、さっさとこいつらの疑問を解消してやるか。
いまだに混乱の収まらない兵に向かって告げる。
「彼女の正式な名前はフェミリア・ラファル・エトワール」
「ラファル!?その名は…!」
「そう、ラファル神聖国の聖王とそれに準ずる者に授けられる名だ」
「つまり彼女は…」
「次期聖王候補ってことだな。あと、現聖王の姪っ子でもあるぞ。」
「「「「「はーっ!?」」」」」
兵たちの声がハモった。確かに驚きだよな。俺も本人にさらっと告げられた時は、自分の耳がおかしくなったのかと思った。
「何でそんなすごい方がここにいらっしゃるんですか!?」
何でってそりゃあ…
「俺らの友人だからだろ」
兵たちは微妙な顔をして
「そうなんですけど!そうじゃなくて!」
そんなことを言われても、これ以上の理由はないんだが。とりあえず、
「リアのことはそんなに気にしなくていいぞ。彼女専用のナイトも付いているしな。」
俺としては彼女の身の安全を確保する必要は無いと言ったのだが、
「「「「「気にしないなんて無理ですよ!」」」」」
兵たちの目は何か尊い者を崇拝するように、怪我人を治療するリアを見つめていた。
「あー!彼女こそが女神様だ!」
「後光が差して見える!」
「俺…今死んでも悔いはない…」
…リアすまん。また、信者を作り出してしまった。まあ…なんだ、多分害はない。それに、今更少し信者が増えたところで特に生活は変わらんだろ。
完全に責任放棄するルトであった。

ちなみに救護テントの方でも…
「ありがとうございます!女神様!腕を失い、もう2度と剣を握れないと覚悟したのに…!」
「あっという間に腕が戻っていたよな!?どうなっているんだ!?」
「欠損部位を一瞬にして完治させるとは…まさに神業だ…!」
「俺も出血が酷くて、もう諦めていたのに…!」
「どんな重傷者も治してくださるなんて!?」
「しかも以前よりも体の調子がいいぞ!?」
「「「「「「ありがとうございます!女神様!」」」」」」
「…どういたしまして」
もう、訂正する気にもなれない私であった。
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