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「リアちゃーん!昨日のお茶会はどうだったかしら?お友達はできた?」
お母様は朝からテンションが高い。他の家族も同様だが…
「リア!変な奴らに絡まれなかったか!?何かあったら言えよ!俺が締めてやる!」
「物理的に締めないでくださいよ。後が面倒なので。大丈夫だよ、リア。そんな奴らは僕が社会的に潰してあげるから。」
「リアの前で物騒だよ。リア、兄さんたちの言うことは気にしなくていいから。ほら、朝食食べよう。」
朝から怒涛の勢いである。昨日はあれから急いで帰って部屋に引き篭ったので、何かあったのではとお母様たちは心配していたのかもしれない…それにしてもだが。ところでお父様は…
「ガチャ」 食堂の扉が開く
そこには難しい顔をしたお父様が…
「リア、お前に婚約話が来た」
「まあ!」「なんだと!」「どこの誰ですか?」「もちろん断るよね?リア?」
お母様以外みんなすごく険しい顔をしているのだが…婚約話ってめでたい事なんだよね?というか、あのお茶会で私は誰とも話さなかったのに、いったい誰が…
「相手はウィリアム殿下だ」
「「「「「…は?」」」」」
全員の声がハモった。いや、本当に何で?お茶会の主役がなんで私を見初めてるの?私、何にもアピールしてなかったよね?というか、顔すら合わせてないよね?そもそも私と彼は…
「父上、リアと殿下は結婚できませんよ?」
ハル兄が最もな意見を言う。
「それはあちらも承知だと思うんだが…」
お父様も歯切れが悪い。
「ともかく、リアは今日のお昼頃王宮へ行ってくれ。殿下がお呼びだ。そこで詳しく事情を説明してくださるはずだ。」
そんなー!また王宮に行くの!?もう2度と行くことはないと思っていたのにー!今日の朝ごはんは私の大好きなフレンチトーストだったのだが、この後のことが憂鬱すぎて、全く味がしないのであった。はあ…
いやいやながら使用人たちに馬車に押し込まれ、王宮までやって来た私だったのだが…
え?私どこに連れて行かれる感じ?いまだに建物の中すら入ってないんだけど?なぜか私はだだっ広い庭園をひたすら歩かされているのであった。普通のご令嬢なら絶対文句言ってるよ?そっちが呼んでおいてこんなに歩かせるとか何様…いや、王子様か…
なんて少々思考のズレたことを考えていると…!?これは…結界?一瞬空間が歪んだ。何でこんな所に…というかこの道って!つい最近通った覚えのある道の先にいたのは…
「ウィル…」
少年が振り返る。漆黒の黒髪にルビーのように輝く赤い瞳。神々が丹精を込めて作り出したと言わるほど、誰もが見惚れる整った顔立ち。初めて彼を見たものはその美しさに夢中になってしまうというが、私は…
「懐かしい」
思わず呟いてしまった。初対面の男の子に懐かしいはないよな…というか、普通に不審人物だと思われてそう。私は急いで礼をとる。
「失礼しました。殿下。フェミリア・エトワールと申します。本日はお招き頂きありがとうございます。」
流石に不審人物として認知されるのはまずいと思い、急いで挨拶をしたのだが反応がない。本当にウィルに似ているな…まあ、血の繋がりはあるはずだしそんなものか。あのウィルが結婚したとか全く想像できないけど。そう言えば、私の容姿も以前と全然変わっていないな…何でだ?というか、そろそろこの体勢キツくなって来たんだが…なんてことを思っていると、靴先が私の視界に入ってくる。いったい何だ…
「んっ!?」
いきなり顔を掴まれて前を向かされる。いったい何をす…!?予想外に相手の顔が近くて思考が停止してしまった。鼻先が触れ合うくらいの近さである。至近距離で見つめられ、何とか視線を逸らそうとするが、顔を固定されている以上限界があるわけで…というか、いつの間にか腰もホールドされてる!?逃げれないじゃん!誰か助け…って!誰もいないし!さっき案内してくれた使用人どこに行った!?脳内はパニックである。そんな私の様子を見て、
「ふっ!やっぱり…」
なぜか目の前の男は笑うのである。人が困っているのを見て笑うとか、顔だけでなく性格まであいつに…
若干、過去のあれやこれやを思い出して苦い顔になっていると、
「シア、そのすぐに顔に出す癖、直した方がいいぞ」
「余計なお世話で…!?」
普通に返事をしようとしたが、今この人なんて言った??シアって呼んだよね?あと私、初対面の人には何考えているか分からないって言われるほど無表情なんですけど??疑問は尽きないが、一つだけこの疑問を全て解消する答えがある…それは、
「ご趣味は?」
「シアで遊ぶこと」
ニヤニヤしながら即答する。…やっぱりか!何度も言ってるが、私で遊ぶな!というか、それ絶対他では言うなよ!?色々と文句を言ってやりたいが、とりあえず、
「ただいま、ウィル」
ウィルは驚いた顔をしたが、そこから優しく微笑んで
「おかえり、シア」
これが私とウィルの今世での出会いであった。
お母様は朝からテンションが高い。他の家族も同様だが…
「リア!変な奴らに絡まれなかったか!?何かあったら言えよ!俺が締めてやる!」
「物理的に締めないでくださいよ。後が面倒なので。大丈夫だよ、リア。そんな奴らは僕が社会的に潰してあげるから。」
「リアの前で物騒だよ。リア、兄さんたちの言うことは気にしなくていいから。ほら、朝食食べよう。」
朝から怒涛の勢いである。昨日はあれから急いで帰って部屋に引き篭ったので、何かあったのではとお母様たちは心配していたのかもしれない…それにしてもだが。ところでお父様は…
「ガチャ」 食堂の扉が開く
そこには難しい顔をしたお父様が…
「リア、お前に婚約話が来た」
「まあ!」「なんだと!」「どこの誰ですか?」「もちろん断るよね?リア?」
お母様以外みんなすごく険しい顔をしているのだが…婚約話ってめでたい事なんだよね?というか、あのお茶会で私は誰とも話さなかったのに、いったい誰が…
「相手はウィリアム殿下だ」
「「「「「…は?」」」」」
全員の声がハモった。いや、本当に何で?お茶会の主役がなんで私を見初めてるの?私、何にもアピールしてなかったよね?というか、顔すら合わせてないよね?そもそも私と彼は…
「父上、リアと殿下は結婚できませんよ?」
ハル兄が最もな意見を言う。
「それはあちらも承知だと思うんだが…」
お父様も歯切れが悪い。
「ともかく、リアは今日のお昼頃王宮へ行ってくれ。殿下がお呼びだ。そこで詳しく事情を説明してくださるはずだ。」
そんなー!また王宮に行くの!?もう2度と行くことはないと思っていたのにー!今日の朝ごはんは私の大好きなフレンチトーストだったのだが、この後のことが憂鬱すぎて、全く味がしないのであった。はあ…
いやいやながら使用人たちに馬車に押し込まれ、王宮までやって来た私だったのだが…
え?私どこに連れて行かれる感じ?いまだに建物の中すら入ってないんだけど?なぜか私はだだっ広い庭園をひたすら歩かされているのであった。普通のご令嬢なら絶対文句言ってるよ?そっちが呼んでおいてこんなに歩かせるとか何様…いや、王子様か…
なんて少々思考のズレたことを考えていると…!?これは…結界?一瞬空間が歪んだ。何でこんな所に…というかこの道って!つい最近通った覚えのある道の先にいたのは…
「ウィル…」
少年が振り返る。漆黒の黒髪にルビーのように輝く赤い瞳。神々が丹精を込めて作り出したと言わるほど、誰もが見惚れる整った顔立ち。初めて彼を見たものはその美しさに夢中になってしまうというが、私は…
「懐かしい」
思わず呟いてしまった。初対面の男の子に懐かしいはないよな…というか、普通に不審人物だと思われてそう。私は急いで礼をとる。
「失礼しました。殿下。フェミリア・エトワールと申します。本日はお招き頂きありがとうございます。」
流石に不審人物として認知されるのはまずいと思い、急いで挨拶をしたのだが反応がない。本当にウィルに似ているな…まあ、血の繋がりはあるはずだしそんなものか。あのウィルが結婚したとか全く想像できないけど。そう言えば、私の容姿も以前と全然変わっていないな…何でだ?というか、そろそろこの体勢キツくなって来たんだが…なんてことを思っていると、靴先が私の視界に入ってくる。いったい何だ…
「んっ!?」
いきなり顔を掴まれて前を向かされる。いったい何をす…!?予想外に相手の顔が近くて思考が停止してしまった。鼻先が触れ合うくらいの近さである。至近距離で見つめられ、何とか視線を逸らそうとするが、顔を固定されている以上限界があるわけで…というか、いつの間にか腰もホールドされてる!?逃げれないじゃん!誰か助け…って!誰もいないし!さっき案内してくれた使用人どこに行った!?脳内はパニックである。そんな私の様子を見て、
「ふっ!やっぱり…」
なぜか目の前の男は笑うのである。人が困っているのを見て笑うとか、顔だけでなく性格まであいつに…
若干、過去のあれやこれやを思い出して苦い顔になっていると、
「シア、そのすぐに顔に出す癖、直した方がいいぞ」
「余計なお世話で…!?」
普通に返事をしようとしたが、今この人なんて言った??シアって呼んだよね?あと私、初対面の人には何考えているか分からないって言われるほど無表情なんですけど??疑問は尽きないが、一つだけこの疑問を全て解消する答えがある…それは、
「ご趣味は?」
「シアで遊ぶこと」
ニヤニヤしながら即答する。…やっぱりか!何度も言ってるが、私で遊ぶな!というか、それ絶対他では言うなよ!?色々と文句を言ってやりたいが、とりあえず、
「ただいま、ウィル」
ウィルは驚いた顔をしたが、そこから優しく微笑んで
「おかえり、シア」
これが私とウィルの今世での出会いであった。
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