また会えたのは嬉しいんだけど…これ、どうすれば?

フリージア

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あの後、探していた薬草の他に私が採取した物も加えて持ち帰ったら、白衣を着た人たちが大騒ぎして研究室に引き篭もって行った。ちなみに、帰り道ずっと独り言を呟いていたレオも一緒にである。レオも何だかんだで研究者気質だから、この休暇中はもうあの部屋から出てこないだろう。そうなると、
「明日からの予定はどうする?」
ルトが尋ねる。この後、街を観光したり、ダンジョンに行ったりと色々と考えてはいたのだが…
「自由行動で良いだろ」
マシューがはっきりとした口調で言う。彼は最近発見された遺跡にさえ行ければ何でも良いのだろう。
「僕もそれで構わないよ」
ウィルが同調する。まあウィルの場合、半分は仕事で来ているからね…そもそもこんなことをしている余裕は無いはずなのに…本当にいつ仕事しているの?
「そうですわね!リアと2人っきりで遊びに出かけたいですわ!」
リーゼが元気よく発言する。そうだねー
「私もリーゼがお勧めしていたカフェ、行ってみたいな」
とまあこんな感じで、各々好きに過ごして行くのであった。






今日は街に出ると言うことで、いつもより簡素な服に着替え、リーゼを待っていたのだが…
「ごめんね、フェミリア嬢。待たせたかな?」
平民の服を着てもなお、高貴なオーラを隠しきれない赤髪の麗人に話しかけられる。
「えっと…どちら様でしょうか?」
全く身に覚えがない。流石の私でもここまで圧倒的なオーラを放っている人を忘れるわけがない…はず?…そう言えば、どことなくリーゼやルトに似ているような…
目の前の人物はクスリと笑って、
「ごめんね、自己紹介がまだだったね。私の名前はランドルフ。いつも弟たちが世話になっているね。」
…!ランドルフ・ファーナジナ!帝国最強の魔法師で、魔法師100選にも選ばれている人だとエルが言ってた!通りで…
「そんなに見つめられると照れてしまいますわ。殿下。」
妙に探られていると思った。確かに彼レベルの魔法師ならば、違和感ぐらいは覚えるのだろう。まあ…
「これは失礼。弟たちから聞いてはいましたが、あまりにも可憐な方でしたので、つい。」
確信は得られないようだが。微笑みながら曖昧に濁す。何というかこの人…
「お詫びにこちらを」
何も持っていなかった手から突然、花束が差し出される。ぱっと見普通の花束なのだが、色鮮やかな花々に不釣り合いなものが…はあ、やっぱりこの人めんどくさい。このまま帰って良いかな?でも一応、リーゼたちのお兄さんだし…
「ありがとうございます。随分と個性的な花束ですね。がアクセントになっていて、見ているだけで心が安らぎます。」
相手が軽く瞬きをする。面倒になってちょっとストレートに言いすぎた、
「良かったです。そのがこの花束の主格なので。」
と思ったけど、相手もはっきり言って来たー。もう隠す気ないじゃん…
「フェミリアさん、リーゼは急用が入ったので、今日は私がエスコートしますね。あっ!私のことはランと呼んでください。お忍びですので。」
ランド…ランさんが私に手を差し出す。ここまでされたら私に選択肢はない。
「私のことはリアとお呼びください。今日はよろしくお願いしますね、ランさん。」
全く楽しくないお忍びが今、始まるのであった。はあ…
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