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1章 異世界に召喚されました
27話 ギルド 空と海
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「あーーー また落ちたー」
リリがソファに座りながらゲーム機で某赤いおじさんのアクションゲームをやりながら、悲鳴を上げた。
画面を見れば、赤いおじさんが下へと落下して、ゲームオーバーの文字が浮かび上がる。
「むむむ これ 難しい リリ 下手」
ゲームオーバーになってふてくされて言うリリに
「初めてにしちゃうまい方だぞ。リリならすぐそのステージもクリアできると思う」
そう、リリはゲーム初プレイにしてはかなり上手な方だった。
最初の方はかなり四苦八苦していたが10分後には扱い方をなんとなく覚えてしまったのだ。
この子はわりと器用な方なのかもしれない。
私が言うとリリがぱぁぁぁと顔を輝かせ
「うん!リリがんばる!」
と、またピコピコゲームをしだす。
この姿だけ見てると現代っ子っぽく感じなくもない。
因みにコロネはというと、本棚にあったグラニクルオンラインの攻略本を真剣に読み漁っていた。
そういえばそんなものもあったよね。
もうちょっとはやく、コロネに見せてあげればよかったかもしれない。
テントの中なら本が読めることすっかり忘れてた。ちなみに攻略本があるのはレベル100がカンストレベル時代のガイアサーバーの攻略本で、それ以後のは発売されていないので持っていない。
それでもコロネは嬉しかったらしく、大事そうに本を読んでいた。
なんとなくテントの中に入った事で思い出す。
ゲームをやっていた時はいつも仲のいいカンナちゃんという女の子と旅をしていた。
一緒にレベルをあげたり、イベントをしたり、二人でギルドを作ったり。
このテントを買ってしまったのもカンナちゃんを驚かせたいという見栄からだったのだが。
いつも一緒で、この世界に召喚されてしまった前の日も二人で一緒に遊んでいたのだ。
元気にしてるかなカンナちゃん。
挨拶もなく、こっちの世界に来てしまったけれど、私がいなくなって困ってはいないだろうか。
もしこの世界が現実化したのが、プレイヤーの命を生贄に捧げてとかいう恐ろしい理由だとしたら、カンナちゃんだけでも絶対ゲームを止めさせないといけない。
それに仲がよかった他ギルドの子達も。
そのためには元に戻る方法と、何故この世界が現実化したかを探らないと。
なんとなく懐かしくなってゲームのギルド項目をみてみた。
グラニクルオンラインのギルドは二人から作ることができ、私とカンナちゃんの二人ギルドだ。
***
ギルド名 :空と海
マスター :猫まっしぐら
人数 :2/2
ギルドレベル:5/5
ハウスレベル:4/5
守護天使数 :3/8
同盟ギルド :暁の騎士団
守護神 :冥王ナース
***
と、でる。
ちなみに守護天使とはそのギルドの守り神みたいなのもで、課金やイベントで手に入る。
ギルマスだけが所持でき、最大8体までもてるのだ。
護衛してくれるNPCみたいなもので、マップフィールドも普通に連れ歩けるのだが、攻撃はNPCだけあって単調ですぐ死んでしまう。
ガイアサーバーではそこそこ役にたつようなのだが、アテナサーバーではあまり役にたたなかった。
というのもAIがお馬鹿すぎて、すぐ死んでしまうからだ。
そしてギルドハウスとはその名の通り、ギルド員だけが利用できる家のようなもので、課金やらなにやらで好きにカスタマイズできるのが特徴だ。
そういえばこの世界ギルドハウスとか守護天使ってどうなってるんだろう?
うちの守護天使ちゃん達もギルドハウスに戻ればいるのだろうか?
もしそうだとすれば、守護天使のレベルはギルドマスターである私と同レベルになるのでレベル780になっているはず。
コロネみたいに自分の意思をもって闘う事ができるなら頼もしい仲間が3人も増えることになる。
ゲームの世界ではギルドハウスは人間の世界にある女神像でワープできたはずだけど行けるのかな?
「そういえばコロネ。
こっちの世界ではギルドハウスとか守護天使とかどうなってるんだ?」
「え。あ、はい。
守護天使を所持しているプレイヤーは何人か見かけますが、ギルドハウスは入れないと聞いています」
私に急に話しかけられコロネが本から視線をあげて答える。
「え?ギルドハウスには入れないのに守護天使を所持しているのか?」
「守護天使達はプレイヤーと一緒にこちらの世界に転移してきたようです」
「あー、なるほど。
こっちの世界だと守護天使ってどういう扱いなんだろう?」
「そうですね非情に厄介な存在ともいえます」
「厄介?」
「プレイヤーの方はガイアサーバーの転移者が多く、能力は高いものの、戦い方が素人のため、対応しやすいのですが……。
守護天使達はプレイヤーと同じくレベルも200と高く、尚且つ戦い方もこちらの住人に勝るとも劣らない戦い方をしてきますので……。
あれを相手には正直したくはありませんね。
猫様は簡単に相手をしていらしゃいましたが。
……ああ、ですが今の私のレベルならもちろん敵ではありませんが」
と、コロネは自分がレベル500になったのを忘れていたようですぐに訂正する。
「ああ、なるほど」
頷く私。
……にしても、やっぱりコロネは何だかんだでプレイヤーを常に敵と想定して考えてるフシがある。
それだけ、嫌な目にもあってきたのだろう。
本当に女神が召喚したプレイヤー連中は一体なにをしてくれているのだろう。
ラファといいろくな奴がいない。
あとでちゃんと何かしら対応しないとまずいよな。
私は憂鬱な気分でため息をつくのだった。
リリがソファに座りながらゲーム機で某赤いおじさんのアクションゲームをやりながら、悲鳴を上げた。
画面を見れば、赤いおじさんが下へと落下して、ゲームオーバーの文字が浮かび上がる。
「むむむ これ 難しい リリ 下手」
ゲームオーバーになってふてくされて言うリリに
「初めてにしちゃうまい方だぞ。リリならすぐそのステージもクリアできると思う」
そう、リリはゲーム初プレイにしてはかなり上手な方だった。
最初の方はかなり四苦八苦していたが10分後には扱い方をなんとなく覚えてしまったのだ。
この子はわりと器用な方なのかもしれない。
私が言うとリリがぱぁぁぁと顔を輝かせ
「うん!リリがんばる!」
と、またピコピコゲームをしだす。
この姿だけ見てると現代っ子っぽく感じなくもない。
因みにコロネはというと、本棚にあったグラニクルオンラインの攻略本を真剣に読み漁っていた。
そういえばそんなものもあったよね。
もうちょっとはやく、コロネに見せてあげればよかったかもしれない。
テントの中なら本が読めることすっかり忘れてた。ちなみに攻略本があるのはレベル100がカンストレベル時代のガイアサーバーの攻略本で、それ以後のは発売されていないので持っていない。
それでもコロネは嬉しかったらしく、大事そうに本を読んでいた。
なんとなくテントの中に入った事で思い出す。
ゲームをやっていた時はいつも仲のいいカンナちゃんという女の子と旅をしていた。
一緒にレベルをあげたり、イベントをしたり、二人でギルドを作ったり。
このテントを買ってしまったのもカンナちゃんを驚かせたいという見栄からだったのだが。
いつも一緒で、この世界に召喚されてしまった前の日も二人で一緒に遊んでいたのだ。
元気にしてるかなカンナちゃん。
挨拶もなく、こっちの世界に来てしまったけれど、私がいなくなって困ってはいないだろうか。
もしこの世界が現実化したのが、プレイヤーの命を生贄に捧げてとかいう恐ろしい理由だとしたら、カンナちゃんだけでも絶対ゲームを止めさせないといけない。
それに仲がよかった他ギルドの子達も。
そのためには元に戻る方法と、何故この世界が現実化したかを探らないと。
なんとなく懐かしくなってゲームのギルド項目をみてみた。
グラニクルオンラインのギルドは二人から作ることができ、私とカンナちゃんの二人ギルドだ。
***
ギルド名 :空と海
マスター :猫まっしぐら
人数 :2/2
ギルドレベル:5/5
ハウスレベル:4/5
守護天使数 :3/8
同盟ギルド :暁の騎士団
守護神 :冥王ナース
***
と、でる。
ちなみに守護天使とはそのギルドの守り神みたいなのもで、課金やイベントで手に入る。
ギルマスだけが所持でき、最大8体までもてるのだ。
護衛してくれるNPCみたいなもので、マップフィールドも普通に連れ歩けるのだが、攻撃はNPCだけあって単調ですぐ死んでしまう。
ガイアサーバーではそこそこ役にたつようなのだが、アテナサーバーではあまり役にたたなかった。
というのもAIがお馬鹿すぎて、すぐ死んでしまうからだ。
そしてギルドハウスとはその名の通り、ギルド員だけが利用できる家のようなもので、課金やらなにやらで好きにカスタマイズできるのが特徴だ。
そういえばこの世界ギルドハウスとか守護天使ってどうなってるんだろう?
うちの守護天使ちゃん達もギルドハウスに戻ればいるのだろうか?
もしそうだとすれば、守護天使のレベルはギルドマスターである私と同レベルになるのでレベル780になっているはず。
コロネみたいに自分の意思をもって闘う事ができるなら頼もしい仲間が3人も増えることになる。
ゲームの世界ではギルドハウスは人間の世界にある女神像でワープできたはずだけど行けるのかな?
「そういえばコロネ。
こっちの世界ではギルドハウスとか守護天使とかどうなってるんだ?」
「え。あ、はい。
守護天使を所持しているプレイヤーは何人か見かけますが、ギルドハウスは入れないと聞いています」
私に急に話しかけられコロネが本から視線をあげて答える。
「え?ギルドハウスには入れないのに守護天使を所持しているのか?」
「守護天使達はプレイヤーと一緒にこちらの世界に転移してきたようです」
「あー、なるほど。
こっちの世界だと守護天使ってどういう扱いなんだろう?」
「そうですね非情に厄介な存在ともいえます」
「厄介?」
「プレイヤーの方はガイアサーバーの転移者が多く、能力は高いものの、戦い方が素人のため、対応しやすいのですが……。
守護天使達はプレイヤーと同じくレベルも200と高く、尚且つ戦い方もこちらの住人に勝るとも劣らない戦い方をしてきますので……。
あれを相手には正直したくはありませんね。
猫様は簡単に相手をしていらしゃいましたが。
……ああ、ですが今の私のレベルならもちろん敵ではありませんが」
と、コロネは自分がレベル500になったのを忘れていたようですぐに訂正する。
「ああ、なるほど」
頷く私。
……にしても、やっぱりコロネは何だかんだでプレイヤーを常に敵と想定して考えてるフシがある。
それだけ、嫌な目にもあってきたのだろう。
本当に女神が召喚したプレイヤー連中は一体なにをしてくれているのだろう。
ラファといいろくな奴がいない。
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私は憂鬱な気分でため息をつくのだった。
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