50 / 187
1章 異世界に召喚されました
49話 お祭り
しおりを挟む
「まぁ、その話は一度置いておきましょう……」
コロネが疲れようにため息をつく。何故か一気に老け込んだ気もしなくもない。
そんなに嫌なのかおしゃぶり。
コロネは机から何やらとりだすと
「猫様、これをお受け取りください」
と、私に渡した。
「これは……?」
腕輪のような物を二つ渡され、私はコロネに尋ねた。
青く光るブレスレットは不思議な魔力を帯びている。
「お約束していた魔道具です。
このように足首につけてください。ブーツで隠れてしまっても問題ありません」
言ってコロネが自分の両足首にブレスレットをつけてみせる。
「私は並行思念のスキルを取得していませんから…これが限界ですが」
言ってコロネが一歩足を踏み出すとコロネの足元にレンガが出現し、コロネはひょんとそこに足を乗せた。
足を一歩踏み出すたび、足元にレンガが出現し、見えない階段があるかのように、コロネがひょいひょい空中を歩き始める。
出現したレンガは、3秒もしないうちに消えてしまうため、まるで空中を歩いているかのようにも見えなくもない。
「ちょ、これすごい!?」
物凄く中二心をくすぐられる光景なんですけど!?
私が感嘆の声をあげると、空中を歩きながらコロネが
「本当は、魔法が使えるようにしたかったのですが……
魔道具で発音したものでは魔法は発動しませんでした。
やはり詠唱は本格的に研究しないと駄目ですね。
ああ、ですが自分で口で詠唱する分には魔法は使えます。
それと、詠唱の必要ない【浮石】の魔法も発動するように調整しました。
この魔法は空中に3秒間ブロックを出現させる魔法です。
以前猫様に頂いた呪文書で覚えた魔法ですね。
手で出現させて、その上に乗るのでは手間がかかってしまいますので……足を杖の代わりにしてみました」
言って、ひょいっと、空中からジャンプして地面に着地する。
「いいなー いいなー それカッコイイ! リリもほしい!」
「ああ、でしたら、私の分をお渡ししましょう。
ですが、呪文書がまだ残っているかはわかりませんが……」
言ってチラリとコロネが私を見る。
「ああ、リリの分も残ってる。じゃあリリにも呪文書渡そう」
「うんうん!リリも空飛びたい!」
ホクホク顔でリリが呪文書とブレスレットを受け取る。
「後で使い心地などを教えていただけると幸いです。
私は義手で使い方に慣れていましたがお二人は
少し練習も必要になるかもしれませんね」
と、言ってるそばからリリはあっさり空中をすたすた歩きはじめた。
うん、この子器用だわ。まじで。
「流石リリ様。魔力を足に貯めるというのはなかなか難易度が高いはずなのですが……」
と、コロネも呆れた様子でリリを眺めている。
私もマネしてみるが、なかなかうまくいかず10分ほど試行錯誤することになったが、一度コツをつかめば楽なもので、私も空中を歩けるまでに成長した。
「お二人とも、優秀ですね。
普通の者ならこれを会得するだけで1年はかかります……」
言うコロネの表情は完璧に呆れ顔だった。
△▲△
「パパー!はやくーお祭りに行こうよ!」
私達がブレスレッドの訓練をしていると、唐突にドアがバンっと開き……そこで入ってきた少女が固まった。
長い金髪の髪でツインテールの可愛い女の子だ。
幼稚園くらい?の年齢だろうか。
どうやら父親のグラッドさんしか居ないと思って入ってきたらしい。
見知らぬ私達の存在にそのまま固まってしまっている。
「ああ、ロロ。勝手に入ってきたら、ダメだろ。
怖いこわーい根性悪おじちゃんに怒られるぞ」
と、グラッドがコロネを指さしながら女の子の頭を撫でる。
「グラッド……一度貴方とはゆっくり話し合わないといけないようですね?」
その言葉にコロネがズゴゴゴゴゴと威圧を放ち
「ちょ!?お前子供の前で大人げない!?」
グラッドが抗議する。
「怖い根性悪おじちゃんですから、大人げなどいらないと思います」
と左手に魔力をともすコロネ。
「わーお前マジそれシャレにならないからやめろー!!」
結局、何故かいつもの漫才がはじまるのだった。
▲△▲
「お祭り?」
コロネとグラッドさんの何時もの漫才が終わったところでグラッドさんの膝にちょこんと可愛く座ったロロちゃんを見ながら私が尋ねた。
「ああ、今日は神前祭だからな。
神殿の周辺で出店がでたりしてるんだ」
と、グラッドさんが言えば、リリの目がキラキラ輝く。
「お店?食べ物もある?」
リリが目をキラキラさせていえば
「あるのー!いっぱいいっぱい楽しいお店があるのー!
金魚すくいでしょ!あとあとしゃてきやさん!楽しいの!
これからおにーちゃんとおねーちゃんとパパとでいくんだよ!」
何故かロロちゃんが答えエッヘンと胸を張る。
「リリも!リリも! お祭り行ってみたい!」
「あー、じゃあ行ってみるか」
私が言えば、グラッドさんが
「ん?じゃあ一緒に行くか?丁度真ん中の子が嬢ちゃんと同じくらいの年齢だから、子供同士のほうが楽しいだろ」
と、ニカっと笑う。
「ああ、言われてみればそうかもしれない。
リリに同年代の友達とかっていないしな……」
と、リリを見やれば
「友達……」
と、ほぅっと嬉しそうに顔を赤くして目をきっらきらに輝かせている。
……うん。欲しかったんだね友達。気づいてやれなくて申し訳ない。
コロネが疲れようにため息をつく。何故か一気に老け込んだ気もしなくもない。
そんなに嫌なのかおしゃぶり。
コロネは机から何やらとりだすと
「猫様、これをお受け取りください」
と、私に渡した。
「これは……?」
腕輪のような物を二つ渡され、私はコロネに尋ねた。
青く光るブレスレットは不思議な魔力を帯びている。
「お約束していた魔道具です。
このように足首につけてください。ブーツで隠れてしまっても問題ありません」
言ってコロネが自分の両足首にブレスレットをつけてみせる。
「私は並行思念のスキルを取得していませんから…これが限界ですが」
言ってコロネが一歩足を踏み出すとコロネの足元にレンガが出現し、コロネはひょんとそこに足を乗せた。
足を一歩踏み出すたび、足元にレンガが出現し、見えない階段があるかのように、コロネがひょいひょい空中を歩き始める。
出現したレンガは、3秒もしないうちに消えてしまうため、まるで空中を歩いているかのようにも見えなくもない。
「ちょ、これすごい!?」
物凄く中二心をくすぐられる光景なんですけど!?
私が感嘆の声をあげると、空中を歩きながらコロネが
「本当は、魔法が使えるようにしたかったのですが……
魔道具で発音したものでは魔法は発動しませんでした。
やはり詠唱は本格的に研究しないと駄目ですね。
ああ、ですが自分で口で詠唱する分には魔法は使えます。
それと、詠唱の必要ない【浮石】の魔法も発動するように調整しました。
この魔法は空中に3秒間ブロックを出現させる魔法です。
以前猫様に頂いた呪文書で覚えた魔法ですね。
手で出現させて、その上に乗るのでは手間がかかってしまいますので……足を杖の代わりにしてみました」
言って、ひょいっと、空中からジャンプして地面に着地する。
「いいなー いいなー それカッコイイ! リリもほしい!」
「ああ、でしたら、私の分をお渡ししましょう。
ですが、呪文書がまだ残っているかはわかりませんが……」
言ってチラリとコロネが私を見る。
「ああ、リリの分も残ってる。じゃあリリにも呪文書渡そう」
「うんうん!リリも空飛びたい!」
ホクホク顔でリリが呪文書とブレスレットを受け取る。
「後で使い心地などを教えていただけると幸いです。
私は義手で使い方に慣れていましたがお二人は
少し練習も必要になるかもしれませんね」
と、言ってるそばからリリはあっさり空中をすたすた歩きはじめた。
うん、この子器用だわ。まじで。
「流石リリ様。魔力を足に貯めるというのはなかなか難易度が高いはずなのですが……」
と、コロネも呆れた様子でリリを眺めている。
私もマネしてみるが、なかなかうまくいかず10分ほど試行錯誤することになったが、一度コツをつかめば楽なもので、私も空中を歩けるまでに成長した。
「お二人とも、優秀ですね。
普通の者ならこれを会得するだけで1年はかかります……」
言うコロネの表情は完璧に呆れ顔だった。
△▲△
「パパー!はやくーお祭りに行こうよ!」
私達がブレスレッドの訓練をしていると、唐突にドアがバンっと開き……そこで入ってきた少女が固まった。
長い金髪の髪でツインテールの可愛い女の子だ。
幼稚園くらい?の年齢だろうか。
どうやら父親のグラッドさんしか居ないと思って入ってきたらしい。
見知らぬ私達の存在にそのまま固まってしまっている。
「ああ、ロロ。勝手に入ってきたら、ダメだろ。
怖いこわーい根性悪おじちゃんに怒られるぞ」
と、グラッドがコロネを指さしながら女の子の頭を撫でる。
「グラッド……一度貴方とはゆっくり話し合わないといけないようですね?」
その言葉にコロネがズゴゴゴゴゴと威圧を放ち
「ちょ!?お前子供の前で大人げない!?」
グラッドが抗議する。
「怖い根性悪おじちゃんですから、大人げなどいらないと思います」
と左手に魔力をともすコロネ。
「わーお前マジそれシャレにならないからやめろー!!」
結局、何故かいつもの漫才がはじまるのだった。
▲△▲
「お祭り?」
コロネとグラッドさんの何時もの漫才が終わったところでグラッドさんの膝にちょこんと可愛く座ったロロちゃんを見ながら私が尋ねた。
「ああ、今日は神前祭だからな。
神殿の周辺で出店がでたりしてるんだ」
と、グラッドさんが言えば、リリの目がキラキラ輝く。
「お店?食べ物もある?」
リリが目をキラキラさせていえば
「あるのー!いっぱいいっぱい楽しいお店があるのー!
金魚すくいでしょ!あとあとしゃてきやさん!楽しいの!
これからおにーちゃんとおねーちゃんとパパとでいくんだよ!」
何故かロロちゃんが答えエッヘンと胸を張る。
「リリも!リリも! お祭り行ってみたい!」
「あー、じゃあ行ってみるか」
私が言えば、グラッドさんが
「ん?じゃあ一緒に行くか?丁度真ん中の子が嬢ちゃんと同じくらいの年齢だから、子供同士のほうが楽しいだろ」
と、ニカっと笑う。
「ああ、言われてみればそうかもしれない。
リリに同年代の友達とかっていないしな……」
と、リリを見やれば
「友達……」
と、ほぅっと嬉しそうに顔を赤くして目をきっらきらに輝かせている。
……うん。欲しかったんだね友達。気づいてやれなくて申し訳ない。
0
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。
夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!
喪女だった私が異世界転生した途端に地味枠を脱却して逆転恋愛
タマ マコト
ファンタジー
喪女として誰にも選ばれない人生を終えた佐倉真凛は、異世界の伯爵家三女リーナとして転生する。
しかしそこでも彼女は、美しい姉妹に埋もれた「地味枠」の令嬢だった。
前世の経験から派手さを捨て、魔法地雷や罠といったトラップ魔法を選んだリーナは、目立たず確実に力を磨いていく。
魔法学園で騎士カイにその才能を見抜かれたことで、彼女の止まっていた人生は静かに動き出す。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる