81 / 187
1.5章 VRMMO時代(VRMMO時代なので読み飛ばしOK)
9.カンナちゃんとの出会い編 9
しおりを挟む
ゲームをはじめて8日目。
私とカンナちゃんがそこそこ馴染んで会話できるようになり、ゲーム以外の世間話もするくらい仲良くなった。
レベルも二人とももう12になったのだが。
「え?10日間これなくなる?」
私の問いにカンナちゃんが頷いた。なんでも家族旅行で10日間どこかに出かけるとか。
「はい、せっかく一緒に狩りしてもらってたのにごめんなさい。
私は気にしないでレベル先にあげちゃってくださいね!」
にっこり微笑むカンナちゃん。
うーん。10日間いなくなるのかー。
せっかく仲良しになったのに寂しいけど。
カンナちゃんが居なくなるなら、ちょっとやりたい事があったんだよね。
そう、魔方陣を魔法で描く練習だ。
やっぱり中二病を少々患っている私としてはかっこよく魔方陣を書きたいわけで。
もう魔方陣自体はオタク根性を発揮して、細部まで丸暗記しているのだが、なかなかどうして魔法で描くというのが難しすぎる。
そんな事を考えていると、
「ネ、ネコさん後ろっ!?」
カンナちゃんが突然大声で叫ぶ。
何事!?
私が慌ててカンナちゃんが見てる方向に視線を向ければ……巨大なそれはそこにいた。
そう、時たま出現するフィールドボス「スライムピンク」
このフィールドボス、かなりレアであまり出現しない。
が、出現すればかなりのレアアイテムを落とすのでプレイヤーが一丸となって倒すのだ。
本来なら出会えてラッキーという魔物なのだが。
過疎地域なため、現在、私とカンナちゃんしかいない。
最低でも適正レベルが8人いないときついと言われるフィールドボスを私とカンナちゃんで相手をしないといけないわけで。
罠に落として倒してるだけの私とカンナちゃんで倒せるかというと……
うん。無理ゲーの臭いしかしない。
流石に土魔法であれを収納できるだけの落とし穴を作れるかと問われると、ちょっと無理がありそうだし。
しかし出現してしまったものは仕方がない。私は慌てて、カンナちゃんの腕を掴み
「こっち!崖まで釣ろう!」
言ってそのまま二人でダッシュする。
すでにスライムを釣りまくってるおかげで、ここら一体の地形は把握済み。
走りながら私はMP回復の薬草をむしゃむしゃ食べると作戦を組み立てる。
なんとなく釣りながらこの地形は、敵を倒すのに使えそうとか考えてたので思い当たる場所が一箇所ある。
丁度崖になっていて、その下に尖った岩々が連なっている場所だ。
「ど、どこに行くんですか?」
カンナちゃんもピンクスライムから逃げながら聞いてくる。
「もう少し先!いまピンクスライムのターゲットはカンナちゃんだから、崖スレスレまでピンクスライムをつってくれるか?」
「わ、わかりました!」
言って、二人で全速力で走れば、ぴょんぴょんと可愛く跳ねて付いてくる巨大なピンクの塊。
敵がスライムで運がよかった。
これで動物系のレアモンスターだったら、二人ともあっという間に噛み殺されていただろう。
もう少しで崖につけると思ったその瞬間。
「あっ!?」
カンナちゃんが転んでしまう。
ってマジカァァァァァ!?
容赦なくカンナちゃんに向かってダイブするスライムピンク。
って、させるか!?
私は走りながら唱えていた呪文をそのまま発動させる。
『土霊振壁』
私のアレンジした土魔法の壁が、カンナちゃんを踏みつぶそうとしていたピンクスライム向かってまっすぐ伸び、地面に着地しようとした、ピンクスライムをそのまま押し出した。
おっしゃ!!ナイス!
カンナちゃんと別れた後毎日土魔法の練習しただけはあった。
弾かれてゴロンと一度転がったスライムピンクがターゲットを私へとかえた。
むしろ望むところだ。
毎日モンスターを釣りまくっている私に追いかけっこで勝とうなど100年早い。
私がダッシュで逃げると殺気満々のピンクスライムが追ってくる。
私はわざと挑発するかのように時々石を投げ込んでやる。
ますますピンク色になっていくスライム。
ヘイト集め成功。
そして私はスライムピンクちゃんをそのまま崖まで誘い込むと、振り返ってピンクスライムと対峙する。
ピンクスライムから「ゲヘヘ追い詰めた」みたいな脳内セリフが聞こえるが、とりあえず、ここまではむしろこっちの計算通り。
ピンクスライムが私めがけてジャンプしてきたその瞬間。
『土霊振壁』
私のアレンジした土魔法の壁が、ピンクスライム向かってまっすぐ伸び、地面に着地しようとした、ピンクスライムをそのまま押し出そうとするが……。
がこぉぉぉ!!
ピンクスライムが想定済みだったのか、思いっきり土の壁に体当たりして、それを足場にジャンプして更に勢いをつけ私めがけて飛んでくる。
ええええ!?うそん!?知能あんのか!?
ちょ、そういうリアリティいらないからマジで!?
私がギリギリそれをかわすと、
べこりっ!!!
ピンクスライムが私の居たその場所にめり込んだ。
どうやら勢いをつけすぎたらしい。
顔から突っ込んでジタバタとするスライムちゃん。
うお!?間抜けだ。
でもこれを逃す手はない。
私は再び呪文を唱えた
『土霊振壁』
スライムが突っ伏してる部分が崖下に落ちるように、ワザと土をえぐりとる。
呪文でえぐり取られた部分が、スライムの重さに耐えられず、そのままめきめきと音をたて、大地ごと落下していった。
うっしゃ!計画通り!!(少し違うけど!)
どごぉぉん!!べちょり!!
という爆音と音とともに
<<ピンクスライムを倒しました。経験地1350を手に入れました>>
という、メッセージ流れた。私とカンナちゃんのレベルがあがる。
うっしゃーラッキー!!なんとレベル14になった!!
「すごい。ボスモンスター倒しちゃいましたね」
あとから走って駆けつけてきたカンナちゃんが感嘆の声をあげる。
「うん。運がよかっただけだけどな」
言って私とカンナちゃんはスライムが落下していった崖を見下ろすのだった。
とりあえずスライムがいた所に湧いた宝箱を私はそのまま開けてみる。
△▲△
「わぁ、なんだか凄いですね」
崖下に降りて、スライムからドロップした宝箱を見ながらカンナちゃんが呟いた。
どやらレアボスが落とした宝箱は七色に光るらしい。
七色に光る宝箱を私はおそるおそる開けてみる。
中に入っていたのはブーツと、七色に光った皮。
鑑定スキルをもっていないが、これは確か飛翔のブーツで移動速度のあがる靴だ。
皮は結構なレア素材だったはず。
うおーラッキー。商店で買えば結構なお値段になちゃうやつだよ。
「あ、これ飛翔のブーツですね。おめでとう御座います!」
ニッコリとカンナちゃん。
「どうしようか?売るか使うか迷うな」
「猫さんが使ったほうがいいんじゃないですか?モンスター釣るのに役立ちますよね」
「え?私がもらってもいいのか?」
「はい。倒したのは猫さんですから」
と、ニコニコ顔で言ってくる。
なんていい子だ。うん。でも確かに私が使ったほうがモンスター釣ってくるときとかにいいよね。
「じゃあ、ありがたくいただこうかな。じゃあ皮はカンナちゃんって事で」
「えええ!?私何もしてませんよ!?」
「でもカンナちゃんもうすぐ裁縫の熟練度80だったよな?」
「は、はい」
「だったら、80になればアバター作れるし。その時の材料ってことで」
「はい!わかりました!最初につくるアバターはもちろん猫さんにプレゼントしますね!」
「え!?それはいいよ。レベル14のペーペーがアバターっていうのもなんだし」
「ダメです!もう猫さんに似合いそうなアバター考えてあるんです!
早く作りたいな」
カンナちゃんがうふふと妄想に浸るかのように幸せな表情になる。
うん。この子は本当に裁縫が好きらしい。
私とカンナちゃんがそこそこ馴染んで会話できるようになり、ゲーム以外の世間話もするくらい仲良くなった。
レベルも二人とももう12になったのだが。
「え?10日間これなくなる?」
私の問いにカンナちゃんが頷いた。なんでも家族旅行で10日間どこかに出かけるとか。
「はい、せっかく一緒に狩りしてもらってたのにごめんなさい。
私は気にしないでレベル先にあげちゃってくださいね!」
にっこり微笑むカンナちゃん。
うーん。10日間いなくなるのかー。
せっかく仲良しになったのに寂しいけど。
カンナちゃんが居なくなるなら、ちょっとやりたい事があったんだよね。
そう、魔方陣を魔法で描く練習だ。
やっぱり中二病を少々患っている私としてはかっこよく魔方陣を書きたいわけで。
もう魔方陣自体はオタク根性を発揮して、細部まで丸暗記しているのだが、なかなかどうして魔法で描くというのが難しすぎる。
そんな事を考えていると、
「ネ、ネコさん後ろっ!?」
カンナちゃんが突然大声で叫ぶ。
何事!?
私が慌ててカンナちゃんが見てる方向に視線を向ければ……巨大なそれはそこにいた。
そう、時たま出現するフィールドボス「スライムピンク」
このフィールドボス、かなりレアであまり出現しない。
が、出現すればかなりのレアアイテムを落とすのでプレイヤーが一丸となって倒すのだ。
本来なら出会えてラッキーという魔物なのだが。
過疎地域なため、現在、私とカンナちゃんしかいない。
最低でも適正レベルが8人いないときついと言われるフィールドボスを私とカンナちゃんで相手をしないといけないわけで。
罠に落として倒してるだけの私とカンナちゃんで倒せるかというと……
うん。無理ゲーの臭いしかしない。
流石に土魔法であれを収納できるだけの落とし穴を作れるかと問われると、ちょっと無理がありそうだし。
しかし出現してしまったものは仕方がない。私は慌てて、カンナちゃんの腕を掴み
「こっち!崖まで釣ろう!」
言ってそのまま二人でダッシュする。
すでにスライムを釣りまくってるおかげで、ここら一体の地形は把握済み。
走りながら私はMP回復の薬草をむしゃむしゃ食べると作戦を組み立てる。
なんとなく釣りながらこの地形は、敵を倒すのに使えそうとか考えてたので思い当たる場所が一箇所ある。
丁度崖になっていて、その下に尖った岩々が連なっている場所だ。
「ど、どこに行くんですか?」
カンナちゃんもピンクスライムから逃げながら聞いてくる。
「もう少し先!いまピンクスライムのターゲットはカンナちゃんだから、崖スレスレまでピンクスライムをつってくれるか?」
「わ、わかりました!」
言って、二人で全速力で走れば、ぴょんぴょんと可愛く跳ねて付いてくる巨大なピンクの塊。
敵がスライムで運がよかった。
これで動物系のレアモンスターだったら、二人ともあっという間に噛み殺されていただろう。
もう少しで崖につけると思ったその瞬間。
「あっ!?」
カンナちゃんが転んでしまう。
ってマジカァァァァァ!?
容赦なくカンナちゃんに向かってダイブするスライムピンク。
って、させるか!?
私は走りながら唱えていた呪文をそのまま発動させる。
『土霊振壁』
私のアレンジした土魔法の壁が、カンナちゃんを踏みつぶそうとしていたピンクスライム向かってまっすぐ伸び、地面に着地しようとした、ピンクスライムをそのまま押し出した。
おっしゃ!!ナイス!
カンナちゃんと別れた後毎日土魔法の練習しただけはあった。
弾かれてゴロンと一度転がったスライムピンクがターゲットを私へとかえた。
むしろ望むところだ。
毎日モンスターを釣りまくっている私に追いかけっこで勝とうなど100年早い。
私がダッシュで逃げると殺気満々のピンクスライムが追ってくる。
私はわざと挑発するかのように時々石を投げ込んでやる。
ますますピンク色になっていくスライム。
ヘイト集め成功。
そして私はスライムピンクちゃんをそのまま崖まで誘い込むと、振り返ってピンクスライムと対峙する。
ピンクスライムから「ゲヘヘ追い詰めた」みたいな脳内セリフが聞こえるが、とりあえず、ここまではむしろこっちの計算通り。
ピンクスライムが私めがけてジャンプしてきたその瞬間。
『土霊振壁』
私のアレンジした土魔法の壁が、ピンクスライム向かってまっすぐ伸び、地面に着地しようとした、ピンクスライムをそのまま押し出そうとするが……。
がこぉぉぉ!!
ピンクスライムが想定済みだったのか、思いっきり土の壁に体当たりして、それを足場にジャンプして更に勢いをつけ私めがけて飛んでくる。
ええええ!?うそん!?知能あんのか!?
ちょ、そういうリアリティいらないからマジで!?
私がギリギリそれをかわすと、
べこりっ!!!
ピンクスライムが私の居たその場所にめり込んだ。
どうやら勢いをつけすぎたらしい。
顔から突っ込んでジタバタとするスライムちゃん。
うお!?間抜けだ。
でもこれを逃す手はない。
私は再び呪文を唱えた
『土霊振壁』
スライムが突っ伏してる部分が崖下に落ちるように、ワザと土をえぐりとる。
呪文でえぐり取られた部分が、スライムの重さに耐えられず、そのままめきめきと音をたて、大地ごと落下していった。
うっしゃ!計画通り!!(少し違うけど!)
どごぉぉん!!べちょり!!
という爆音と音とともに
<<ピンクスライムを倒しました。経験地1350を手に入れました>>
という、メッセージ流れた。私とカンナちゃんのレベルがあがる。
うっしゃーラッキー!!なんとレベル14になった!!
「すごい。ボスモンスター倒しちゃいましたね」
あとから走って駆けつけてきたカンナちゃんが感嘆の声をあげる。
「うん。運がよかっただけだけどな」
言って私とカンナちゃんはスライムが落下していった崖を見下ろすのだった。
とりあえずスライムがいた所に湧いた宝箱を私はそのまま開けてみる。
△▲△
「わぁ、なんだか凄いですね」
崖下に降りて、スライムからドロップした宝箱を見ながらカンナちゃんが呟いた。
どやらレアボスが落とした宝箱は七色に光るらしい。
七色に光る宝箱を私はおそるおそる開けてみる。
中に入っていたのはブーツと、七色に光った皮。
鑑定スキルをもっていないが、これは確か飛翔のブーツで移動速度のあがる靴だ。
皮は結構なレア素材だったはず。
うおーラッキー。商店で買えば結構なお値段になちゃうやつだよ。
「あ、これ飛翔のブーツですね。おめでとう御座います!」
ニッコリとカンナちゃん。
「どうしようか?売るか使うか迷うな」
「猫さんが使ったほうがいいんじゃないですか?モンスター釣るのに役立ちますよね」
「え?私がもらってもいいのか?」
「はい。倒したのは猫さんですから」
と、ニコニコ顔で言ってくる。
なんていい子だ。うん。でも確かに私が使ったほうがモンスター釣ってくるときとかにいいよね。
「じゃあ、ありがたくいただこうかな。じゃあ皮はカンナちゃんって事で」
「えええ!?私何もしてませんよ!?」
「でもカンナちゃんもうすぐ裁縫の熟練度80だったよな?」
「は、はい」
「だったら、80になればアバター作れるし。その時の材料ってことで」
「はい!わかりました!最初につくるアバターはもちろん猫さんにプレゼントしますね!」
「え!?それはいいよ。レベル14のペーペーがアバターっていうのもなんだし」
「ダメです!もう猫さんに似合いそうなアバター考えてあるんです!
早く作りたいな」
カンナちゃんがうふふと妄想に浸るかのように幸せな表情になる。
うん。この子は本当に裁縫が好きらしい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
683
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる