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23話 皇子<リネアを妾に! マザコン皇妃<(アホなの?)
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「ウィル様!」
皇城に用意されたウィル用の粗末な離宮の庭で、ウィルが本を読んでいるとリネアが嬉しそうにウィルの所にやってきた。
「リネアが来てくれたのか……ってレティアは?」
きょろきょろするが、幽霊のリネアがきただけで、レティアの姿がない。
「今日は離れて動けるようになるための練習なので一人できました」
「あー、なるほど。ギルディスと修行するっていってたもんな」
神殿とウィルの離宮まではそれなりの距離がある。
思ったより離れて行動できるのだと感心する。
「はい。ギルディスさんのおかげで、レティアさんと離れて活動できる範囲が広がりました」
現在ギルディスはデーンの紹介というていでレティアの小間使いとして働いている。霊力に詳しい彼は、リネア自身の霊体としての力を強めてくれた。そのおかげで、レティアからかなり離れても行動できるようになった。ほんのわずかではあるが現実世界にも干渉できるようになっている。軽い物をちょっと動かしたり、音を鳴らしたり程度だけれど、全く干渉できなかった頃に比べたら大きな進歩だ。
「ギルディスさんから伝言です。『挨拶も出来ずに申し訳ありません。落ち着いたらまた、会いにいきます』とのことです」
「そっか。ありがとうな」
そう言って本を閉じて机に置いた。
「あ、すみません読書中だったのに。しおり挟まなくて大丈夫ですか?」
「あ、いや、もうこれ何度も読んだやつだから大丈夫だ」
「それならよかったです。……あ、ウィル様もその本読んでいらっしゃるのですね」
そう言ってリネアが、ひょんっと座っているウィルの隣に舞い降りる。
「リネアも知ってるのか?」
「はい。私もよく姉に読んでもらっていました」
そう言って嬉しそうに笑う。
「……え、あれ?カミラと姉妹だったよな?もしかしてカミラと昔は仲良かったのか?」
「あ、いえ、違うんです。双子の姉がいて、小さい時病気で死んでしまいました。だからあまり姉の存在は知られてなくて」
リネアが言うと、ウィルがまずい事を聞いてしまったという表情の後。
「そ、そっか。お前の姉は頭が良かったんだな。子供でこの本読めるのは珍しいんじゃないか。結構難しい古代文字が使われてるのに」
「そうなんですか?その本は姉が好きだった本だったので姉の棺桶に本人のかわりに埋葬されたので、私知りませんでした」
「ああ、表紙は現代風だけど、内容は古代文字で書かれてる」
ウィルに見せてもらうと、確かに文字は知らない文字だった。
聖女は高度な教育を受けるがそれでも知識にないということは、一般では習うことのないほど特殊な古代文字なのだろう。
4歳の頃は絵だけ見ていて文字のことは気にもとめなかったが、なぜ4歳の姉がこの文字を読めたのか疑問が浮かぶ。
「本当だ……すごいですね。ウィル様は読めるのですか?」
「俺は母上とギルディスから教わった」
そう言って開いてくれた本の中にはリネアが好きだったイラストが描いてある。
文字は読めなかったが、豊穣祭のお祭りでフワフワ綿あめを姉妹で食べるカワイイイラストだ。
(でも小さい時はあまり気にしなかったけれど、今見てみると着ているものが確かに今の人々の衣装とは違う気がする。もしかしたら、神魔戦争以前の古代の絵本なのかもしれない)
あまりのなつかしさにリネアが目を細めると、ウィルが笑って
「読んでやろうか?」
と言ってくれる。
「え、いいんですか?」
「リネアの姉ちゃんほどうまく読めるかわからないけどな。それでもいいか?」
ウィルが聞くと、
「はい。ありがとうございます!」
リネアは嬉しそうに、ウィルの隣に座った。
***
「リネアを妾に?」
皇城にある皇妃の自室で、アンヘルとミネルバ皇妃はソファに座り話し合っていた。
「はい。リネア祈りの質が良かったのは事実です。もしかしたら力を取り戻すかもしれません。念のために確保しておいたほうがいいかと」
アンヘルが皇妃に詰め寄る。
「ダメよ。そんなことをカミラが快く思うと思っているの?」
ティーカップを置いて、ミネルバが答えた。彼女はプライドが高い。異様に嫌っているリネアを妾にするなどカミラのプライドが許すわけがないのだ。
「側妃に迎えるわけではないのですが……」
「貴方はまだ子供ね。女心は複雑なの。今最優先すべきはカミラ。彼女に婚姻を断られてしまったらそこで終わる。神殿に対しては帝国の威信は絶対ではないというのはあなたもよく知っているでしょう。彼女の機嫌を損ねるわけにはいかないわ」
「ですが」
「却下よ、いくらあなたの頼みでもそれは聞けないわ。私が貴方の不利益になる判断を下したことがあった?」
「……いいえ」
(まったく困ったものね)
納得いってないように立ち去るアンヘルを見送って、皇妃はため息をついた。
甘やかして育てたせいか、自分が意見を言えばすべて通ると思っている。
実際ミネルバにとってアンヘルは愛すべき存在だ。
なるべく彼の言う事は聞いてあげたいと思っている。
けれど――流石に今回のは無理ね。
皇妃個人としてリネアに恨みはないが、カミラが嫌っている。
カミラの豊穣の存在と、彼女が皇妃の弱みを握っている時点で、彼女の意思を無視することはできない。
(リネア……本当に邪魔な子ね)
ミネルバは外に視線を移すのだった。
***
「そういえばそろそろ神殿の大会議ですね」
リネアの部屋でレティアとデーンの三人でカードゲームをしていたアレスがぽつりとつぶやいた。
「あー、そういえばそんなのあったっけ」
神殿の大会議。世界各地の聖女が集まる会議。
これは3年に一度行われる神殿の行事で、帝都で豊穣祭が開かれる一ヶ月、各地に散らばる聖女が帝都の神殿に集まり、その神殿で豊穣の女神に祈る神聖なる儀式だ。
聖女は帝国以外にも世界各地に存在しており、一番組織が大きいのがカミラと帝国が牛耳っている中央神殿だが、別大陸の東大陸と西大陸の実りを仕切っているそれぞれの神殿には枢機卿や聖女が存在し中央神殿から独立した機関となっている。そちらの神殿は中央の権力もあまり及ばない。
「よくわからないけど、この会議の祈り巫女に選ばれるのって聖女にとっては凄い名誉のあることなんだっけ?」
レティアがカードを一枚出すと、アレスがふむと伏せていたカードを一枚取った。
「はい、そうです。会議に参加する聖女の中でも会議前に祈りをささげる祈り巫女は聖女の中でも最も実りをもたらした聖女として大変名誉なことで、今年はリネア様とカミラ様になっています」
「え?私祈り巫女で参加できるんだ」
「一応力をなくしたのが昨年のことなので。3年間の実績になりますから」
「二人同時に出ることもあるのですね」
そう言ってデーンがカードを一枚出すと、アレスも手持ちのカードを一枚置く。
そんな中。
「リネア様大変です」
侍女のララが部屋に慌てて飛び込んできた。
「どうかなさいましたか?」
聖女モードでにっこりとレティアが質問すると
「それが枢機卿がリネア様に付き巫女を指名いたしました」
ララが答える。
「なるほど。そう来ましたか」
レティアはふむと、場に伏せていたカードを一枚取った。
祈り巫女は名誉職だが、枢機卿の付巫女はそれほど地位の高い役職ではない。
枢機卿に付き従い儀式の祈りの挨拶の言葉の時に付き添うだけの役割だ。
どちらかというと貴族の出の力のない聖女など、なんとなく厄介な立場にいる聖女に恵んであげる、ちょい役といっていい。
「祈り巫女よりも何ランクもおちますね」
アレスがカードを置いて言うと、
「これってやっぱりカミラ様の意思かしら?」
レティアがデーンに視線を送る。嫌がらせなのか調べろという事だろう。
「はい。わかりました。調べておきましょう」
デーンが手持ちカードを全て机に並べ、勝利を告げ微笑んだ。
皇城に用意されたウィル用の粗末な離宮の庭で、ウィルが本を読んでいるとリネアが嬉しそうにウィルの所にやってきた。
「リネアが来てくれたのか……ってレティアは?」
きょろきょろするが、幽霊のリネアがきただけで、レティアの姿がない。
「今日は離れて動けるようになるための練習なので一人できました」
「あー、なるほど。ギルディスと修行するっていってたもんな」
神殿とウィルの離宮まではそれなりの距離がある。
思ったより離れて行動できるのだと感心する。
「はい。ギルディスさんのおかげで、レティアさんと離れて活動できる範囲が広がりました」
現在ギルディスはデーンの紹介というていでレティアの小間使いとして働いている。霊力に詳しい彼は、リネア自身の霊体としての力を強めてくれた。そのおかげで、レティアからかなり離れても行動できるようになった。ほんのわずかではあるが現実世界にも干渉できるようになっている。軽い物をちょっと動かしたり、音を鳴らしたり程度だけれど、全く干渉できなかった頃に比べたら大きな進歩だ。
「ギルディスさんから伝言です。『挨拶も出来ずに申し訳ありません。落ち着いたらまた、会いにいきます』とのことです」
「そっか。ありがとうな」
そう言って本を閉じて机に置いた。
「あ、すみません読書中だったのに。しおり挟まなくて大丈夫ですか?」
「あ、いや、もうこれ何度も読んだやつだから大丈夫だ」
「それならよかったです。……あ、ウィル様もその本読んでいらっしゃるのですね」
そう言ってリネアが、ひょんっと座っているウィルの隣に舞い降りる。
「リネアも知ってるのか?」
「はい。私もよく姉に読んでもらっていました」
そう言って嬉しそうに笑う。
「……え、あれ?カミラと姉妹だったよな?もしかしてカミラと昔は仲良かったのか?」
「あ、いえ、違うんです。双子の姉がいて、小さい時病気で死んでしまいました。だからあまり姉の存在は知られてなくて」
リネアが言うと、ウィルがまずい事を聞いてしまったという表情の後。
「そ、そっか。お前の姉は頭が良かったんだな。子供でこの本読めるのは珍しいんじゃないか。結構難しい古代文字が使われてるのに」
「そうなんですか?その本は姉が好きだった本だったので姉の棺桶に本人のかわりに埋葬されたので、私知りませんでした」
「ああ、表紙は現代風だけど、内容は古代文字で書かれてる」
ウィルに見せてもらうと、確かに文字は知らない文字だった。
聖女は高度な教育を受けるがそれでも知識にないということは、一般では習うことのないほど特殊な古代文字なのだろう。
4歳の頃は絵だけ見ていて文字のことは気にもとめなかったが、なぜ4歳の姉がこの文字を読めたのか疑問が浮かぶ。
「本当だ……すごいですね。ウィル様は読めるのですか?」
「俺は母上とギルディスから教わった」
そう言って開いてくれた本の中にはリネアが好きだったイラストが描いてある。
文字は読めなかったが、豊穣祭のお祭りでフワフワ綿あめを姉妹で食べるカワイイイラストだ。
(でも小さい時はあまり気にしなかったけれど、今見てみると着ているものが確かに今の人々の衣装とは違う気がする。もしかしたら、神魔戦争以前の古代の絵本なのかもしれない)
あまりのなつかしさにリネアが目を細めると、ウィルが笑って
「読んでやろうか?」
と言ってくれる。
「え、いいんですか?」
「リネアの姉ちゃんほどうまく読めるかわからないけどな。それでもいいか?」
ウィルが聞くと、
「はい。ありがとうございます!」
リネアは嬉しそうに、ウィルの隣に座った。
***
「リネアを妾に?」
皇城にある皇妃の自室で、アンヘルとミネルバ皇妃はソファに座り話し合っていた。
「はい。リネア祈りの質が良かったのは事実です。もしかしたら力を取り戻すかもしれません。念のために確保しておいたほうがいいかと」
アンヘルが皇妃に詰め寄る。
「ダメよ。そんなことをカミラが快く思うと思っているの?」
ティーカップを置いて、ミネルバが答えた。彼女はプライドが高い。異様に嫌っているリネアを妾にするなどカミラのプライドが許すわけがないのだ。
「側妃に迎えるわけではないのですが……」
「貴方はまだ子供ね。女心は複雑なの。今最優先すべきはカミラ。彼女に婚姻を断られてしまったらそこで終わる。神殿に対しては帝国の威信は絶対ではないというのはあなたもよく知っているでしょう。彼女の機嫌を損ねるわけにはいかないわ」
「ですが」
「却下よ、いくらあなたの頼みでもそれは聞けないわ。私が貴方の不利益になる判断を下したことがあった?」
「……いいえ」
(まったく困ったものね)
納得いってないように立ち去るアンヘルを見送って、皇妃はため息をついた。
甘やかして育てたせいか、自分が意見を言えばすべて通ると思っている。
実際ミネルバにとってアンヘルは愛すべき存在だ。
なるべく彼の言う事は聞いてあげたいと思っている。
けれど――流石に今回のは無理ね。
皇妃個人としてリネアに恨みはないが、カミラが嫌っている。
カミラの豊穣の存在と、彼女が皇妃の弱みを握っている時点で、彼女の意思を無視することはできない。
(リネア……本当に邪魔な子ね)
ミネルバは外に視線を移すのだった。
***
「そういえばそろそろ神殿の大会議ですね」
リネアの部屋でレティアとデーンの三人でカードゲームをしていたアレスがぽつりとつぶやいた。
「あー、そういえばそんなのあったっけ」
神殿の大会議。世界各地の聖女が集まる会議。
これは3年に一度行われる神殿の行事で、帝都で豊穣祭が開かれる一ヶ月、各地に散らばる聖女が帝都の神殿に集まり、その神殿で豊穣の女神に祈る神聖なる儀式だ。
聖女は帝国以外にも世界各地に存在しており、一番組織が大きいのがカミラと帝国が牛耳っている中央神殿だが、別大陸の東大陸と西大陸の実りを仕切っているそれぞれの神殿には枢機卿や聖女が存在し中央神殿から独立した機関となっている。そちらの神殿は中央の権力もあまり及ばない。
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「はい、そうです。会議に参加する聖女の中でも会議前に祈りをささげる祈り巫女は聖女の中でも最も実りをもたらした聖女として大変名誉なことで、今年はリネア様とカミラ様になっています」
「え?私祈り巫女で参加できるんだ」
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そんな中。
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「どうかなさいましたか?」
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ララが答える。
「なるほど。そう来ましたか」
レティアはふむと、場に伏せていたカードを一枚取った。
祈り巫女は名誉職だが、枢機卿の付巫女はそれほど地位の高い役職ではない。
枢機卿に付き従い儀式の祈りの挨拶の言葉の時に付き添うだけの役割だ。
どちらかというと貴族の出の力のない聖女など、なんとなく厄介な立場にいる聖女に恵んであげる、ちょい役といっていい。
「祈り巫女よりも何ランクもおちますね」
アレスがカードを置いて言うと、
「これってやっぱりカミラ様の意思かしら?」
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