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眼鏡はどこへいったのか?
眼鏡はどこへいったのか?
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眼鏡はいったいどこへいったのだろうか。
イタリアで発明され、フランシスコ・ザビエルにより日本へ伝来し、かの徳川家康もかけていたといわれる、視覚矯正器具の眼鏡。
最近は、コンタクトレンズの勢いに押され、積極的にかけるものがいないと思われていたが、ファッション雑誌に取り上げられ、おしゃれメガネなるものが現れたことにより、眼鏡をかけること自体が、一つのファッションであるとみなされているあの眼鏡である。
私も恥ずかしながら、妻と一緒に眼鏡店へ行き同じフレームの色違いを購入した思い出の品の眼鏡。
その眼鏡が見当たらない。
朝ベッドから起きて、およそ一時間。
視界がもやに包まれたようにぼやけており、なにもする気が起きない。
こんな時はどうでもいいことばかりが頭を巡っていけない。
「お茶が入りましたよ」
どうやら、妻がお茶を部屋に運んできてくれたようだ。
しかし、不明瞭な視界で考え事に没頭していた私は、生返事のみを返してしまう。
「どうかしたんですか?」
妻が不思議そうに尋ねてくる。
「あぁ、いや、眼鏡がね・・・・・・」
「眼鏡が、どうかしたんですか?」
妻の声に疑問を含まれているのがなんとなくわかった。
「いや、なんでもないんだ」
思い出の品を無くしてしまったと知られるのは、少し気が重かった。
できれば気づかれないうちに、見つけ出してしまおうという考えから言葉を濁らせる。
妻はお茶を机に置くと、そのまま書斎をでていった。
入れ替わりに今度は、六歳になる娘が入ってくる。
「お父さん! 本読んで!」
娘のお願いはなるべくなら聞いてあげたいのだが、生憎今は眼鏡がない。
これでは、本の字がぼやけてしまって全く読み取ることができない。
「すまないが、今はちょっと無理なんだ」
「えー! なんで?」
娘は、抗議の声をあげながら、私の周りをうろうろと歩き回る。
そんな娘に、申し訳ないような気持ちを抱きながら、その顔を見て正直に話す。
「ちょっと、眼鏡を無くしてしまってね。字が読めないんだよ」
すると娘は、パッと止まるとクスクスと笑いだす。
「なに言ってるの? お父さん! 頭に載ってるよ?」
娘に指摘されてハッと頭に手を触れる。
そこには、使い古された老眼鏡を載せていた。
「あぁ、いや、これは違うんだよ。いや、まぁ、確かにこれを使えば、字は読めるんだけどね。ーーほら、あのいつもお父さんがかけてる眼鏡がね。ないんだよ」
漫画などでよくある、頭の上に眼鏡が載っているなどというオチなら、どんなに良かったか。
私は苦笑しながら、老眼鏡をかける。娘の顔がとても近くに見えた。
「おや? その眼鏡はどうしたんだい?」
我が娘は、眼鏡などかけていなかった筈だが?
不思議に思いながら、娘の顔に触れる。娘は、馴染みのあるワインレッドの眼鏡を少しずらしてかけていた。
「お母さんの借りたの! 似合う? 似合う?」
「あ、ああ。かわいいよ。ーーでも、お母さんもお父さんと同じくらい目が悪いからなぁ。困ってるだろうから早く返してあげなさい」
「はーい!」
娘は、そう元気よくいうと、書斎をでていった。
どうやら、本を読んで欲しいというのは、単なる口実で、実際は眼鏡を見せびらかしにきただけのようだった。
しかし、本当に眼鏡はどこへ消えてしまったのだろうか。
その時、また書斎のドアが叩かれた。
「お茶のおかわりはいかがですか?」
どうやら、妻がお茶のおかわりを持ってきてくれたようだった。
ぬるくなったお茶を喉に流し込む。
「あぁ、ありがとう」
妻は、お茶を湯呑みに注ぐと、懐から何かを取り出す。
「それと、これ居間に置いてありましたよ」
それは、妻とお揃いの青いフレームの眼鏡だった。
「え⁉︎ あ、ああ。そうか。ありがとう。探していたんだ」
「いいえ」
青いフレームの眼鏡をかけて、微笑む妻の顔を見る。
そこには、ワインレッドの眼鏡が輝いていた。
しかし、居間か? そんなところに置いただろうか?
「それじゃあ、私はこれで」
妻はそういうと、そそくさと書斎をあとにしようとする。
「ーーちょっと待ってくれないか?」
「ーーどうかしましたか?」
「いや、どうも引っかかるんだ」
「引っかかる? それはどういう?」
眼鏡のツルをかけ直す。
「私は朝から、眼鏡を探していたんだが、一向に見つからなくてね。それで、昨日の夜、最後にどこに眼鏡を置いたか、考えていたんだ」
「それが、居間だったんでしょう?」
「いや、私は確かにベッドの脇に眼鏡を置いたんだよ。それは間違いない。何故なら、眼鏡をわざわざ外して歩き回れるほど私の目は良くないからね」
少し自虐が混ざっていた。
「しかし、それが朝起きると見当たらなかった。これは、他の誰かが移動したとしか考えられないんだ」
「ーーもしかして、私を疑っていますか?」
妻は、少し責めるような声音で私に質問してくる。
私は、たじろぎながらも、自らの推理を話す。
「ーーさ、さっき、あの子が書斎をたずねてきてね、本を読んでくれというんだが、眼鏡がなかった私は、それを断ったんだ。すると、あの子は私に見せびらかすように、ワインレッドの眼鏡を見せてくれたよ。ーーそう、君が今かけている眼鏡をね」
「ーーそれが、なんだと? 確かにあの子が私の眼鏡を勝手に持っていきましたよ? そのせいで、しばらく不便してましたけど」
「そうかな? それにしては、いつも通りお茶を入れてくれたみたいだったけど?」
「⁉︎」
妻はたじろいだように視線を逸らす。
「それはーーな、慣れていますから」
「慣れていると言っても、扱うのは熱湯だよ? しっかり者の君が眼鏡もつけずにお茶を入れるなんて、そんな危険を犯すかな?」
少なくとも私にはこんなぼやけた視界でお茶を入れるなんて芸当は無理だ。
必ず、こぼして軽い火傷を負ってしまうだろう。
「それでも、君はお茶を入れてくれた。ーー何故か?」
「だ、だから、慣れているからと」
「違うな。ーー君は眼鏡をしていたんだよ!ーーそう、私のこの青いフレームの眼鏡をね‼︎」
「⁉︎」
妻は、身体の前に壁を作るように肩をかきいだく。
「朝起きた君は、いつもの場所に自分の眼鏡がないことに気づいた。そう、その時には、あの子が眼鏡を持って行ってしまっていたんだろう。このままでは、朝の仕事がつとまらない。そう考えた君は、ある悪魔的考えを持ってしまった。ーーそう、私の眼鏡があるじゃないかと!」
「っ!」
「私の眼鏡を無断で借りていたことに多少の罪悪感もあったんだろう。いつもは、お茶のおかわりを持ってきてくれるなんて、ほとんどないからね。君は眼鏡を探す僕の目の前で、私の眼鏡をかけながらお茶を入れてくれていたんだね。ーーすっかり騙されていたよ」
「そ、それは・・・・・・!ーーそうね。正解よ。私があなたの眼鏡を使っていたわ。朝、目が覚めたとき、いつもの場所になかった眼鏡を探す時間も、惜しかった。ーーわかるでしょ? 朝のあの時間がどれほど貴重か! あの数時間に一日のどれだけの価値があるか‼︎ しかたなかったのよ‼︎」
妻は、声を震わせてそうまくしたてる。
「あぁ、わかるさ。朝の時間は本当に貴重だ。私も休日の朝は新聞を読んで、クロスワードを解くのが日課だからね。ーーだけど、君は私からその朝の時間を奪ったんだ」
「っ⁉︎」
妻は、泣き崩れるように、その場に膝をついた。
「ごめんなさい。ーーわかっていたのに。あの恐怖を。眼鏡を失う恐怖を私も知っていたのに。あなたにそれを味わわせてしまった」
「ーーわかってくれればいいんだ。それに、私はこの眼鏡を無くしたんじゃなくてほっとしているんだ。ーーこれは、君との大切な思い出だからね」
「あなた・・・・・・」
私は、妻の目元を指で拭うとそっと抱き寄せる。そこへ、娘が書斎のドアを叩く。
「お母さーん! お腹すいたー!」
「ーーえぇ。そうね」
妻は気を取り直したように立ち上がる。
しかし、その笑顔はどこか怒っているように見えた。
「あ、あんまり、怒らないであげてね?」
書斎のドアを開けた娘は、妻の顔を見た瞬間、脱兎の如く逃げ出した。
「ーー嫌な事件だった」
イタリアで発明され、フランシスコ・ザビエルにより日本へ伝来し、かの徳川家康もかけていたといわれる、視覚矯正器具の眼鏡。
最近は、コンタクトレンズの勢いに押され、積極的にかけるものがいないと思われていたが、ファッション雑誌に取り上げられ、おしゃれメガネなるものが現れたことにより、眼鏡をかけること自体が、一つのファッションであるとみなされているあの眼鏡である。
私も恥ずかしながら、妻と一緒に眼鏡店へ行き同じフレームの色違いを購入した思い出の品の眼鏡。
その眼鏡が見当たらない。
朝ベッドから起きて、およそ一時間。
視界がもやに包まれたようにぼやけており、なにもする気が起きない。
こんな時はどうでもいいことばかりが頭を巡っていけない。
「お茶が入りましたよ」
どうやら、妻がお茶を部屋に運んできてくれたようだ。
しかし、不明瞭な視界で考え事に没頭していた私は、生返事のみを返してしまう。
「どうかしたんですか?」
妻が不思議そうに尋ねてくる。
「あぁ、いや、眼鏡がね・・・・・・」
「眼鏡が、どうかしたんですか?」
妻の声に疑問を含まれているのがなんとなくわかった。
「いや、なんでもないんだ」
思い出の品を無くしてしまったと知られるのは、少し気が重かった。
できれば気づかれないうちに、見つけ出してしまおうという考えから言葉を濁らせる。
妻はお茶を机に置くと、そのまま書斎をでていった。
入れ替わりに今度は、六歳になる娘が入ってくる。
「お父さん! 本読んで!」
娘のお願いはなるべくなら聞いてあげたいのだが、生憎今は眼鏡がない。
これでは、本の字がぼやけてしまって全く読み取ることができない。
「すまないが、今はちょっと無理なんだ」
「えー! なんで?」
娘は、抗議の声をあげながら、私の周りをうろうろと歩き回る。
そんな娘に、申し訳ないような気持ちを抱きながら、その顔を見て正直に話す。
「ちょっと、眼鏡を無くしてしまってね。字が読めないんだよ」
すると娘は、パッと止まるとクスクスと笑いだす。
「なに言ってるの? お父さん! 頭に載ってるよ?」
娘に指摘されてハッと頭に手を触れる。
そこには、使い古された老眼鏡を載せていた。
「あぁ、いや、これは違うんだよ。いや、まぁ、確かにこれを使えば、字は読めるんだけどね。ーーほら、あのいつもお父さんがかけてる眼鏡がね。ないんだよ」
漫画などでよくある、頭の上に眼鏡が載っているなどというオチなら、どんなに良かったか。
私は苦笑しながら、老眼鏡をかける。娘の顔がとても近くに見えた。
「おや? その眼鏡はどうしたんだい?」
我が娘は、眼鏡などかけていなかった筈だが?
不思議に思いながら、娘の顔に触れる。娘は、馴染みのあるワインレッドの眼鏡を少しずらしてかけていた。
「お母さんの借りたの! 似合う? 似合う?」
「あ、ああ。かわいいよ。ーーでも、お母さんもお父さんと同じくらい目が悪いからなぁ。困ってるだろうから早く返してあげなさい」
「はーい!」
娘は、そう元気よくいうと、書斎をでていった。
どうやら、本を読んで欲しいというのは、単なる口実で、実際は眼鏡を見せびらかしにきただけのようだった。
しかし、本当に眼鏡はどこへ消えてしまったのだろうか。
その時、また書斎のドアが叩かれた。
「お茶のおかわりはいかがですか?」
どうやら、妻がお茶のおかわりを持ってきてくれたようだった。
ぬるくなったお茶を喉に流し込む。
「あぁ、ありがとう」
妻は、お茶を湯呑みに注ぐと、懐から何かを取り出す。
「それと、これ居間に置いてありましたよ」
それは、妻とお揃いの青いフレームの眼鏡だった。
「え⁉︎ あ、ああ。そうか。ありがとう。探していたんだ」
「いいえ」
青いフレームの眼鏡をかけて、微笑む妻の顔を見る。
そこには、ワインレッドの眼鏡が輝いていた。
しかし、居間か? そんなところに置いただろうか?
「それじゃあ、私はこれで」
妻はそういうと、そそくさと書斎をあとにしようとする。
「ーーちょっと待ってくれないか?」
「ーーどうかしましたか?」
「いや、どうも引っかかるんだ」
「引っかかる? それはどういう?」
眼鏡のツルをかけ直す。
「私は朝から、眼鏡を探していたんだが、一向に見つからなくてね。それで、昨日の夜、最後にどこに眼鏡を置いたか、考えていたんだ」
「それが、居間だったんでしょう?」
「いや、私は確かにベッドの脇に眼鏡を置いたんだよ。それは間違いない。何故なら、眼鏡をわざわざ外して歩き回れるほど私の目は良くないからね」
少し自虐が混ざっていた。
「しかし、それが朝起きると見当たらなかった。これは、他の誰かが移動したとしか考えられないんだ」
「ーーもしかして、私を疑っていますか?」
妻は、少し責めるような声音で私に質問してくる。
私は、たじろぎながらも、自らの推理を話す。
「ーーさ、さっき、あの子が書斎をたずねてきてね、本を読んでくれというんだが、眼鏡がなかった私は、それを断ったんだ。すると、あの子は私に見せびらかすように、ワインレッドの眼鏡を見せてくれたよ。ーーそう、君が今かけている眼鏡をね」
「ーーそれが、なんだと? 確かにあの子が私の眼鏡を勝手に持っていきましたよ? そのせいで、しばらく不便してましたけど」
「そうかな? それにしては、いつも通りお茶を入れてくれたみたいだったけど?」
「⁉︎」
妻はたじろいだように視線を逸らす。
「それはーーな、慣れていますから」
「慣れていると言っても、扱うのは熱湯だよ? しっかり者の君が眼鏡もつけずにお茶を入れるなんて、そんな危険を犯すかな?」
少なくとも私にはこんなぼやけた視界でお茶を入れるなんて芸当は無理だ。
必ず、こぼして軽い火傷を負ってしまうだろう。
「それでも、君はお茶を入れてくれた。ーー何故か?」
「だ、だから、慣れているからと」
「違うな。ーー君は眼鏡をしていたんだよ!ーーそう、私のこの青いフレームの眼鏡をね‼︎」
「⁉︎」
妻は、身体の前に壁を作るように肩をかきいだく。
「朝起きた君は、いつもの場所に自分の眼鏡がないことに気づいた。そう、その時には、あの子が眼鏡を持って行ってしまっていたんだろう。このままでは、朝の仕事がつとまらない。そう考えた君は、ある悪魔的考えを持ってしまった。ーーそう、私の眼鏡があるじゃないかと!」
「っ!」
「私の眼鏡を無断で借りていたことに多少の罪悪感もあったんだろう。いつもは、お茶のおかわりを持ってきてくれるなんて、ほとんどないからね。君は眼鏡を探す僕の目の前で、私の眼鏡をかけながらお茶を入れてくれていたんだね。ーーすっかり騙されていたよ」
「そ、それは・・・・・・!ーーそうね。正解よ。私があなたの眼鏡を使っていたわ。朝、目が覚めたとき、いつもの場所になかった眼鏡を探す時間も、惜しかった。ーーわかるでしょ? 朝のあの時間がどれほど貴重か! あの数時間に一日のどれだけの価値があるか‼︎ しかたなかったのよ‼︎」
妻は、声を震わせてそうまくしたてる。
「あぁ、わかるさ。朝の時間は本当に貴重だ。私も休日の朝は新聞を読んで、クロスワードを解くのが日課だからね。ーーだけど、君は私からその朝の時間を奪ったんだ」
「っ⁉︎」
妻は、泣き崩れるように、その場に膝をついた。
「ごめんなさい。ーーわかっていたのに。あの恐怖を。眼鏡を失う恐怖を私も知っていたのに。あなたにそれを味わわせてしまった」
「ーーわかってくれればいいんだ。それに、私はこの眼鏡を無くしたんじゃなくてほっとしているんだ。ーーこれは、君との大切な思い出だからね」
「あなた・・・・・・」
私は、妻の目元を指で拭うとそっと抱き寄せる。そこへ、娘が書斎のドアを叩く。
「お母さーん! お腹すいたー!」
「ーーえぇ。そうね」
妻は気を取り直したように立ち上がる。
しかし、その笑顔はどこか怒っているように見えた。
「あ、あんまり、怒らないであげてね?」
書斎のドアを開けた娘は、妻の顔を見た瞬間、脱兎の如く逃げ出した。
「ーー嫌な事件だった」
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ご指摘の内容について、精査した結果について述べさせていただきます。
まず1点目。
老眼鏡を使用しているのなら、眼鏡に掛け替えると、手元が見づらいのではないかという点について。
老眼鏡にも遠近両用、近視用、遠視用、乱視用等いろいろあるのでどれをかけていたのかは読者の解釈に任せます。
次に2点目。
この物語の妻と夫は偶然にもPD(瞳孔間距離)やレンズの度数が同じだったのではないかと考えられます。
あくまで推測ですが、昔一緒に眼鏡を買いに行った際にその話で盛り上がり、お互いに親近感が湧いたりしたのではないかと思われます。
家族は似ると言いますが、この夫婦は生活習慣が似通っていたので、老眼の進行も同じように進んだのではないでしょうか。
ご指摘への回答は以上となりますが、ご納得頂けたでしょうか?
それでは、またのご感想お待ちしております。