世界終わろう委員会

初瀬四季[ハツセシキ]

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世界終わろう委員会

消失

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「「ずっと一緒にいられますように」」

 幾度も願うその願いを星達は聞き届けてくれたのだろうか。

 結局、この時間が終わりを迎える時まで、僕達がそれを知る術はない。

 それを知ってか知らずか、僕達は願い続ける。
 その時が来ませんようにーー僕達の世界に終わりの時が来ませんようにと。

 やがて、降る星々がまばらになった頃、

「やっぱり難しいですね」

 そう言って、隣にたたずむ少女の横顔を見る。

 尾張さんは、空を見上げながら、そうね。と呟いた。

 その姿は星々に照らされて幻想的なまでに綺麗だと思えた。

 尾張さんを通して見える周囲の景色は、水面に反射した星の光で照らされ、天の川の中に佇んでいるように錯覚させた。

 そう。その光景が錯覚であったならばどんなに良いか。

「尾張さん?」

 尾張さんの姿は、先程までとは明らかに違っていた。

 その面影が徐々にではあるが薄く透明になってきていた。

「尾張さん。体が」

「紀美丹君」

 尾張さんは空を見上げていた顔をこちらに向けて一言だけ呟いた。

「キスしましょうか」

 その表情は寂しげで、何かを悟ったように見えた。
 それを茶化すことは僕には出来なかった。

「僕は、嫌です。ファーストキスは、もっとちゃんとした、良い雰囲気の中でするって決めて」

 僕の台詞は、最後まで言い切ることは出来なかった。

「ごめんなさい。私には、もうその時間は残されてないみたい」

「尾張さんは本当に酷いです」

 僕のファーストキスは、僕の意思とは関係なく、唐突に奪われた。
 ただひとつの救いは、相手が好きな人だったことだろう。

「紀美丹君。椎堂さんとも仲良くね」

「なんですか、いきなり?」

 尾張さんは、微笑む。

「私がいなくなっても、ちゃんと毎日学校行くのよ?」

「僕が尾張さん目当てで学校行ってた、みたいに言わないでください」

 あながち間違いじゃないけど。

「私の後を追おうとか考えちゃダメだからね?」

「考えたことも、ないですよ」

 尾張さんの体が更に薄くなっていく。

「本当に泣き虫なんだから」

「泣いて、ないですよ」

 尾張さんの輪郭がぼやけていく。

「ずっと好きよ。紀美丹君」

 その言葉を残して、尾張さんの姿は僕の目の前から消えた。
 
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