世界終わろう委員会

初瀬四季[ハツセシキ]

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世界終わろう委員会

黒と銀 

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 そこにいたのは、黒い男だけではなかった。いつのまに現れたのか、十数人の男女が周囲には佇んでいた。

 黒い男は、転がる水城の死体を足でつつくと、

「うわーグロテスクな顔してんなぁ」

 っと、まるで虫の死骸でも見つけたような軽さで呟く。

「あなたに瓜二つの顔じゃない」

「ちょっと白雪さん? いくら、俺でも傷つくことはあるんですよ?」

 黒い男に、銀色の髪をした女性が話しかける。

「誰かを傷つけ続けた人間の顔はきっと、みんなこんな顔になるんでしょうね」

 そう、呟く女性に、

「いやー耳が痛い話ですね」

 と適当な返事をする黒い男。男の手には、赤黒い血がベッタリとこびりついたナイフが握られていた。
 
「なんで人ってこんな簡単に死ぬんだろうな?」

 黒い男は、こびりついた血を死体の服に擦り付け拭いながら呟く。

「あなたにもいつかわかるわ。人間になったとき」

「遠まわしに俺を人間から除外するのやめてね?」

 銀髪の女性は、不思議そうな顔をしながら、

「あら、あなた人間だったかしら?」

 と、疑問符を浮かべる。

「一応まだ人権を手放した覚えはないんでね」

「尊厳はかなぐり捨てているのにね」

 銀髪の女性がニッコリと笑いながら吐き捨てる。

「そっちもまだ捨てた覚えはないんだが・・・・・・」

 それに、苦笑いしながら男は答える。

「捨てているのは記憶の方だったかしら」
 
「むしろ、お前が記憶を捏造してないか?」

 呆れたようにやれやれと肩を竦める男に、

「それが出来たら苦労しないわよ」

 と不機嫌そうに女性が返すと、

「それもそうだな」

 と口の端を吊り上げて、男は歪に笑うのだった。





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