世界終わろう委員会

初瀬四季[ハツセシキ]

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世界終わろう委員会

殺してやりたい 

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 こいつが。この男が尾張さんを。殺した。
 不思議と感情が冷めていくのがわかった。手の痛みも脇腹の痛みもいつのまにか感じなくなっていた。

 左手を抑えていた右手で、脇腹に刺さっていたバタフライナイフの柄を掴み引き抜く。
 そして、それを水城の頬に向けて突き刺した。

「いってぇぇぇぇぇぇ‼︎?」

 油断していた水城は、追い詰めたと思っていた獲物の突然の反撃に、ナイフに込めていた力を緩め、左手で咄嗟に顔を覆う。

 バタフライナイフを引き抜く。
 それを水城の太腿に突き刺し捻る。
 バタフライナイフの柄はそれだけで折れてしまった。

「あがっ⁉︎ いっ‼︎‼︎⁈」

 水城が肉を引きちぎられる痛みに苦悶の声を上げる。

「ちっ」

 舌打ちして、他の武器を探す。
 空の瓶ビールが目に入る。先程、水城が僕に投げつけたもののようだ。掴んで水城の頭を横から殴りつける。
 ガラス片が砕け散る音と共に水城が横倒しになる。

 馬乗りになられていた身体を起こす。
 割れた瓶ビールの鋭利な割れ口を水城のナイフを握る右手に叩きつける。
 ゴリっと骨が削れるような音がした。

「いっぎぁあああっああ⁉︎!」

 水城の叫び声が路地裏に響く。
 道徳の授業で見たビデオに映っていた、屠殺される豚の声に似ているなぁ。と場違いにも考えていた。

 フラフラと立ち上がる。地面に落ちた、水城のナイフを拾おうとしてふらつく。

「あれ?」

 そのまま、前のめりに倒れる。何故だろう、身体が重い。

 そういえば、脇腹を刺されていたんだった。血が服をベタつかせて気持ち悪い。

 ジタバタと暴れていた水城が、立ち上がる。その目は殺意に染まっていた。

「ーーーーーーーーーー‼︎‼︎」

 何を言っているのかわからない怒声をあげながら、水城が左手にナイフを持って近づいてくる。

 うるさい。

 既に指の一本も動かせない身体で、それでも心の中で悪態をつく。

 こんな奴に、殺されてたまるか。こんな所で、尾張さんを殺した奴なんかに。

 睨みつける僕に、水城はナイフを振り下ろそうとして、何故かその動きを止める。

「?」

 水城の身体がビクンッと一度痙攣する。そして、そのまま崩れ落ちる。

「なぁ、あんた。まだ生きてたりする?」

 そこには、真っ黒な装束に身を包んだ、黒い男が立っていた。
 

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