世界終わろう委員会

初瀬四季[ハツセシキ]

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世界の終わりを君に捧ぐ

世界の終わりを君に捧ぐ 急 3

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 自爆テロのニュースが、日本のテレビで報じられてから数日が経った。
 久しぶりの休日ではあったが、素直にそれを満喫する気分にはなれなかった。

 いまだ、彼からの連絡はない。

 国外に行っている間、彼の連絡が途絶えるのはいつものことではある。
 そもそも彼は、そこまで頻繁に連絡をしてくる性格ではない。
 しかし今回は事情が違った。

「まさか、本当に巻き込まれたわけじゃないよね?」

 鳴らないスマホの画面を見つめていると、ついそんな呟きが口から溢れる。
 ありえないと否定してくれる誰かを求めるように。

 ティーパックをコップに入れ、ポットからお湯を注ぐ。

 湯気が立ち上り、冷え切った両手を温めるようにコップを包む。

 時計の針の音がやけに大きく響くアパートの一室に、インターホンの無機質な音が鳴り響く。

 まだ、口をつけていない紅茶を机に残して、玄関に向かう。

 ドアを開ける。ーーそこには、苦笑いを浮かべる青年と、微笑む少女の姿があった。

 普段着に身を包む女性は眼を大きく見開き、口元を押さえる。ーーやがて眼を潤ませながら、前に進み出る。

「紀美丹君!」

 そして、気まずそうに頬をかく青年に抱きつく。

「よかった。ニュースで邦人が自爆テロに巻き込まれたって言ってたから、紀美丹君たちが巻き込まれたんじゃないかと・・・・・・」

 青年は、微笑むとなにも言わずに女性を抱きしめる。

「紀美丹君?」

 それを見つめる少女は、薄く微笑むと、

「紀美丹君」

 と青年に声をかける。

 青年は、女性を一度抱きしめると、少女のほうへ向きなおる。

 これは、世界の終わりを望んだ少女と、世界の終わりを愛する人に捧げ続けた少年の、終わらない世界で綴られる物語。

 彼らの歩みは止まらない。
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