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魔法の訓練(2)
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翌朝も暗いうちに叩き起こされた。
「昨日は詠唱による発動だったが、今日は無詠唱の発動だ。やってみろ」
「……はい?」
「言葉に出さないで発動しろと言っておるのだ。その方が早い。相手に気付かれずにすむ。相手に気付かれれば防御の間を与えることになるだろ、だから戦いの場では無詠唱が基本だ」
「……はい」
——フェアライエ ……ミア ディー マハト……デン ベーゼン ディンゲン フォー ミア ツー フェアニヒテン……——
ドーーーーーーン。
発動成功。
その翌日も暗いうちから叩き起こされた。
「今日は防御魔法だ。一回しかやらないからよく見ておけ。ミヒ・フェアタイディゲン・ドゥルヒ・カフト・デス・シルトス!(盾の力により我を守れ!)」
するとイルザの前に光の魔法陣が現れた。
「よいか、無詠唱でやってみろ」
「はい」
すぐにエルンの前に小さな光の魔法陣が現れた。
「まあ、よい。最初にしては上出来だ。後は相手の攻撃より早く、そして強力であること。相手の攻撃はどこからくるかわからん。的確に防御するには研鑽あるのみ。今まで教えたことをひたすら繰り返すこと。毎朝、一〇〇回。研鑽を怠れば命はない。以上」
イルザの授業は三日で終わった。しかし、すごい収穫だった。
エルンはその日から毎朝、攻撃魔法一〇〇回、防御魔法一〇〇回を繰り返すのが日課となった。
朝からへとへとだ……
ガルディの大工の腕はなかなかのもので、半日もしないうちに馬小屋を作った。
しかも馬の扱いも堂に入っている。
「あの馬、上物だぞ。聞き分けもいい。肉にしなくてよかった」
「そうですか、馬の面倒はガルディさんに任せますから」
「しょうがねえな、頼まれてやる」
ガルディは満更ではなかった。
そんなやり取りをしているところへ大家のゼルマさんが様子を見に来た。
「あらあら、立派な馬小屋ね。いつの間に」
「すいません、勝手に作っちゃって」
エルンは恐縮して言った。
「いえ、構わないわよ。にぎやかになって嬉しいわ。ところであの赤いドレスの女性は誰かしら」
「ああ、あれはイルザさんです。いろいろなことを教えてもらったり仕事を手伝ってもらうことになりました」
「聞いてないわよ。調子に乗らないでね、そこのガキ」
イルザは不満顔。
「乱暴な方なのかしら」
ゼルマはちょっと不安な表情を見せた。
「そうじゃありません。照れ臭いだけですよね、イルザさん照れ症なんです」
イルザはフンと鼻を鳴らした。
「嫌ですか? じゃあここを出ますか? 出てもいいけど約束忘れないでくださいね」
「行きませんよ。行けませんよね怖くて……」
「昨日は詠唱による発動だったが、今日は無詠唱の発動だ。やってみろ」
「……はい?」
「言葉に出さないで発動しろと言っておるのだ。その方が早い。相手に気付かれずにすむ。相手に気付かれれば防御の間を与えることになるだろ、だから戦いの場では無詠唱が基本だ」
「……はい」
——フェアライエ ……ミア ディー マハト……デン ベーゼン ディンゲン フォー ミア ツー フェアニヒテン……——
ドーーーーーーン。
発動成功。
その翌日も暗いうちから叩き起こされた。
「今日は防御魔法だ。一回しかやらないからよく見ておけ。ミヒ・フェアタイディゲン・ドゥルヒ・カフト・デス・シルトス!(盾の力により我を守れ!)」
するとイルザの前に光の魔法陣が現れた。
「よいか、無詠唱でやってみろ」
「はい」
すぐにエルンの前に小さな光の魔法陣が現れた。
「まあ、よい。最初にしては上出来だ。後は相手の攻撃より早く、そして強力であること。相手の攻撃はどこからくるかわからん。的確に防御するには研鑽あるのみ。今まで教えたことをひたすら繰り返すこと。毎朝、一〇〇回。研鑽を怠れば命はない。以上」
イルザの授業は三日で終わった。しかし、すごい収穫だった。
エルンはその日から毎朝、攻撃魔法一〇〇回、防御魔法一〇〇回を繰り返すのが日課となった。
朝からへとへとだ……
ガルディの大工の腕はなかなかのもので、半日もしないうちに馬小屋を作った。
しかも馬の扱いも堂に入っている。
「あの馬、上物だぞ。聞き分けもいい。肉にしなくてよかった」
「そうですか、馬の面倒はガルディさんに任せますから」
「しょうがねえな、頼まれてやる」
ガルディは満更ではなかった。
そんなやり取りをしているところへ大家のゼルマさんが様子を見に来た。
「あらあら、立派な馬小屋ね。いつの間に」
「すいません、勝手に作っちゃって」
エルンは恐縮して言った。
「いえ、構わないわよ。にぎやかになって嬉しいわ。ところであの赤いドレスの女性は誰かしら」
「ああ、あれはイルザさんです。いろいろなことを教えてもらったり仕事を手伝ってもらうことになりました」
「聞いてないわよ。調子に乗らないでね、そこのガキ」
イルザは不満顔。
「乱暴な方なのかしら」
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「そうじゃありません。照れ臭いだけですよね、イルザさん照れ症なんです」
イルザはフンと鼻を鳴らした。
「嫌ですか? じゃあここを出ますか? 出てもいいけど約束忘れないでくださいね」
「行きませんよ。行けませんよね怖くて……」
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