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古魔道具屋オープン前日(1)
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馬と馬車を手に入れて正解だった。何度も行き来し、運んだ商品を店に並べ、準備を整えると『本日オープン、古魔道具 ガルディの店』と書かれた垂れ幕を出す。
ガルディもその垂れ幕を見て機嫌良さそうだ。
「上出来だ」
「でも、そんなところでそんな怖い顔で立ってられたら、お客さん寄り付かないよ」
ガルディは入り口で王立ち。
その言葉でようやくガルディは店の中へと引っ込んだ。
この場所は比較的人通りの多い場所で、周辺にも人気のある店が多い。
にもかかわらず一向に客が寄り付かない。
半日過ぎてもまだ一人の客も入らない。
そして夕方になっても客はなかった。
結局、初日は一人の客も入らなかった。
「古道具屋というのは胡散臭い店が多いからな。みんなその類と思ってるんだろ」とイルザ。
「何言ってやがる。うちの商品はエルンが最高の魔法で修理した一級品だ。誰だ、そんなこという奴は」
「そう思われてるかもしれないってことですよ」
「じゃあ、どうすればいいんだ。このままじゃ給料もらえねえじゃねえか」とガルディが顔を顰めた。
「宣伝するのよ。うちの商品は、他の店とは違いますって」
「どうやって?」
「チラシを作って配るのよ」
「チラシってどうやって作るんですか」
この世界ではどのようにして作るのかエルンにはわからなかった。
「そんなの簡単じゃない。印刷機で刷るのよ。中古の印刷機なら探せばいくらでもあるわよ」
この世界でももうそのような技術はあるんだとエルンはちょっと驚いた。
翌日、朝。
「じゃあ、僕、印刷機を探してきます」
「私もついて行ってあげるわ。エルンだけだと足元見られるから」とイルザ。
「じゃあ、ガルディさん店番お願いしますね」
「俺は留守番か」
「留守番じゃないです。店番です。店長」
どこで手に入るかイルザに聞くと「古道具屋ね」とあっさり。
確かにそうだ。ついでに他の店がどんな売り方をしているのか偵察してこようと思った。
「えっ、誰?」
いつの間にか横を歩いていたイルザが少女になってる。
「私だよ、イルザ」
「えっ、姿を変えられるの?」
「こんなこと簡単よ。エルンのお供にはこれくらいの少女がちょうどいいでしょ」
エルンは「なるほど」と思った。
三軒ほど回って手ごろな印刷機を見つけた。
「これはいくらですか?」
すると、店主はエルンの姿を見て値段を言った。
「そうだな、三万五千デリラだな」
少々高い気がする。これだったら二万五千デリラでいいんじゃないかとエルンは思った。
エルンが子供だから吹っ掛けているのだろうか。
「高いよ」
「そうよ、高いよ。私たちが子供だからって吹っ掛けないでよね、おじさん」
イルザはストレートだ。
「これは上物だよ。部品、活字もすべてそろってるし、三カ月の保証も付けてるし」
——保証か、その手があったね——
「でも、相当古そうだよ」
店主は考える振りをする。
「そうだな、じゃあ、三万でどうだ?」
「二万八千にしてよ。おじさんお願い」とイルザが手を合わせて懇願。
「しょうがねえな。そんな目で見られちゃ敵わねえな、おじちゃん」
イルザが言うと効果覿面だ。
——スケベおやじが——
しかし、この時期の出費は痛い。だが、そこで売るためによい方法を見つけた。
この世界の店ではまだ店主が説明し、客を見て値段を付けるという売り方をしている。
だったら、エルンは、前世の販売手法を試みてみようと思った。
各商品にPOPを付けるのだ。商品の値段、説明、保証を書いて付けておく。
そうすればいちいち説明しなくても、値段を聞かれなくてもいいわけで、ガルディにも安心して店番を任せられるというものだ。
ガルディもその垂れ幕を見て機嫌良さそうだ。
「上出来だ」
「でも、そんなところでそんな怖い顔で立ってられたら、お客さん寄り付かないよ」
ガルディは入り口で王立ち。
その言葉でようやくガルディは店の中へと引っ込んだ。
この場所は比較的人通りの多い場所で、周辺にも人気のある店が多い。
にもかかわらず一向に客が寄り付かない。
半日過ぎてもまだ一人の客も入らない。
そして夕方になっても客はなかった。
結局、初日は一人の客も入らなかった。
「古道具屋というのは胡散臭い店が多いからな。みんなその類と思ってるんだろ」とイルザ。
「何言ってやがる。うちの商品はエルンが最高の魔法で修理した一級品だ。誰だ、そんなこという奴は」
「そう思われてるかもしれないってことですよ」
「じゃあ、どうすればいいんだ。このままじゃ給料もらえねえじゃねえか」とガルディが顔を顰めた。
「宣伝するのよ。うちの商品は、他の店とは違いますって」
「どうやって?」
「チラシを作って配るのよ」
「チラシってどうやって作るんですか」
この世界ではどのようにして作るのかエルンにはわからなかった。
「そんなの簡単じゃない。印刷機で刷るのよ。中古の印刷機なら探せばいくらでもあるわよ」
この世界でももうそのような技術はあるんだとエルンはちょっと驚いた。
翌日、朝。
「じゃあ、僕、印刷機を探してきます」
「私もついて行ってあげるわ。エルンだけだと足元見られるから」とイルザ。
「じゃあ、ガルディさん店番お願いしますね」
「俺は留守番か」
「留守番じゃないです。店番です。店長」
どこで手に入るかイルザに聞くと「古道具屋ね」とあっさり。
確かにそうだ。ついでに他の店がどんな売り方をしているのか偵察してこようと思った。
「えっ、誰?」
いつの間にか横を歩いていたイルザが少女になってる。
「私だよ、イルザ」
「えっ、姿を変えられるの?」
「こんなこと簡単よ。エルンのお供にはこれくらいの少女がちょうどいいでしょ」
エルンは「なるほど」と思った。
三軒ほど回って手ごろな印刷機を見つけた。
「これはいくらですか?」
すると、店主はエルンの姿を見て値段を言った。
「そうだな、三万五千デリラだな」
少々高い気がする。これだったら二万五千デリラでいいんじゃないかとエルンは思った。
エルンが子供だから吹っ掛けているのだろうか。
「高いよ」
「そうよ、高いよ。私たちが子供だからって吹っ掛けないでよね、おじさん」
イルザはストレートだ。
「これは上物だよ。部品、活字もすべてそろってるし、三カ月の保証も付けてるし」
——保証か、その手があったね——
「でも、相当古そうだよ」
店主は考える振りをする。
「そうだな、じゃあ、三万でどうだ?」
「二万八千にしてよ。おじさんお願い」とイルザが手を合わせて懇願。
「しょうがねえな。そんな目で見られちゃ敵わねえな、おじちゃん」
イルザが言うと効果覿面だ。
——スケベおやじが——
しかし、この時期の出費は痛い。だが、そこで売るためによい方法を見つけた。
この世界の店ではまだ店主が説明し、客を見て値段を付けるという売り方をしている。
だったら、エルンは、前世の販売手法を試みてみようと思った。
各商品にPOPを付けるのだ。商品の値段、説明、保証を書いて付けておく。
そうすればいちいち説明しなくても、値段を聞かれなくてもいいわけで、ガルディにも安心して店番を任せられるというものだ。
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