9 / 82
シリウスの話
しおりを挟む
最初にアイツに感じたのは、とてもいいにおいがする奴だと思った。
城の貴重な部屋には当然護衛を置いている。
レオナルドは俺の部屋の前にも護衛を置くと言っていたが、断った。
護衛なんていらない、この部屋が誰の部屋か分からないわけがない。
鈍感な魔物でさえ、俺の魔力の気配に敏感に反応する。
だから俺の部屋には誰も近付きさせない。
他人が部屋にいると、気が散って仕方ない。
そんな俺の部屋にやってきた命知らずがいた。
眉を寄せて、ドアの向こう側から滑り込んできた男に近付いた。
……いいにおいがした、こんなにおいの奴を知らない。
甘いような、頭を揺さぶる誘惑的なにおい…淫魔でさえこんなにおいをしている奴はいない。
そして、俺が近付いて最初は怯えていたのに…急に強気な態度になるこの者にとても興味が惹かれる。
鼻をツンとくすぐるにおいを感じた、とても微かなもので近くでにおいを嗅いでいる俺だから気付いた。
これは人間のにおいを消す薬品だ、人間のにおいが嫌いな魔物もいてそのために開発されたものだ。
人間を食べるために……
この城では人間を喰らう事は禁止している、吐き気がする。
だから城の倉庫に薬品があっても、人間を食うために使われた事はない。
人間のにおいを消す薬品のせいで、このにおいが微かに消えているのはもったいない。
しかし、魔物がこの薬品を使ってもにおいは出ない筈だ……魔物に無害の魔薬草と言われている材料を使っているから魔物には反応しない。
反応するのは、本来の使い方である…人間に使った場合だ。
だとすると、コイツは…人間か?
まさか、人間がこの部屋…いや、この部屋にやって来るのは初めてだ。
人間が嫌いだったのに、気付いたら俺はこの男を欲していた。
元々性欲が薄かった…処理する程度にいろんな女を抱いていた。
でも、自分の意思で欲望を注ぎ込んだのは初めてだった……もう俺は取り返しがつかなくなった。
人間に囚われるなんて、想像すらしなかった。
人間とは脆い生き物だ、抱き潰してしまい……気付いたら人間は動かなかった。
生きているか確認すると、ちゃんと心臓は動いていた。
随分タフな人間なんだな、あんなにされてまだ生きているなんて…
殺すつもりはなかったが、素直に感心していた。
しかも、起きたと思ったら大きな声を出すほど元気だなんてますます面白い人間だ。
しかも服を欲しがるとは…そのままでもいいと思うが…
あんなに快楽を植え付けたんだ、もう俺なしでは生きていけないだろ?
でも、服を着せて良かったと今分かる。
レオナルドが突然入ってきて、まず最初に思ったのは自分のものの裸を他人に見せる事は不快な事だと思った。
この嫌な感じはどういう感情なのか、今まで感じた事がなくて分からない。
レオナルドは薬品のにおいに気付かず、人間を悪魔だと勘違いしていた。
人間が俺の部屋にいたら、レオナルドが発狂するだろうから悪魔だと思わせておけばいい。
……しかし、いくら長年共にいるレオナルドとはいえ…この人間を殺す事は許さない。
レオナルドを威圧で従わせて、人間を見つめる。
そうだ、その瞳は俺だけに向けていればいい。
双子の悪魔、リドルとクルルが慌てた様子でやって来た。
レオナルドは叱っていたが、お前も同じ事をしていたと思うが…
それはどうでもいいのは、問題は人間を捕まえた事だ。
一瞬、この人間かと思ったがこの人間はここに居るから違う人間だろう。
城のすぐ傍にある広場で公開処刑をするらしい。
そして、処刑をした人間の末路は……食べる事だろう。
俺達城に住む魔物以外の魔物はゲテモノを食べる。
だから仲間だと思った事はない、同じ魔物でも勝手な事をする魔物は俺がこの手で殺す。
広場の前にやって来て、木に縛られた人間が見えた。
解体ショーと言って盛り上がる魔物達を見て眉を寄せる。
こんなところで汚れた人間の血を流す気か…
「若様、どうしますか?」
「愚問だな」
腰に下げている剣に手を掛けて、レオナルドも大剣を構える。
しかし、異変を感じてすぐにレオナルドを止めた。
次の瞬間、矢が飛んできて奇襲だと騒ぎ立てる。
バルコニーに誰がいるのか皆気付いていなかったが、俺には分かった。
そして槍を振り回すその姿を見て、驚いた。
あの人間が戦っている……俺達が居なくなってもしかしたら逃げ出すと思ったのに、捕まった人間を助けに来た。
「コイツだよ!僕が見た人間!」
フェザーが大きな声を出して、あの人間を指差していた。
俺以外にも知っている奴がいたのか…
それなら尚更この場に来るべきではなかっただろう。
なのに、自分の身より他人…か…人間にしてはかなり特殊だ。
俺はいろんな人間を見てきた、自分だけが助かるために家族や友人を差し出す人間達を…
さすがにこの人数では相手にするのは大変か…なら、少しだけ手助けしよう。
しかし、ここで剣を抜けば余計な騒ぎになる。
騒ぎに紛れてあの人間が死んでしまうかもしれない。
だったら、一番確実な方法…逃げる道を作る事だ。
小さな丸い光を手のひらに出現させて、息を吹きかける。
ただの目眩しだが、暗がりにいる魔物にはとても効果がある。
目を押さえて苦しむ声が聞こえた。
明るいところで住む人間には対して効果はないだろう。
本当はもっと魔力を込めて目を潰す効果があるが、人間にも危害が加わるから最小限に抑えた。
光がなくなり、人間はこの魔界から居なくなった。
騒ぐ魔物達に背を向けて、ふふっと笑う。
本当に、面白い人間だな。
「あの男、まさか人間だとは…おのれ、よくも若様を騙しおって!!」
「騙されてはいない」
「今度会ったら切り刻んでくれよう」
レオナルドは俺の話を聞いていなくて、怒りながら歩いていった。
レオナルドには後で言い聞かせておかなくてはな。
俺のものだ…と。
城の貴重な部屋には当然護衛を置いている。
レオナルドは俺の部屋の前にも護衛を置くと言っていたが、断った。
護衛なんていらない、この部屋が誰の部屋か分からないわけがない。
鈍感な魔物でさえ、俺の魔力の気配に敏感に反応する。
だから俺の部屋には誰も近付きさせない。
他人が部屋にいると、気が散って仕方ない。
そんな俺の部屋にやってきた命知らずがいた。
眉を寄せて、ドアの向こう側から滑り込んできた男に近付いた。
……いいにおいがした、こんなにおいの奴を知らない。
甘いような、頭を揺さぶる誘惑的なにおい…淫魔でさえこんなにおいをしている奴はいない。
そして、俺が近付いて最初は怯えていたのに…急に強気な態度になるこの者にとても興味が惹かれる。
鼻をツンとくすぐるにおいを感じた、とても微かなもので近くでにおいを嗅いでいる俺だから気付いた。
これは人間のにおいを消す薬品だ、人間のにおいが嫌いな魔物もいてそのために開発されたものだ。
人間を食べるために……
この城では人間を喰らう事は禁止している、吐き気がする。
だから城の倉庫に薬品があっても、人間を食うために使われた事はない。
人間のにおいを消す薬品のせいで、このにおいが微かに消えているのはもったいない。
しかし、魔物がこの薬品を使ってもにおいは出ない筈だ……魔物に無害の魔薬草と言われている材料を使っているから魔物には反応しない。
反応するのは、本来の使い方である…人間に使った場合だ。
だとすると、コイツは…人間か?
まさか、人間がこの部屋…いや、この部屋にやって来るのは初めてだ。
人間が嫌いだったのに、気付いたら俺はこの男を欲していた。
元々性欲が薄かった…処理する程度にいろんな女を抱いていた。
でも、自分の意思で欲望を注ぎ込んだのは初めてだった……もう俺は取り返しがつかなくなった。
人間に囚われるなんて、想像すらしなかった。
人間とは脆い生き物だ、抱き潰してしまい……気付いたら人間は動かなかった。
生きているか確認すると、ちゃんと心臓は動いていた。
随分タフな人間なんだな、あんなにされてまだ生きているなんて…
殺すつもりはなかったが、素直に感心していた。
しかも、起きたと思ったら大きな声を出すほど元気だなんてますます面白い人間だ。
しかも服を欲しがるとは…そのままでもいいと思うが…
あんなに快楽を植え付けたんだ、もう俺なしでは生きていけないだろ?
でも、服を着せて良かったと今分かる。
レオナルドが突然入ってきて、まず最初に思ったのは自分のものの裸を他人に見せる事は不快な事だと思った。
この嫌な感じはどういう感情なのか、今まで感じた事がなくて分からない。
レオナルドは薬品のにおいに気付かず、人間を悪魔だと勘違いしていた。
人間が俺の部屋にいたら、レオナルドが発狂するだろうから悪魔だと思わせておけばいい。
……しかし、いくら長年共にいるレオナルドとはいえ…この人間を殺す事は許さない。
レオナルドを威圧で従わせて、人間を見つめる。
そうだ、その瞳は俺だけに向けていればいい。
双子の悪魔、リドルとクルルが慌てた様子でやって来た。
レオナルドは叱っていたが、お前も同じ事をしていたと思うが…
それはどうでもいいのは、問題は人間を捕まえた事だ。
一瞬、この人間かと思ったがこの人間はここに居るから違う人間だろう。
城のすぐ傍にある広場で公開処刑をするらしい。
そして、処刑をした人間の末路は……食べる事だろう。
俺達城に住む魔物以外の魔物はゲテモノを食べる。
だから仲間だと思った事はない、同じ魔物でも勝手な事をする魔物は俺がこの手で殺す。
広場の前にやって来て、木に縛られた人間が見えた。
解体ショーと言って盛り上がる魔物達を見て眉を寄せる。
こんなところで汚れた人間の血を流す気か…
「若様、どうしますか?」
「愚問だな」
腰に下げている剣に手を掛けて、レオナルドも大剣を構える。
しかし、異変を感じてすぐにレオナルドを止めた。
次の瞬間、矢が飛んできて奇襲だと騒ぎ立てる。
バルコニーに誰がいるのか皆気付いていなかったが、俺には分かった。
そして槍を振り回すその姿を見て、驚いた。
あの人間が戦っている……俺達が居なくなってもしかしたら逃げ出すと思ったのに、捕まった人間を助けに来た。
「コイツだよ!僕が見た人間!」
フェザーが大きな声を出して、あの人間を指差していた。
俺以外にも知っている奴がいたのか…
それなら尚更この場に来るべきではなかっただろう。
なのに、自分の身より他人…か…人間にしてはかなり特殊だ。
俺はいろんな人間を見てきた、自分だけが助かるために家族や友人を差し出す人間達を…
さすがにこの人数では相手にするのは大変か…なら、少しだけ手助けしよう。
しかし、ここで剣を抜けば余計な騒ぎになる。
騒ぎに紛れてあの人間が死んでしまうかもしれない。
だったら、一番確実な方法…逃げる道を作る事だ。
小さな丸い光を手のひらに出現させて、息を吹きかける。
ただの目眩しだが、暗がりにいる魔物にはとても効果がある。
目を押さえて苦しむ声が聞こえた。
明るいところで住む人間には対して効果はないだろう。
本当はもっと魔力を込めて目を潰す効果があるが、人間にも危害が加わるから最小限に抑えた。
光がなくなり、人間はこの魔界から居なくなった。
騒ぐ魔物達に背を向けて、ふふっと笑う。
本当に、面白い人間だな。
「あの男、まさか人間だとは…おのれ、よくも若様を騙しおって!!」
「騙されてはいない」
「今度会ったら切り刻んでくれよう」
レオナルドは俺の話を聞いていなくて、怒りながら歩いていった。
レオナルドには後で言い聞かせておかなくてはな。
俺のものだ…と。
87
あなたにおすすめの小説
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
「隠れ有能主人公が勇者パーティから追放される話」(作者:オレ)の無能勇者に転生しました
湖町はの
BL
バスの事故で亡くなった高校生、赤谷蓮。
蓮は自らの理想を詰め込んだ“追放もの“の自作小説『勇者パーティーから追放された俺はチートスキル【皇帝】で全てを手に入れる〜後悔してももう遅い〜』の世界に転生していた。
だが、蓮が転生したのは自分の名前を付けた“隠れチート主人公“グレンではなく、グレンを追放する“無能勇者“ベルンハルト。
しかもなぜかグレンがベルンハルトに執着していて……。
「好きです。命に変えても貴方を守ります。だから、これから先の未来も、ずっと貴方の傍にいさせて」
――オレが書いてたのはBLじゃないんですけど⁈
__________
追放ものチート主人公×当て馬勇者のラブコメ
一部暗いシーンがありますが基本的には頭ゆるゆる
(主人公たちの倫理観もけっこうゆるゆるです)
※R成分薄めです
__________
小説家になろう(ムーンライトノベルズ)にも掲載中です
o,+:。☆.*・+。
お気に入り、ハート、エール、コメントとても嬉しいです\( ´ω` )/
ありがとうございます!!
BL大賞ありがとうございましたm(_ _)m
不遇の第七王子は愛され不慣れで困惑気味です
新川はじめ
BL
国王とシスターの間に生まれたフィル・ディーンテ。五歳で母を亡くし第七王子として王宮へ迎え入れられたのだが、そこは針の筵だった。唯一優しくしてくれたのは王太子である兄セガールとその友人オーティスで、二人の存在が幼いフィルにとって心の支えだった。
フィルが十八歳になった頃、王宮内で生霊事件が発生。セガールの寝所に夜な夜な現れる生霊を退治するため、彼と容姿のよく似たフィルが囮になることに。指揮を取るのは大魔法師になったオーティスで「生霊が現れたら直ちに捉えます」と言ってたはずなのに何やら様子がおかしい。
生霊はベッドに潜り込んでお触りを始めるし。想い人のオーティスはなぜか黙ってガン見してるし。どうしちゃったの、話が違うじゃん!頼むからしっかりしてくれよぉー!
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる