6 / 6
1章
もう一つの出会い
しおりを挟む皇太子達が庵のことを迎えに向かい始めたその頃の庵とヨゾラはと言うと........
「ねぇ、ヨゾラ。これから向かう貴方の守護する国ってどういう所なの??」
『えっとね.........ラクトゥマ帝国って言って、とても優しい人達......さっきいたの国の人みたいではないけれど、多くの獣人達が暮らしているんだよ。』
「まぁ!獣人さん達が暮らしているのね!!
ちなみに、どんな獣人さん達がいるの?」
『そうだなぁ.........ラクトゥマ帝国の頂点に立つ皇族達が、竜族か始祖竜の先祖返りのどちらか。今の皇帝陛下は、竜族だけど.........その息子で次期皇帝の皇太子くんは確か、先祖返りだったと思うよ。結構イケメンだから、庵が嫌じゃなければ紹介するよ?』
「う、うん。ヨゾラが紹介するほどの人なら.....お願いしよっかな。」
『そうこなくっちゃ!
それで話を戻すけど.......
皇族は、代々竜族の一族が務めることになっているけれど、その他は人間とほとんど同じかな。住んでいる種族は、主に牙狼族、白虎族、白狐族、羊族、蛇族くらいかな。
あ、あとは魔族達がいるかな?
ちなみに、庵が元いた国だと魔族ってどんな印象だった?』
「そうね.........本物は見たこともないけれど、異世界系のアニメとかだと、少し怖いイメージかな?
私が読んでた作品は、人を喰らったり殺したりっていうのが多かったから.........」
『.........そうだよね。やっばり皆第一印象は、そう考えるよね。本当は、心優しい人ばっかりなんだけどな.…………
でも、魔族や獣人達がいないなんて、庵はどんな世界にいたの?』
「えっとね.........この世界はまだ少ししか見てないからあまり分からないけれど、多分この世界よりも文明が、とても発達していると思う。
でも、この世界よりも欲望とか.........そう、色々と渦巻いていて多分、ヨゾラ達では住みにくいかもしれないな.........
だから、ヨゾラには行って欲しくない。」
『文明が.......そっか.........一度だけでも庵の住んでいた世界を実際に見たかったけれど、やっぱりやめておくよ。
庵が、そんなにも拒否するんだからなにか理由があるんでしょう?』
「.........うん。私は、ほんの少しだけど人のオーラを見ることができるんだけど、あっちの世界は、優しい人もいるけれど、ほとんど心が醜い人ばっかりで自分のことしか考えてないの.........
だから、ヨゾラが行ってしまったら二度と帰ってくることが出来ないかもしれないっと考えちゃって.........」
『.........そんな世界に住んでいて、庵は辛くはなかったの?』
「辛かったよ。死にたかったし、死なせて欲しかった。
だって、学校に行く度に嫌味や文句を言われるし、もう本当に辛くて、辛くて.........
だから、今回の召喚はある意味私にとって、救いだったんだよ。
あちらの世界にはもう二度と戻りたくないって思うよ。」
『.........そっか.....
!!!
ねぇ、庵。あそこにいるのって.........』
「!!
わぁ!綺麗なドラゴンじゃない!
あ、待って.........あのドラゴン怪我をしているわ!はやく治してあげなきゃ!」
『そうだね!(この幼体のドラゴンどこかで見たような気がするな.........でも、俺が帝国の住む者たち全員のことを知らないわけないんだがな.........)』
『キュウゥー……』
ドラゴンの小竜.........いや、古龍は力なく声をあげた。
「待っててね!すぐになおしてあげるから!
『聖神治癒』」
庵の持つ膨大な魔力によって、古龍の傷は幸いすぐに消えていった。
『キュウゥー!!』
すると今度は、元気そうな声をあげると、庵にすり寄ってきた。
「!!!
な、な、何この子~!!!めっちゃ可愛いんですけど!!
ヨゾラ、この子どうしたらいいかな?
ついて、歩いてくるんだけど.........」
『.........それは、仕方ないね。
どちらにせよ、これから帝国に行くから、一緒に連れて行ってあげればいいと思うよ。
もしかしたら、その古龍のことも分かるだろうし.........』
「うん。そうだね!!
それじゃあ~再び、ラクトゥマ帝国へ向けて出発~!!」
_________
二つ目の出会いは、ドラゴン(古龍)でした!
次回は、一人の女の子に出会います!
その女の子は、話の鍵を握っています!
楽しみにしていてください。
また、遅い更新により、読者の皆様をお待たせしてしまい、ごめんなさい.........
どうか、これからも応援してくださると嬉しいです。
天音 翔
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(6件)
あなたにおすすめの小説
【完結】そうは聖女が許さない〜魔女だと追放された伝説の聖女、神獣フェンリルとスローライフを送りたい……けど【聖水チート】で世界を浄化する〜
阿納あざみ
ファンタジー
光輝くの玉座に座るのは、嘘で塗り固められた偽りの救世主。
辺境の地に追いやられたのは、『国崩しの魔女』の烙印を押された、本物の奇跡。
滅びゆく王国に召喚されたのは、二人の女子高生。
一人は、そのカリスマ性で人々を魅了するクラスの女王。
もう一人は、その影で虐げられてきた私。
偽りの救世主は、巧みな嘘で王国の実権を掌握すると、私に宿る“本当の力”を恐れるがゆえに大罪を着せ、瘴気の魔獣が跋扈する禁忌の地――辺境へと追放した。
だが、全てを失った絶望の地でこそ、物語は真の幕を開けるのだった。
△▼△▼△▼△▼△
女性HOTランキング5位ありがとうございます!
聖女なんかじゃありません!~異世界で介護始めたらなぜか伯爵様に愛でられてます~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
川で溺れていた猫を助けようとして飛び込屋敷に連れていかれる。それから私は、魔物と戦い手足を失った寝たきりの伯爵様の世話人になることに。気難しい伯爵様に手を焼きつつもQOLを上げるために努力する私。
そんな私に伯爵様の主治医がプロポーズしてきたりと、突然のモテ期が到来?
エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。
私が偽聖女ですって? そもそも聖女なんて名乗ってないわよ!
Mag_Mel
恋愛
「聖女」として国を支えてきたミレイユは、突如現れた"真の聖女"にその座を奪われ、「偽聖女」として王子との婚約破棄を言い渡される。だが当の本人は――「やっとお役御免!」とばかりに、清々しい笑顔を浮かべていた。
なにせ彼女は、異世界からやってきた強大な魔力を持つ『魔女』にすぎないのだから。自ら聖女を名乗った覚えなど、一度たりともない。
そんな彼女に振り回されながらも、ひたむきに寄り添い続けた一人の少年。投獄されたミレイユと共に、ふたりが見届けた国の末路とは――?
*小説家になろうにも投稿しています
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!
夏芽みかん
ファンタジー
生まれながらに強大な魔力を持ち、聖女として大神殿に閉じ込められてきたレイラ。
けれど王太子に「身元不明だから」と婚約を破棄され、あっさり国外追放されてしまう。
「……え、もうお肉食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?」
追放の道中出会った剣士ステファンと狼男ライガに拾われ、冒険者デビュー。おいしいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。
一方、魔物が出るようになった王国では大司教がレイラの回収を画策。レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。
※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。
【2025.09.02 全体的にリライトしたものを、再度公開いたします。】
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
【完結】偽物聖女として追放される予定ですが、続編の知識を活かして仕返しします
ユユ
ファンタジー
聖女と認定され 王子妃になったのに
11年後、もう一人 聖女認定された。
王子は同じ聖女なら美人がいいと
元の聖女を偽物として追放した。
後に二人に天罰が降る。
これが この体に入る前の世界で読んだ
Web小説の本編。
だけど、読者からの激しいクレームに遭い
救済続編が書かれた。
その激しいクレームを入れた
読者の一人が私だった。
異世界の追放予定の聖女の中に
入り込んだ私は小説の知識を
活用して対策をした。
大人しく追放なんてさせない!
* 作り話です。
* 長くはしないつもりなのでサクサクいきます。
* 短編にしましたが、うっかり長くなったらごめんなさい。
* 掲載は3日に一度。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
この創造神に幸あれ( TДT)
penpen様
創造神様可哀想ですよね*(⌯꒦ິ̆ᵔ꒦ິ)*ᵎᵎᵎ
この後、創造神様には幸があるでしょう(๑•̀ㅁ•́ฅ✧
それまで、耐えてください.........創造神様(๑و•̀ω•́)و ファイト!
これからもよろしくお願いします!
penpen様
このお話に関係ない個人的なことなので、一応ネタバレ有りにさせていただきました(*ơᴗơ)
残念ながら、Twitterはやってないですね..........
やり方とかが分からなくて.....
ただ、LINEはやってますよΣd(・ω・*)
ロゴで国崩壊ともふもふと聖女と溺愛とざまあとバカ王子追加で(/▽\)♪
penpen様、誤字報告ありがとうございます٩(๑>∀<๑)۶
すぐ、訂正させていただきました!
モフモフ最高ですよね!!(b`>▽<´)-bイエーイ☆゛
モフモフ・聖女・溺愛・ざまぁ・バカ王子・国崩壊ですね!追加しておきました!Σd(・ω・*)
これからもよろしくお願いします!