死を取り扱う精霊の物語

Spitfire

文字の大きさ
5 / 7
2 翼を持つこと

2-2 はちみつと、死者と泡の宴

しおりを挟む

 俺は気がつくと木造の寮にある、一室に運ばれた。
「……ふふーん」
泡の子ラフィはドヤ顔気味のまま、俺を椅子に座らせて、待たせる。
その間、ラフィは俺の周りを回ったりしたり、何故か俺をジロジロ見たりしては「なんかベクターらしくない」と言い、ぺしぺしとしっぽで俺の顔、特に左おでこら辺を叩く。
……何かあるのかよ。
そんなことをしていると、玄関扉がガチャりと開かれ、大きな何かが入ってくる。
「お、ラフィ帰ってたのか」
玄関から現れたのは180センチはゆうに超えてる大男だ(日本人的に)。
金髪の長髪で、雰囲気はソシャゲのちょっと雑談が多そうな医者を思わせる。
黄色やクリーム色、薄いオレンジなどの温色で整えられた美青年の大男は、ラフィを抱きしめ、笑顔を作る。
90センチほどのラフィは彼と比べて半分しかないので、見てる者からしたらぬいぐるみと持ち主のような感じに見える。
そんな事をちょっとした後、大男は僕の方を見る。
「君は?」
ラフィを抱きしめたまま、僕に問いかける大男。
「……ベクター、死の精霊だ……あなたは」
一瞬、お前と言いそうになったが、ここはこらえておく。
「ベクターくんね……っと僕はメル、ラフィと同居してる者だよ」
……つまり彼らは2人で寮に暮らす者か。
「……なるほど、よろしくお願い致します、メルさん」
「固くならなくていいよ、ベクターくん」
明るい服に似合うふっくらな笑みを浮かべ、俺に肩の力を抜くように言う。
正直、こういう奴とはあまり話したことがなかったので、対応が慣れない。
子供の頃にやっとけば良かったな。
……そんなことをふと思っている中、俺は何か体を誘う何かを感じ取る。
「この匂いは」
間違いがなかった。この匂いは、ラフィの時にも匂った蜂蜜だ。
そんな顔する俺を見るラフィは、「おっ」と言いたそうな顔をしながらメルに何かを話す。
メルはなるほどと、小さく頷くと。
「君、はちみつが好きなんだね」
っと、優しく言う。
「あ、はい」
軽く頷き。自分が昔、蜂蜜が好きだったことを伝える。
「へぇ、そうだったのか……なるほどねぇ」
うんうんと首を縦に降り、メルは僕を改めて見る。
「はちみつが好きなら、今度ラフィにまたはちみつの匂いを付けるから、お風呂の時使ってあげたらいいさ」
……それを聞いた途端、目がメルとラフィをガッツリ見てしまう。
2人はにっこりとしたまま僕を見る。
「いいんですか?」
聞き直す。
「いいよ」
「うん、いいよぉ」
2人はにっこりとして許可する。
嬉しかった。
「嬉しそうだね」
メルは俺の心を読むように、そういう。
「……っな」
何故それを……
「……君、意外としっぽに出てるから」
しっぽ……?
俺はふと、後ろを見る。
後ろには、横にテンポよく振るしっぽがあったのだ。
「あ……ぁぁぁ!?」
驚きと共に僕は後退る……その時、ガタリと物にあたり……。
「……っあ、危ない!?」
メルはその状態に手を向けようとするも、遅かったのだろう……。
その時、俺は気を失ったのだ。


「ベクター……」
その聞きなれたラフィの声に僕は目を覚ます。
「……んん」
重い瞼を開け、室内の光が僕目に入り込んでいく。
「お、起きたかベクターくん」
……青年の声と共に、金髪の男が僕の目に映る。
「君、壁にぶつかって、物にあたって気絶してたよ」
……へ?
一瞬、僕は頭がこんがらがった気がしたが。どうでもよかった。
「そうなんですね」
とりあえず僕は青年とラフィは感謝をした。
2人はいえいえと、言い、礼をしなくてもいいよといった。
「……そういえば」
「なんだい?」
僕は青年を見て、ふと思ったことを言う。
「あなたは誰なのですか?」

その後、ちょっと言い争いにな軽くなった
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。

しげむろ ゆうき
恋愛
 男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない  そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった 全五話 ※ホラー無し

真実の愛を見つけたとおっしゃるので

あんど もあ
ファンタジー
貴族学院のお昼休みに突然始まった婚約破棄劇。 「真実の愛を見つけた」と言う婚約者にレイチェルは反撃する。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

義務ですもの。

あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。

処理中です...