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丘の上のお姫様~姫島皐月の場合~ 1
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坂の上の喫茶店「坂の上」に、今日は珍しいお客がきていた。
「あら、こちらにはコピー・ルアクは、置いてないの⁉」
「すみません、一般の普通の店ではチョッと...そんな高級品豆は扱ってないんです。」
「それなら、コナコーヒは?」
「コナですか?...見かけたら買って用意しておきますね。」
「仕方ないわね、何がお薦めですの?」
「ブレンドですね」
「じゃあ、それでいいわ。あと、次に来るときは、コピー・ルアクを持ってきますから、入れてちょうだいな。」
...。
客とは、私の婚約者である王 聖(おう こうき)さんの親戚にあたる、姫島 皐月さんである。
皐月さんは、私よりも年下であるが、帝国ホールディングの専務を勤めるキャリアウーマンであり、時期社長候補の一人である。(現在のCEOは、今年の春から聖さんの弟・雅さんが就任)
私達の結婚を6月に控えた今日、以前からの約束で、皐月さんがこの『坂の上』にやって来たのである。
しかし、ブルジョア階級ののセレブである。こんな地方の街の喫茶店でそんな超高級豆を、扱う店があるもんですか...しかも今度持ち込みで。コピー・ルアルクをいれろなんて。軽く頭がクラクラする。
そんなこんなで、我が家の亡き父が配合したブレンドを入れているのだが...
「それはそうと、珠子さん。その状態で聖さんと結婚するおつもり?」
カウンターに座り、パンツを履いた長い足と、ヒールのさまになる皐月さんは、本当の女優の様である。
「え、はい。そのつもりです。」
コーヒーをいれ終わり、皐月さんに『お待たせしました』と、コーヒーを出す。
「あら、このブレンド...。」
皐月さんは、マジマジとコーヒーを見る。
「薫りも濃くもとてもバランスがいいですわ。」
「それは父が配合したブレンドで。常連さんには人気があるんですよ。」
私も、何だか父が誉められたような気がして、思わず笑顔になる。
しかし、皐月さんはと言うと。コーヒーを飲みながら、舐める様に私の事を見ていた。そして、最後に私の顔を見るなり皐月さんの長~いため息。
「珠子さん。あなた、結婚式を舐めていらっしゃるの?」
ジロリと、まるで会社の部下にダメ出しをしているかの様な顔である。しかし美人は凄んで見せても美しい。
「少しくらいは、綺麗になろうとは思いませんの?」
「そ、それはそうですけれど。聖さんは、そのままでいいと...私も、喫茶店をやってますし。」
少し困った表情をした
私に、皐月さんが再びため息をつく。
「自覚はされてますのね? 良かったですわ。そうしたら早速に聖さんに話を通して、結婚までの間に、エステサロンに通いませんこと?」
何でも、皐月さん曰く、
『結婚式は女性が主役』
なんだとか。
で、皐月さんが帝国ホールディングでプロデュースしているエステサロンに行くというのだ。しかもおあつらえ向きに、ウエディングフェアーを丁度開催中どの事。
「いいですこと。胃をガツンと捕まえたくらいで安心していてはいけませんことよ。女は常に自分磨きが必要ですの!」
私は、皐月さんのパワー溢れる言葉の一つ一つに圧倒させられる。
「早速に。今日の17時に別邸にいらして。ヘリがすぐに飛べるように手配しておきますわ。」
何が何だか分からないまま、皐月さんからの結婚式に向けた、花嫁の準備(私磨き)が始まったのである。
「あら、こちらにはコピー・ルアクは、置いてないの⁉」
「すみません、一般の普通の店ではチョッと...そんな高級品豆は扱ってないんです。」
「それなら、コナコーヒは?」
「コナですか?...見かけたら買って用意しておきますね。」
「仕方ないわね、何がお薦めですの?」
「ブレンドですね」
「じゃあ、それでいいわ。あと、次に来るときは、コピー・ルアクを持ってきますから、入れてちょうだいな。」
...。
客とは、私の婚約者である王 聖(おう こうき)さんの親戚にあたる、姫島 皐月さんである。
皐月さんは、私よりも年下であるが、帝国ホールディングの専務を勤めるキャリアウーマンであり、時期社長候補の一人である。(現在のCEOは、今年の春から聖さんの弟・雅さんが就任)
私達の結婚を6月に控えた今日、以前からの約束で、皐月さんがこの『坂の上』にやって来たのである。
しかし、ブルジョア階級ののセレブである。こんな地方の街の喫茶店でそんな超高級豆を、扱う店があるもんですか...しかも今度持ち込みで。コピー・ルアルクをいれろなんて。軽く頭がクラクラする。
そんなこんなで、我が家の亡き父が配合したブレンドを入れているのだが...
「それはそうと、珠子さん。その状態で聖さんと結婚するおつもり?」
カウンターに座り、パンツを履いた長い足と、ヒールのさまになる皐月さんは、本当の女優の様である。
「え、はい。そのつもりです。」
コーヒーをいれ終わり、皐月さんに『お待たせしました』と、コーヒーを出す。
「あら、このブレンド...。」
皐月さんは、マジマジとコーヒーを見る。
「薫りも濃くもとてもバランスがいいですわ。」
「それは父が配合したブレンドで。常連さんには人気があるんですよ。」
私も、何だか父が誉められたような気がして、思わず笑顔になる。
しかし、皐月さんはと言うと。コーヒーを飲みながら、舐める様に私の事を見ていた。そして、最後に私の顔を見るなり皐月さんの長~いため息。
「珠子さん。あなた、結婚式を舐めていらっしゃるの?」
ジロリと、まるで会社の部下にダメ出しをしているかの様な顔である。しかし美人は凄んで見せても美しい。
「少しくらいは、綺麗になろうとは思いませんの?」
「そ、それはそうですけれど。聖さんは、そのままでいいと...私も、喫茶店をやってますし。」
少し困った表情をした
私に、皐月さんが再びため息をつく。
「自覚はされてますのね? 良かったですわ。そうしたら早速に聖さんに話を通して、結婚までの間に、エステサロンに通いませんこと?」
何でも、皐月さん曰く、
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なんだとか。
で、皐月さんが帝国ホールディングでプロデュースしているエステサロンに行くというのだ。しかもおあつらえ向きに、ウエディングフェアーを丁度開催中どの事。
「いいですこと。胃をガツンと捕まえたくらいで安心していてはいけませんことよ。女は常に自分磨きが必要ですの!」
私は、皐月さんのパワー溢れる言葉の一つ一つに圧倒させられる。
「早速に。今日の17時に別邸にいらして。ヘリがすぐに飛べるように手配しておきますわ。」
何が何だか分からないまま、皐月さんからの結婚式に向けた、花嫁の準備(私磨き)が始まったのである。
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