丘の上の王様とお妃様

よしき

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丘の上の王様とお妃様 21

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  私、木崎珠子が、父方の実家に帰ってから半月。大夫田舎暮らしになれた頃のこと。こんな辺鄙な所に手紙が一通届いた。(郵便局はこの周辺には無いのだが...) 送り主は、あの姫島皐月さんからであった。
「木崎珠子様へ   ごきげんよう。先だってのお庭での失言は、聖さんに叱られたので、謝っておきます。でも私、あなたを傷つけたかった訳では無いのだけれど。事実を言ったまでだから。それぐらいのことで山の中にこもっているのなら、聖さんのこともその程度しか思ってなかったって事かしら? ...まあ。この話は、あなたが山からでてきたらじっくり話すとして。   本題に入るわね。実は、あなたが本宅を後にしてから、聖さんは仕事ばかりしていて。本当はあなたのいる場所も知っているのだけれど。「俺には迎えに行く資格がない」とか言って、強がって。元々弱味を余り見せない人だから...(途中省略)という訳で、貴女が去ってからと言うもの、聖さんは自分を痛めつけるみたいに仕事をしていたから、体調を壊してしまって。ただ今は何とか、本人を説得して、今月末まで別邸にて養生されています。だから、貴女もそんな田舎に引きこもっていないで、聖さんの看病をしに出てきなさいよ。そして、聖さん本人にちゃんと、居なくなった訳を話してちょうだい。それに、本人から直接話を聞きなさいね。とばっちりは御免だわ。とにかく、別宅の執事を迎えによこすから。後は、貴女が判断してちょうだい。それでは     皐月
PS   ゴタゴタが済んだら、貴女の店でコーヒーくらい飲ませなさいね。」

と言ったないようであった。
  流石、皐月さんの手紙である...読んでいるだけで目の前で会話をしているような...
  「聖さんが病気で、寝込んでいただなんて...」
  もう、2度と聖さんに逢わないつもりだった私だけれど。こんな手紙を読んでしまったら、私も落ち着いてなんかいられない。一目、一目だけでも聖さんを見ることができたら...手紙を読み、私が独りで悩んでいると 、上の外に車が停まった音が聞こえてきた。私が窓からのぞき見ると、黒い服を着た男性が一人車から降りてくる。
「あれは...」
見覚えのある男性。確か別宅の執事の方。
まもなく、コンコンコンと、木製の戸をノックする音。
  私は、急いで玄関に迎い、戸を開けた。
「木崎さま、姫島皐月様の使いで参りました。」
執事の、確か黒山さんとか言ったはずである。別邸では、聖さんの全ての事を確か対応していた。
「あの、聖さんは...その、聖さんが静養中だと手紙で今知ったのですが⁉」
  私は、何とか落ち着いて黒山さんに話しかけた。黒山さんは、低い声で私の問いに答た。
「聖さまのは、別邸にてご静養中でございますが。余りお食事も取られておりません。」
さらに、黒山さんは、ゆっくりと丁寧な口調で話を続ける。
「それに余りお休みもされていないようで、見ております私どもの方が心配をしております。どうか、姫島様のお手紙をお読みくださいましたのなら、私どもと別邸にお越しくださいませ。」
  私よりも一回り年上だろう黒山さんは、深々と頭を垂れた。彼はかなり今回の事を重大だとの認識でいるのだろう。
  その姿は、私を説得するにたるものであった。
「私を、聖さんの所に連れていってください。」
  私は、黒山さんに叫ぶように訴えた。

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