お嬢様、ミスリルは食べ物ではありません~異世界転生した悪役令嬢は、暴飲暴食で無双する~

呑兵衛和尚

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第一部・食戦鬼? あ、食洗機ですか。

第7話・部屋と暗殺者と私

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 そんなこんなで夕食。 
 昨日の晩餐のときとは異なり、家族が皆、笑顔で食事を楽しんでいました。
 私の性格が穏やかになったと両親も大喜びですし、侍女への対応についてもジェラルドさんからの報告があったそうで、そのことを聞いた姉のマルガレートも驚いていました。
 私はというと、とりあえず愛想笑いでその場をごまかし、シルヴィアの記憶保管庫から情報を探って対応するので精いっぱい。
 『事故による記憶混濁』という免罪符もいつまで使えるか心配になってきます。
 まあ、そのまま食事を終わらせると、あとは自室に戻って一休み。
 そして就寝時間になったのでベッドに体を横たえて眠るだけです。

「さて、今日は何もおきませんように……闇ギルドも来ませんように」

 そう願って静かに眠りについたのもつかの間。
 深夜、月が沈み始めたころ、何かの気配を感知して私は目を覚ましました。
 
「ん……」

 ゆっくりと瞼を開くと、私のベッド横に二人の人物が立っています。
 全身黒づくめ、顔も覆面で覆って正体を隠しています。
 
「声を上げても無駄だ。この部屋は遮音の結界で包み込んである。それに、君の体にも拘束の術式を放ってあるからな」
「まあ、運が悪かったと思ってくれ。君の命を奪うようにと依頼があっただけ。我々に狙われたことが不運と思って……死んでくれ」

──シュンッ
 素早く腰からナイフを引き抜く暗殺者たち。
 確かに私の体は身動きできないように魔法によって固定されているようですけれど。

「じ、術式破壊……起動」

──バッキィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
 体に浮かび上っている拘束術式が、音を立ててくだけ散りました。
 昼間おいしく頂いた、『禁じられし魔導書』に収められていた解術魔法を発動して、拘束術式を破壊したのです。 

「な、なんだと?」
「俺の放った拘束術式は強度4だぞ、それを破壊できるというのか」
「構わない、首を掻き切ってしまえ」

 一人が私の目の前から、もう一人はベッドに飛び乗って背後からナイフを突き刺そうとします。
 でも、その動きは、ゆっくりに見えているのですけれど。

「戦闘領域解放……って、もう発動していたのですか」

 昼間に食した魔剣の力。
 それにより、私の身体能力と思考速度が大幅にクロックアップしています。
 しかも、遮音結界は私の『戦闘領域』によって上書きされ、私に敵対する者の能力は全て1/10に低下しています。
 なお、この能力を発動するにも大量の生命エネルギーが必要なので、おなかがへってきましたけれど。
 食戦鬼の能力は、食べたものの能力を自分のものに出来ること。
 でも、それを発動するためには多大な生命エネルギーを必要とします。
 そのためにもまた食べなくてはならないという……本当に便利かつ合理的で、燃費の悪い能力なのでしょうか。

 ゆっくりと動く暗殺者たち。
 確かドラマでは、首筋に向かって一撃を叩き込むと気絶していましたね。
 でも、実際にやったら……いえ、今の私が手刀を首筋に叩き込んだら、多分、首がポロッと落ちるでしょう。
 だから、魔導書にあった拘束術式を素早く発動して、二人をその場で拘束します。
 さっき彼が話していた魔法の強度とは、それを発動した魔術師の能力によってだいたい1から10の段階に分かれています。
 それこそ歴史に名を連ねるほどの大魔術師の放った魔術の魔法強度ならば5から6で、ここが人間の限界値です。
 その上は竜族の放つ竜語魔術が7~8、天使と呼ばれている神の御使い、もしくは聖女という存在が8~9。神に至って初めて、強度10の魔法が使えるとか。
 
「うん、強度5の拘束術式を施しました。これを破るには強度6以上の破壊術式しかありませんので、ここで速やかに転がっていてください。なお、口も動かせませんので自決もできません。明日の朝になったら、騎士団に突き出しますので、それまで私を襲ったことを悔やんでいてくださいね」

 そう告げてから、戦闘領域を解除。
 すると、暗殺者たちは信じられない顔で私の方を見ています。
 
「……あ、そうか。さっきの私の言葉は早口になっていて聞き取れていないのですか。それじゃあ、もう一度説明しますね……」

 ということで説明のやり直し。
 そしてこのまま朝まで放置。
 がっちりと拘束であるので、深夜に警備担当の騎士たちの手を煩わせなくても済みます。
 あとは、この件が露見して闇ギルドが手を引いてくれることを望みます。

──グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
 はぁ。
 まさかこのタイミングでお腹が鳴るだなんて、誰も予想はしていませんよ。

「夜食……を探しにキッチンにいくというのも貴族令嬢としてはありえないよねぇ。そうですね、何か食べるものを探しますか」

 とはいえ、部屋の中のものをむやみやたらに食べるというのも気が引けます。
 ここはじっと我慢、テーブルの上のピッチャーから水を汲んで飲んで。
 飲んで、飲んで、ピッチャーを空にして。
 そのままポリポリとピッチャーも頂いてしまいましょう。

──ポリッポリツ
 うん、南部せんべいの歯ごたえと味。
 これは水あめが欲しくなってきますよ。
 あと、私としてはピーナッツが入っている方が好きなのですけれど、そんな贅沢を言っても始まりませんよね。

 あとは、のんびりと体を休めることにしましょう。


 〇 〇 〇 〇 〇

 早朝。

──グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
 お腹の音で目が覚めました。
 朝は侍女が部屋にやって来て、カーテンと窓を開けるのがこの家の習わし。
 そうして朝が来たことを部屋の主に伝えるのです。
 って、そんな習わしなんて我が家にはありませんから、全てシルヴィアが勝手に決めたことですから!!
 それに、今日は侍女よりも早く私が目を覚ましていますので。

──ガチャッ
 静かに扉を開けて侍女が入ってきて。
 すでに目を覚ましている私を見て、震えながらその場で静かに土下座。
 それはもう無駄な動きがなく、とっても滑らかに……ってちょっと待ってぇぇぇぇ。
 
「主人の目覚めをお手伝いするのが私たちの務めなのに、このような失態……」
「すとーーーっぷ。土下座禁止。私が先に起きていても、今後はなにもおとがめなし。だから素直に立ち上がって、お勤めを果たしてください」
「む、鞭打ちもないのですか」
「侍女への鞭打ちも廃止。はい、分かったら立ち上がって、私の着替え……の前に、警備担当の騎士たちを呼んできてくれるかな? 昨晩、不埒な輩が侵入してきたのでそれを捕まえてあるのよ」

 部屋の片隅に転がっている二人の暗殺者。
 意識はありますし、私を見て今にも殺さんとばかりに殺気を放っています。
 まだやる気満々なのでしょうけれど、あとは専門家にバトンタッチ。
 やがてどたどたと騎士たちが駆けつけてくると、私の部屋の中に転がっている暗殺者を見て驚いています。

「シ、シルヴィアさま、これは一体……」
「ええっと、端的に説明すると昨晩、私の部屋に侵入してきた闇ギルドの暗殺者を捕まえました。方法は、我が家の宝物庫に収めてあった魔導書を私が理解し、それを使って……ということなので、急ぎ王国騎士団にも通達して、この者たちを連行してもらってください」
「畏まりました!! 二人はこいつらを詰所まで連行。一人は早馬で街の騎士団詰め所まで連絡を、あと旦那様にも報告を忘れるな」

 てきぱきと指示を飛ばす騎士。
 さすがはシルヴィアの剣の訓練相手ですよ、侍女たちのように私を見てびくびくと恐れるようにことはないようです。

「それでは失礼します」
「はい、ご苦労様です。父にも報告をお願いします、私は日課がありますので」
「日課、ですか」

 ええ、朝のトレーニングですよ。
 この体の前の日課、それをやらないと一日中、どうにも調子がでないのです。
 それに、これを忘れると私が私でなくなってしまうような気がしていますから。

「それでは、お着替えを手伝わせていただきます」
「ありがとう。軽く走って基礎体力を作りたいから、運動しやすいものを選んでもらえる?」
「はい、少々お待ちください」

 昨日の侍女たちに伝えた件は、しっかりとジェラルドさんにも伝わっているようでなによりてす。
 ただ、どうしても私の動きに対して侍女たちはまだ警戒しているようでして。
 これも時間が経過したら、少しずつでも打ち解けてくれることでしょうと楽観しておきます。
 そんなこんなで着替えも終えて朝のトレーニング。
 ランニング、柔軟体操と一通りクリアしてから軽く汗を流して。

「うーん。やっぱりウエイトトレーニング系の道具も欲しい。もしくはゴムバンドと……それと大豆は必要ですよねぇ……」

 異世界の食事、私は伯爵家に生まれ変わったというか、シルヴィアとしてこの世界に降り立ったので、食事については恵まれているようです。
 それでもやっぱり、上質なたんぱく質とビタミンは必須。
 グリーンピースやひよこ豆のようなものはあるので、そのあたりから改良していくしかありませんけれど。

「厨房って、私が使っても大丈夫なのでしょうか?」
「ま、まあ、シルヴィアはこの家の正当な血筋なのだから、使ったとしても文句は言われないと思うが……何をする気なのだ?」
「貴方……ほら、以前、王都のザビデス家の方が話していたではありませんか。娘が父親の誕生日に、手作りの菓子を作ってくれたと」
「それか!! シルヴィア、私のために菓子を焼いてくれるのか?」

 ガタッと立ち上がって感動しているお父さま。

「いえ、ちょっと作ってみたい料理がありまして……いえ、材料から吟味する必要もありますので、まだ先の話なのですけれど。それよりも、今朝がた運び出された暗殺者たちは、どうなりましたか?」

 そんな娘の手料理に変な夢を抱くよりも、今は娘の命を奪おうとしていた暗殺者、闇ギルドの対応ですよね。
 そこが落ち着かない事には、私も落ち着いて眠ることはできませんよ。

「高度な隷属術式によって依頼人などの情報は全て隠蔽されているらしい。だから、王都の宮廷魔術師団から数名、解呪師が来るように手配はしてある。それまでは口封じされないように厳重な警備によって守られている」
「つまり今回の一件については、王国側も懸念していたということですか?」
「マルガレートの言う通りだ。これまで尻尾どころか痕跡一つ残していなかった闇ギルドの実態がわかるかもしれないのだからな」

 ふむふむ。
 それの引き金になった私は、逆恨みされている可能性があると思っていたほうがいいですね。
 ここまで話が大きくなるだなんて、依頼者である子爵家も予想していなかったことでしょう。
 さらに追撃の手打ってくるか、だんまりを決め込むか、それとも手打ちを求めて来るのか。
 いずれにしても、私がどうこうできる事ではありませんね。

「それよりも、今年の園遊会もぜひ家族でという通達が届いている。諸般の事情で返事については保留してあったのだが正式に参加することにした」

 王都の園遊会というと、うん、知らないですね。

 ……シルヴィアの記憶をローディング中……

 ふむ、皇太子の誕生日を祝うということですか。
 貴族当主は絶対参加、加えて上級貴族である伯爵家よりも上のものは家族も招待されることがあるとか。
 そしてランカスター伯爵家は家族で参加して欲しいと、王城のミッターマイヤー政務卿から連絡があったそうです。
 なお、ミッターマイヤー政務卿は祖父であるオルタロス監査卿とは犬猿の仲だそうで。
 どう考えても、何か企んでいるとしか考えられませんけれど。
 
「では、久しぶりにお兄様にお会いできるのですね?」
「そうだな。当日はエリオットも参加できるように話を通しておくことにしよう。シルヴィアもそのつもりでいるように」
「畏まりました。それまでに闇ギルドの件が収まっていることを祈っています」

 そう告げると、またしても家族全員がきょとんとしている。

「はは。どうにかする、ではなく祈っているか。以前のシルヴィアとはまるで別人のようだが」
「ねぇ、本当に大丈夫? 昔のシルヴィなら、こういったことには積極的に首を突っ込んで、周りに迷惑をかけまくっていたじゃない」
「マルガレート。シルヴィアは目が覚めたのですよ。侍女たちへの対応もそれは丁寧になりましたし、本当にまだ幼かった時のシルヴィアのようで母は安心しています」

 うう、そのお母さまの言葉で、全員が納得しています。
 私はシルヴィアではなく、彼女の記憶を持つ日本人なのですけど。
 どうにもむず痒くなってきますよ。

「お姉さま。人というのは常に進化し続けるのです。過去の私を全て許してほしいとはいいませんけれど、せめてこれからは人に迷惑を掛けないような生き方をしたいと思っています。それに、私が以前のままですとおじいさまにも迷惑が掛かってしまいますから」
「その通りだ。まあ、王都からの解呪師が早く到着するのを祈っておこう」

 そのあとは他愛何い世間話に花が咲き。
 私にはちんぷんかんぷんなこともあって、笑って話を聞いていることしかできませんでした。
 はぁ。
 瞬時に記憶が引っ張り出せたらいいなぁ考えてしまいます。
 シルヴィアの記憶保管庫から情報を引っ張りだす場合、どうしてもタイムラグが発生していますから。

 そして午前の授業、午後のトレーニングと一通りの時間を過ごして夕方からは、今現在の私が使える能力について中庭での確認作業です。
 生体エネルギーというのが不足していると使えないことが多いのですけれど、今はトレーニングあとのお菓子もがっつりと食べてあります。

「さて、今の私に出来ることは……」

 左こめかみに指を当てて考えてみると、私が修得した能力が浮かんできました。

・身体の理(ステータス強化3A、頑健3A、病気抵抗強化2A)
・剣の理 (上級剣術1、コマンドアーツ3種B)
・拳の理 (上級格闘術3、コマンドアーツ3種B)
・防護の理(基礎防御力5A、コマンドアーツ3種B、魔法防御3)
・魔剣の理(戦闘領域7、鋭刃化8、時間制御3)
・魔術の理(伝承術式7、古代術式8、黒魔術2)
・銀の理 (毒抵抗強化3A、聖属性付与2、アンデット特攻1)

 うん。
 一見したらとんでもない能力だなぁと思います。
 スキル名のあとの数値は、おそらくは魔術強度のようなものでしょう。魔法以外にもそれが存在するというのは初めて知りましたよ。
 そして強度の後のAとB。

 Aは一度でも修得したら、そのあとは自動的に発動し続けるもの。
 Bは一打でも修得したら、ノーコストで使える技。

 ふむふむ、これは積極的に覚えていかないとならないようですが、Aは覚えるほどに燃費が悪くなるのですか。
 頭の中に浮かんだイメージから察しますに、これらの能力を使うためにはかなりの生体エネルギーが必要でして。
 例えば、戦闘領域を強度1で展開するためには、木剣一本分のエネルギーを消費します。
 昨日の拘束術式無効化とかも、何かしらの食べ物を摂取しておくことが必要でして。
 しかも普通に食べる食事では殆ど摂取することができないようです。
 非食材や素材などはそこそこにエネルギー効率がよく、今の時点で最も効率が高いものが【ミスリル銀】という非常に高価な魔導金属です。
 通常の鉄の100倍の価値ですが、手に入らないというものでもなく。
 街の鍛冶師、特にドワーフが経営している場所なら購入することは可能だそうです。

「……いや、ミスリル銀って魔剣のあれですよね。もう燃費とかいう問題ではないですよねぇ……」

 手じかにある石ころを手に取って、ぼいっと口の中に放り込みます。
 ぼりっぽりっと齧ってみますが、これはあんまりおいしくありません。

「うーん。炊くのに失敗した硬いご飯かな……それに含有エネルギーも少ないですよ」

 右掌をじっと眺めてみると、そこからお線香の煙のように生体エネルギーが立ち上っているのが見えました。やっぱり昨日食べた宝物庫のミスリルの魔剣、あれに勝るものはありません。
 
「今後のことを考えると、やっぱりミスリルは多めに入手する必要がありますか……」
 
 私のお小遣いでは購入できる量なんて些細なもの。
 まあ、ミスリル以外に有効なものを探した方が早いかもしれませんね。
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