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六卦・淑妃・翔賢妃は、あらあら母さん
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紫瑞宮を後にして、最後は翔賢妃の住まう紅鳳宮へ。
洪氏の後ろについて歩くと、道ゆく女官や下女たちが立ち止まって頭を下げる。
その姿を見て、洪氏は一人一人に「おつかれさま」とか「ごくろうさん」と声をかけている。
「へぇ、洪氏さまは、下女一人一人にも丁寧に声をかけているのですね」
「それは当然だな。彼女たちもこの後宮を支えている大切な存在、あだやおろそかにはしないように努めている。まあ、先代の東廠責任者は、そんなことを一切行わずに冷徹無比に後宮管理をおこなっていたそうだが」
「はぁ、その先代はどうなさったのですか?」
ちょっとだけ好奇心が揺れる白梅。
本当に他愛のない質問をしたつもりだが、洪氏から返って来た言葉にゴクリと息を呑んでしまう。
「確か、ある園遊会の席で、飲んでいた酒に毒が仕込まれていてね。そのまま悶絶死を迎えたらしいよ。私はその日、園遊会には参加せずに、東廠で書簡の整理を命じられていたので、詳しいことは聞かされていないのでなんとも……」
にっこりと笑いながら呟く話じゃないだろうと、白梅は心のなかで突っ込みつつも、洪氏が裏で手を回したのではと訝しんでしまう。
だが、そんな白梅の心とは裏腹に、洪氏はあいかわらず下女たちに手を振り、声を掛ける。
一部の下女など、声を掛けられただけで舞い上がり、その場にへたり込むものもいる。
そんな洪氏を見て、白梅は思わず懐の木札を一枚取り出してみると、そこには『花花公子《すけこまし》』と記された文字と絵が記されている。
(宦官のすけこましとはまた、一体なんの皮肉なんだか……)
そう思いため息をつきつつ、木札を懐に納める。
すると、ふと洪氏が何かを思い出したかのように白梅の方を振り向くと。
「そういえば、先ほどは不問にしていたが、白梅は竹剣とか霊符をどこに隠していた?」
「ああ、ここですね、服の袖ですよ、ほら」
右手を左袖に突っ込み、竹剣をするりと引き抜いて見せる。
すると洪氏が呆然とした顔を見せていた。
白梅の服の裾から出てきた竹剣の長さは、ゆうに大二尺《72センチ》の長さがあったから。
そんなものが、女性の服の袖に隠されているはずがないため、洪氏も驚いている。
「い、一体どうやって収納している?」
「あ~、え~っと、仙術の一つに、遠くにあるものを手元に引き寄せる術がありまして。私の場合、部屋に仕舞ってある雲仙袋の中のものだけを、衣服の裾や懐から取り出すことが出来ます。ちなみに全裸だと、隠すところがないので取り出せませんし、雲仙袋に納めていないと無理ですから」
「本来なら、後宮には一切の武具の持ち込みは禁じられているのだけれどなぁ……ちょっとその剣を見せてくれるか?」
後宮には、いかなるものも武具の持ち込みは禁止されている。
外部からの来客なども、東廠に立ち寄りそこで武具を持ち込んでいないか事前に調べられ、魔が一持ち込んでいた場合は木箱に納めて帰るときまで厳重に預かられてしまう。
それは東廠に勤めるものも例外ではなく、白梅の竹剣が武具と認められた場合、そのまま洪氏の手により没収、厳重に封じられてしまう。
だが、白梅の竹剣は儀礼用のものであり、当然、刃はついていない。
刀身に当たる部分には朱墨で術が記されている程度であり、洪氏も刃の部分を握りスッと竹剣を引くのだけれど、傷一つ付くことはなかった。
「当初は、私に警護も務めるようにとおっしゃっていましたけれど、やはり竹剣も禁止でしょうか?」
「いや、これは儀仗であり刃もついていない。これで切ることが出来るのは、先ほどのように瘴気のみか?」
「いゃぁ……あとは……悪鬼羅刹とか?」
「そんなものが、後宮にいて堪るか。まあ、白梅の執務に必要なものだろうから、取り上げることはしない。そのかわり、必要なとき以外は用いないように」
トントンと自分の肩を竹剣で叩いてから、それを白梅に手渡す。
すると白梅も受け取った竹剣を袖にしまい込むと、ニヘラッと笑って頷いている。
「ありがとうございます……と、あの、洪氏さま、あの子供たちは?」
ふと、前方に広がる紅鳳宮の前、広い庭園を3人の子供たちが歩いている。
それぞれの子供に下女が二人ずつ付き添い、子供たちが怪我をしないかハラハラとした顔で見守っている。
その向こう、紅鳳宮の入り口近くでは、ゆったりとした赤絹の華服を身に纏った翔賢妃が、子供たちを微笑ましく見守っている。
「ああ、あの子供たちは翔賢妃の娘たち、つまり公主にあたる。この後宮の皇貴妃の中で、唯一、翔賢妃のみが帝の御子をお産みになられているのでね。もっとも、紫瑞妃は東宮をお産みになり正式に皇后になるべく日々、色々と研鑽しているようだよ。」
「け、研鑽……それで腰を痛めては……って、それはいいか」
「ん? 今、何か申したか?」
「いえ、なにも」
そう呟いてから、白梅は洪氏の後ろに付き従い、翔賢妃の元へと歩み寄る。
「これは洪氏さま。まだ予定よりもお早いのでは?」
「いえ、少々遅れております。ちょっと紫瑞宮でありましてね。ということで、こちらが東廠に新たに配属された白梅です。詳細は、今朝方お渡しされている木簡に記された通りです」
洪氏が白梅を紹介するので、彼女も揖礼で頭を下げる。
「はいはい。あなたが仙姑《せんこ》の白梅さんね。私は翔賢妃、この子たちの母です」
「初めまして。相談役を拝命した白梅と申します」
深く頭を下げてから、白梅はふと、今の言葉に疑問を持ち翔賢妃に問いかける。
「恐れながら。今、私のことを仙女ではなく仙姑と呼ばれましたが」
「ええ。私も以前、ここの後宮に来たばかりの時、一人の仙女が枕元に立ちましてね。子宝の護符を授けてくれたのですよ。その時に、仙女の事を仙姑と呼ぶことも教えていただきました」
そう告げてから、翔賢妃は懐からつぎはぎだらけの小さな袋を取り出して白梅に見せる。
すると、その中に何か゛入っているのか白梅も一瞬で理解した。
「ははぁ、翔賢妃さまの元を訪れたのは、金花ねーちゃ……金花夫人《きんかふじん》のようですね。これは金花夫人の霊符が収めてあったようです。まあ、あの方の霊符なら効果は保障されていますが……もう、霊力は失われていますよ?」
金花夫人は、白梅の住む村に時折訪れていた仙女。
一説では神の化身とも噂されているのだが、白梅にとっては『年に数度訪れて、じいさんたちと共に酒を飲んで菓子をくれる姐さん』であり、それ以上でもそれ以下でもない。
そして白梅の言葉に翔賢妃も頷いて、袋を懐に戻す。
「ええ。私はあの方から、3人の子宝を授けましょうと霊符を頂きました。そしてあの子たちを身ごもり、今は幸せな日々を過ごしています。帝もあの子たちを溺愛していて、頻繁にここを訪れてくれるので、私としても満足ですが……」
「ですが……?」
そこで言葉を切り、翔賢妃はチラリと洪氏を見る。
彼女の視線に納得し、洪氏は一旦、翔賢妃と白梅の元を離れ、子供たちの方へと向かっていった。
そして翔賢妃も、洪氏が離れたのを確認してから白梅の横に立ち、小さく小声で。
「四人目は男の子、東宮を授かりたいと頑張ってはいるのですが……私はもう、女ではなく母になってしまいました。以前のように肌を重ねても、帝に対しても慈愛を授けたくなってしまいまして……結局、子種を得ることなく、そのまま朝まで添い寝することの方が多くなってしまいました」
「それはまた、なんというか。難しいところですね」
もしも男子を授かることなく歳を重ねてしまうのなら、翔賢妃は後宮で娘たちを育てて一生を終えてしまう。また、最悪の場合は後宮を後にし、他の地に封土され一生涯を終えてしまうかもしれない。
そんな不安もあるのだろうと、白梅も頷くしかなかった。
「他の貴妃のような若さも、肌のハリも艶もありません。ここに来た時よりも少し太ってしまいましたけれど、子供たちのためには私は食べなくてはなりません。でも、そんな私を『女を捨てた妃』と揶揄するものもいるのです……そのような言葉が子供たちにの耳に届いてしまわないかとも時折不安になってしまって」
「まあ、私に言わせれば、『外野は黙っとれ』というところですね。自分たちが帝の寵愛を受けられず、やきもちを焼いていると思って笑ってください。恐らくですが、帝は翔賢妃に母のような愛情を求めて、ここにきているのではないでしょうか?」
その言葉に、翔賢妃もふと、何かを思い始める。
それは帝が寝所を訪れたときの、彼の言葉。
他の貴妃のように熱く情をぶつけてくるのではなく、穏やかで安らぎを求めているようなそぶり。
白梅の言葉に、翔賢妃もにっこりとほほ笑むと、大きく息を吸い込んでいく。
「ふぅ。何か胸のあたりに仕えていたものが、ポロリと取れたかんじですね。相談役、これからも頑張ってください」
「はい。いつでもお待ちしていますので」
最後に揖礼で挨拶を行うと、白梅は翔賢妃の元を離れ、洪氏の元へと向かっていく。
ただ、最後に翔賢妃をチラリと見た時、彼女の後ろにうっすらと金花夫人が立っているような、そんな暖かさを感じ取っていた。
「子を授ける力はなくとも、正気を払う力はある……っていうところかな」
「ん、今、何か申したか?」
「いえいえ。それでは私も、そろそろ仕事場の準備をしてまいりますので。本日はありがとうございました」
ゆっくりと揖礼で挨拶を行うと、白梅はのんびりと庭園にある相談所へと戻っていった。
洪氏の後ろについて歩くと、道ゆく女官や下女たちが立ち止まって頭を下げる。
その姿を見て、洪氏は一人一人に「おつかれさま」とか「ごくろうさん」と声をかけている。
「へぇ、洪氏さまは、下女一人一人にも丁寧に声をかけているのですね」
「それは当然だな。彼女たちもこの後宮を支えている大切な存在、あだやおろそかにはしないように努めている。まあ、先代の東廠責任者は、そんなことを一切行わずに冷徹無比に後宮管理をおこなっていたそうだが」
「はぁ、その先代はどうなさったのですか?」
ちょっとだけ好奇心が揺れる白梅。
本当に他愛のない質問をしたつもりだが、洪氏から返って来た言葉にゴクリと息を呑んでしまう。
「確か、ある園遊会の席で、飲んでいた酒に毒が仕込まれていてね。そのまま悶絶死を迎えたらしいよ。私はその日、園遊会には参加せずに、東廠で書簡の整理を命じられていたので、詳しいことは聞かされていないのでなんとも……」
にっこりと笑いながら呟く話じゃないだろうと、白梅は心のなかで突っ込みつつも、洪氏が裏で手を回したのではと訝しんでしまう。
だが、そんな白梅の心とは裏腹に、洪氏はあいかわらず下女たちに手を振り、声を掛ける。
一部の下女など、声を掛けられただけで舞い上がり、その場にへたり込むものもいる。
そんな洪氏を見て、白梅は思わず懐の木札を一枚取り出してみると、そこには『花花公子《すけこまし》』と記された文字と絵が記されている。
(宦官のすけこましとはまた、一体なんの皮肉なんだか……)
そう思いため息をつきつつ、木札を懐に納める。
すると、ふと洪氏が何かを思い出したかのように白梅の方を振り向くと。
「そういえば、先ほどは不問にしていたが、白梅は竹剣とか霊符をどこに隠していた?」
「ああ、ここですね、服の袖ですよ、ほら」
右手を左袖に突っ込み、竹剣をするりと引き抜いて見せる。
すると洪氏が呆然とした顔を見せていた。
白梅の服の裾から出てきた竹剣の長さは、ゆうに大二尺《72センチ》の長さがあったから。
そんなものが、女性の服の袖に隠されているはずがないため、洪氏も驚いている。
「い、一体どうやって収納している?」
「あ~、え~っと、仙術の一つに、遠くにあるものを手元に引き寄せる術がありまして。私の場合、部屋に仕舞ってある雲仙袋の中のものだけを、衣服の裾や懐から取り出すことが出来ます。ちなみに全裸だと、隠すところがないので取り出せませんし、雲仙袋に納めていないと無理ですから」
「本来なら、後宮には一切の武具の持ち込みは禁じられているのだけれどなぁ……ちょっとその剣を見せてくれるか?」
後宮には、いかなるものも武具の持ち込みは禁止されている。
外部からの来客なども、東廠に立ち寄りそこで武具を持ち込んでいないか事前に調べられ、魔が一持ち込んでいた場合は木箱に納めて帰るときまで厳重に預かられてしまう。
それは東廠に勤めるものも例外ではなく、白梅の竹剣が武具と認められた場合、そのまま洪氏の手により没収、厳重に封じられてしまう。
だが、白梅の竹剣は儀礼用のものであり、当然、刃はついていない。
刀身に当たる部分には朱墨で術が記されている程度であり、洪氏も刃の部分を握りスッと竹剣を引くのだけれど、傷一つ付くことはなかった。
「当初は、私に警護も務めるようにとおっしゃっていましたけれど、やはり竹剣も禁止でしょうか?」
「いや、これは儀仗であり刃もついていない。これで切ることが出来るのは、先ほどのように瘴気のみか?」
「いゃぁ……あとは……悪鬼羅刹とか?」
「そんなものが、後宮にいて堪るか。まあ、白梅の執務に必要なものだろうから、取り上げることはしない。そのかわり、必要なとき以外は用いないように」
トントンと自分の肩を竹剣で叩いてから、それを白梅に手渡す。
すると白梅も受け取った竹剣を袖にしまい込むと、ニヘラッと笑って頷いている。
「ありがとうございます……と、あの、洪氏さま、あの子供たちは?」
ふと、前方に広がる紅鳳宮の前、広い庭園を3人の子供たちが歩いている。
それぞれの子供に下女が二人ずつ付き添い、子供たちが怪我をしないかハラハラとした顔で見守っている。
その向こう、紅鳳宮の入り口近くでは、ゆったりとした赤絹の華服を身に纏った翔賢妃が、子供たちを微笑ましく見守っている。
「ああ、あの子供たちは翔賢妃の娘たち、つまり公主にあたる。この後宮の皇貴妃の中で、唯一、翔賢妃のみが帝の御子をお産みになられているのでね。もっとも、紫瑞妃は東宮をお産みになり正式に皇后になるべく日々、色々と研鑽しているようだよ。」
「け、研鑽……それで腰を痛めては……って、それはいいか」
「ん? 今、何か申したか?」
「いえ、なにも」
そう呟いてから、白梅は洪氏の後ろに付き従い、翔賢妃の元へと歩み寄る。
「これは洪氏さま。まだ予定よりもお早いのでは?」
「いえ、少々遅れております。ちょっと紫瑞宮でありましてね。ということで、こちらが東廠に新たに配属された白梅です。詳細は、今朝方お渡しされている木簡に記された通りです」
洪氏が白梅を紹介するので、彼女も揖礼で頭を下げる。
「はいはい。あなたが仙姑《せんこ》の白梅さんね。私は翔賢妃、この子たちの母です」
「初めまして。相談役を拝命した白梅と申します」
深く頭を下げてから、白梅はふと、今の言葉に疑問を持ち翔賢妃に問いかける。
「恐れながら。今、私のことを仙女ではなく仙姑と呼ばれましたが」
「ええ。私も以前、ここの後宮に来たばかりの時、一人の仙女が枕元に立ちましてね。子宝の護符を授けてくれたのですよ。その時に、仙女の事を仙姑と呼ぶことも教えていただきました」
そう告げてから、翔賢妃は懐からつぎはぎだらけの小さな袋を取り出して白梅に見せる。
すると、その中に何か゛入っているのか白梅も一瞬で理解した。
「ははぁ、翔賢妃さまの元を訪れたのは、金花ねーちゃ……金花夫人《きんかふじん》のようですね。これは金花夫人の霊符が収めてあったようです。まあ、あの方の霊符なら効果は保障されていますが……もう、霊力は失われていますよ?」
金花夫人は、白梅の住む村に時折訪れていた仙女。
一説では神の化身とも噂されているのだが、白梅にとっては『年に数度訪れて、じいさんたちと共に酒を飲んで菓子をくれる姐さん』であり、それ以上でもそれ以下でもない。
そして白梅の言葉に翔賢妃も頷いて、袋を懐に戻す。
「ええ。私はあの方から、3人の子宝を授けましょうと霊符を頂きました。そしてあの子たちを身ごもり、今は幸せな日々を過ごしています。帝もあの子たちを溺愛していて、頻繁にここを訪れてくれるので、私としても満足ですが……」
「ですが……?」
そこで言葉を切り、翔賢妃はチラリと洪氏を見る。
彼女の視線に納得し、洪氏は一旦、翔賢妃と白梅の元を離れ、子供たちの方へと向かっていった。
そして翔賢妃も、洪氏が離れたのを確認してから白梅の横に立ち、小さく小声で。
「四人目は男の子、東宮を授かりたいと頑張ってはいるのですが……私はもう、女ではなく母になってしまいました。以前のように肌を重ねても、帝に対しても慈愛を授けたくなってしまいまして……結局、子種を得ることなく、そのまま朝まで添い寝することの方が多くなってしまいました」
「それはまた、なんというか。難しいところですね」
もしも男子を授かることなく歳を重ねてしまうのなら、翔賢妃は後宮で娘たちを育てて一生を終えてしまう。また、最悪の場合は後宮を後にし、他の地に封土され一生涯を終えてしまうかもしれない。
そんな不安もあるのだろうと、白梅も頷くしかなかった。
「他の貴妃のような若さも、肌のハリも艶もありません。ここに来た時よりも少し太ってしまいましたけれど、子供たちのためには私は食べなくてはなりません。でも、そんな私を『女を捨てた妃』と揶揄するものもいるのです……そのような言葉が子供たちにの耳に届いてしまわないかとも時折不安になってしまって」
「まあ、私に言わせれば、『外野は黙っとれ』というところですね。自分たちが帝の寵愛を受けられず、やきもちを焼いていると思って笑ってください。恐らくですが、帝は翔賢妃に母のような愛情を求めて、ここにきているのではないでしょうか?」
その言葉に、翔賢妃もふと、何かを思い始める。
それは帝が寝所を訪れたときの、彼の言葉。
他の貴妃のように熱く情をぶつけてくるのではなく、穏やかで安らぎを求めているようなそぶり。
白梅の言葉に、翔賢妃もにっこりとほほ笑むと、大きく息を吸い込んでいく。
「ふぅ。何か胸のあたりに仕えていたものが、ポロリと取れたかんじですね。相談役、これからも頑張ってください」
「はい。いつでもお待ちしていますので」
最後に揖礼で挨拶を行うと、白梅は翔賢妃の元を離れ、洪氏の元へと向かっていく。
ただ、最後に翔賢妃をチラリと見た時、彼女の後ろにうっすらと金花夫人が立っているような、そんな暖かさを感じ取っていた。
「子を授ける力はなくとも、正気を払う力はある……っていうところかな」
「ん、今、何か申したか?」
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