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GINJI
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激しい交接になった。
蓮介を相手にしていると、いつもの事なんだが、今夜は俺の方が求めた。
これ以上はお前の身体がもたないからと言う蓮介を、それでも挑発して、激しく交わった。
「銀司…。オイ、銀司!」
気が付くと、蓮介が俺を揺り起こしていた。
気が飛んでいたらしい。
「全く、無茶しやがって。抱き殺しちまったかと思ったぜ。」
蓮介はそう言って、溜息を吐く。
「そう簡単に死にやしないさ。」
俺は起き上がって、ベッドサイドに置いてあったミネラルウォーターのペットボトルを取り、一口含んだ。
ここは俺のマンションだ。
頼介のマンションから程近い。
将太くんのいる蓮介の部屋に行くわけにもいかないので、ここに蓮介を呼び出した。
「今日のお前、少しおかしかったな。何かあったのか?」
そう訊ねてくる蓮介に、俺は曖昧な返事をした。
頼介は将太くんの事を想っている。
その事を蓮介に伝えるのは、流石に憚られた。
頼介は蓮介の実弟で、将太くんは実の息子だ。
複雑な気持ち…程度では済まないだろう。
ただ、将太くんが出ていってからの、頼介の憔悴しきった様子は伝えた。
「そんなに酷かったのか!?」
「酷かったなんてもんじゃない。それこそ、アイツが死んじまうんじゃないかと思ったぜ。今も精神的に不安定だ。俺の姿が見えないと、子供のように探し回る。不安で仕方ないんだろう。」
蓮介は俯いた。
「‘会いに来てやれば’いいのに。将太の奴も、明らかに頼介の事を思って、ぼんやりしている時がある。」
この蓮介の言い回しに、ふと違和感を覚えた。
今、確か、‘迎えに来てやれば’ではなく、‘会いに来てやれば’と言ったな。
コイツ、頼介に将太くんを返すのが、嫌になってきたんじゃないのか?
「将太くんの方は…どうなんだ?」
俺は蓮介に訊いてみた。
「まあ、寂しがってはいるようだが、生活自体には慣れてきたみたいだ。ただ、ここ一連の出来事で、受験勉強に穴が開いたのが痛いかもな。俺の稼ぎじゃ、浪人されると、流石に厳しいから、何とか現役で受かってもらいたいが…。」
やっぱり…。
蓮介は、これから‘先’も、将太くんと暮らしていく事を考えている。
「これは、思ったより、難しくなりそうだ。」
俺は呟いた。
「なんだ?」
「何でもない。俺は頼介のマンションに戻るから、お前も帰れ。」
そう言って、俺は蓮介を追い出した。
タクシーで頼介のマンションまで戻る。
時刻はもう明け方だった。
俺はそっと玄関を開けた。
頼介を起こさないように寝室まで行き、ベッドで寝ている頼介の隣に入り込む。
だけど、寝ているにしては、頼介の身体が固い事に気が付いた。
「起きているのか?頼介。」
「うん。」
「起こしたか?すまなかった。」
そういうと、頼介はさらに身を固くした。
「ううん。ずっと起きてた。GINJI、どこ行ってたの?」
俺は答えに詰まる。
「ちょっと、コンビニに行っていた。」
俺は適当な嘘を吐いた。
頼介はいつから起きていたのだろう?
俺は4時間近く消えていたから、最初から起きていたとしたら、こんな嘘は簡単にわかってしまう。
だけど、頼介は
「そっか…。」
と言って、それ以上、訊いてこようとはしなかった。
その日以降も、頼介の様子に変わりはなかった。
俺の後を、金魚の糞のように付いてまわるのも同じ。
だけど、それがさらに酷くなっていった。
俺がトイレに行くのも、不安がる。
これじゃ、赤ん坊だ。
流石に周りも心配し始めた。
「GINJI、ちょっといいか?」
佐久間さんと社長が、頼介の目を盗んで、俺に話しかけてきた。
「RAISUKEの奴、専門的な病院で診てもらったほうがいいんじゃないか?」
俺は考え込んだ。
確かに、このまま悪化していくようだと心配だ。
将太くんも…このまま帰って来ない可能性もある。
「ちょっと、考えてみます。」
俺はそう答えた。
「GINJI、どこ!?」
頼介が俺の姿が見えない事に気付いて、探し始めた。
この話は、そこで終わりになった。
蓮介を相手にしていると、いつもの事なんだが、今夜は俺の方が求めた。
これ以上はお前の身体がもたないからと言う蓮介を、それでも挑発して、激しく交わった。
「銀司…。オイ、銀司!」
気が付くと、蓮介が俺を揺り起こしていた。
気が飛んでいたらしい。
「全く、無茶しやがって。抱き殺しちまったかと思ったぜ。」
蓮介はそう言って、溜息を吐く。
「そう簡単に死にやしないさ。」
俺は起き上がって、ベッドサイドに置いてあったミネラルウォーターのペットボトルを取り、一口含んだ。
ここは俺のマンションだ。
頼介のマンションから程近い。
将太くんのいる蓮介の部屋に行くわけにもいかないので、ここに蓮介を呼び出した。
「今日のお前、少しおかしかったな。何かあったのか?」
そう訊ねてくる蓮介に、俺は曖昧な返事をした。
頼介は将太くんの事を想っている。
その事を蓮介に伝えるのは、流石に憚られた。
頼介は蓮介の実弟で、将太くんは実の息子だ。
複雑な気持ち…程度では済まないだろう。
ただ、将太くんが出ていってからの、頼介の憔悴しきった様子は伝えた。
「そんなに酷かったのか!?」
「酷かったなんてもんじゃない。それこそ、アイツが死んじまうんじゃないかと思ったぜ。今も精神的に不安定だ。俺の姿が見えないと、子供のように探し回る。不安で仕方ないんだろう。」
蓮介は俯いた。
「‘会いに来てやれば’いいのに。将太の奴も、明らかに頼介の事を思って、ぼんやりしている時がある。」
この蓮介の言い回しに、ふと違和感を覚えた。
今、確か、‘迎えに来てやれば’ではなく、‘会いに来てやれば’と言ったな。
コイツ、頼介に将太くんを返すのが、嫌になってきたんじゃないのか?
「将太くんの方は…どうなんだ?」
俺は蓮介に訊いてみた。
「まあ、寂しがってはいるようだが、生活自体には慣れてきたみたいだ。ただ、ここ一連の出来事で、受験勉強に穴が開いたのが痛いかもな。俺の稼ぎじゃ、浪人されると、流石に厳しいから、何とか現役で受かってもらいたいが…。」
やっぱり…。
蓮介は、これから‘先’も、将太くんと暮らしていく事を考えている。
「これは、思ったより、難しくなりそうだ。」
俺は呟いた。
「なんだ?」
「何でもない。俺は頼介のマンションに戻るから、お前も帰れ。」
そう言って、俺は蓮介を追い出した。
タクシーで頼介のマンションまで戻る。
時刻はもう明け方だった。
俺はそっと玄関を開けた。
頼介を起こさないように寝室まで行き、ベッドで寝ている頼介の隣に入り込む。
だけど、寝ているにしては、頼介の身体が固い事に気が付いた。
「起きているのか?頼介。」
「うん。」
「起こしたか?すまなかった。」
そういうと、頼介はさらに身を固くした。
「ううん。ずっと起きてた。GINJI、どこ行ってたの?」
俺は答えに詰まる。
「ちょっと、コンビニに行っていた。」
俺は適当な嘘を吐いた。
頼介はいつから起きていたのだろう?
俺は4時間近く消えていたから、最初から起きていたとしたら、こんな嘘は簡単にわかってしまう。
だけど、頼介は
「そっか…。」
と言って、それ以上、訊いてこようとはしなかった。
その日以降も、頼介の様子に変わりはなかった。
俺の後を、金魚の糞のように付いてまわるのも同じ。
だけど、それがさらに酷くなっていった。
俺がトイレに行くのも、不安がる。
これじゃ、赤ん坊だ。
流石に周りも心配し始めた。
「GINJI、ちょっといいか?」
佐久間さんと社長が、頼介の目を盗んで、俺に話しかけてきた。
「RAISUKEの奴、専門的な病院で診てもらったほうがいいんじゃないか?」
俺は考え込んだ。
確かに、このまま悪化していくようだと心配だ。
将太くんも…このまま帰って来ない可能性もある。
「ちょっと、考えてみます。」
俺はそう答えた。
「GINJI、どこ!?」
頼介が俺の姿が見えない事に気付いて、探し始めた。
この話は、そこで終わりになった。
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