Cランク魔術師からSSランク魔術師を目指す!

ルルル

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32話 本当の自分

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 最初に仕掛けたのは、サキュア。
 さっきユアンに放った紫のビーム、それを壁でガードする先生、私たちは一度先生と距離を取り先輩、ウィデア先生の指示に従う。
 放たれた、ビームは壁を貫通し、先生の真横に落ちる。
 サキュアは、とても嬉しそうだ。

「いいじゃない、少しレベルが上がってるわね」

 先生のレベルでも貫通されたという事は私たちが防御しても、ビクともならないということだ。
 私たちとりあえず様子を見ることに徹する。

「炎射矢(ヴァンロー)」

 炎の矢が形成される、合図とともに、サキュアめがけて放たれる。
 しかしサキュアは魔法を駆使せず、止めた。

「くっ」

 先生の攻撃も通らないと、私たちの攻撃なんてありんこだ。

「うーん、この魔法は微妙ね、じゃあこれならどうかしら?」

 私たちの方めがけて、先程放たれた、ビームが放たれた。

「ドーン」

 先生は走って、こちらに来るが間に合わない、先輩が壁を使って防御に入る、その間に私たちは、姿勢を低くして、距離を離れていく。

「サキュア! 話が違うぞ!」

 サキュアは私たちを攻撃しないと、言っていた。
 ビームが壁にぶち当たる際、ニヤリと笑い、右手の人差し指を、先生の方に向けると、壁には当たらず、走って来ている先生の方へ軌道が変わった。
 すぐに、壁を作った。

 壁にぶち当たった際になった音がうるさい。

「どういうこと!」

 イオリが先輩が作った壁から、顔をひょっこり覗かせると、サキュアは高笑いしていた。

「あー、おもしろい! ウルクいったじゃない、私はあの人たちを攻撃しないって、これで分かったわ、ウルクはもう私のことを信用してないことがね」

 軌道変化により少し威力が下がっていたお陰で、守ることができた。
 先生は煙の中から出てくる。

「お前ならやりかねないと思ったさ」

---

「ウルク来てくれたのー! ねえねえ、リュウガイ、ウルクと勝負してよ!」

 ある日、反魔法軍に入ることになった、その日に古参のリュウガイと勝負をすることになる。

「でも、いいのですか?」
「何が? もしかして勝てると思ってるのリュウガイ?」

 リュウガイは自信に満ちている。

「勝てます」

 そういい指定された場所に、早々と足を運ぶ。
 リュウガイがそこからいなくなると、私だけに聞こえるボリュームで話す。

「あなたに期待しているわ」

 リュウガイと初めて対戦することになった。

---

 結果は私の勝ちだ。
 瀕死までは持って行ってないが、ギリギリになってサキュアが止めに入った、もし止めに来ていなかったら殺していたかもしれない。

「リュウガイ、負けちゃったねー、さっきまでの威勢は?」

 リュウガイはとても悔しそうだった、倒れながらサキュアの顔を見ながら話す。

「少し見くびっていたようですね」

 周りの警備に運ばれて連れていかれた、その姿を眺めていると、サキュアがこちらに近づいてくる。

「ウルク、強いねー、もらって来てよかったー!」

「もらって来て?」私は自分の意思できたつもりだ。
 その事は胸中に置いておき、話す。

「彼もなかなか強かったですよ」

 正直その時のリュウガイは、お世辞でも強いとは言えなかった、サキュアは楽しそうに笑う。

「あはは、そっかー、互いに高められてよかったね! 今日はもう疲れたでしょ? 何もしなくていいからゆっくりしていなさい」

 お言葉に甘えて、その日はゆっくりした、意外といいところなのか? とも考えた。

 ---次の日---

 私が寝ている部屋を駆け足で上がってくるサキュア、勢いよく扉を開ける。

「ウルク、今日はしっかりと働いてもらうよー?」

 隣にいる警備の人に覆面を渡されて、かぶるように言われた。

「今日は、アサキドにいって、この人たちをここに連れてきてもらえる?」

 写真を見せられ、写っているのは若い男性二人。
 理由を聞いても何も答えない。

「なんで?」

 私の唇に人差し指を置いて囁くように言った。

「なんでとか、考えなくていいわよ、私を信用して動いてくれれば」

 私はその案件も何事もなくこなした、それから次々と案件が来るようになり、何一つ失敗せず成功させた。

 入ってから二年が経っただろうか? 私は本当の私なのかと考えるようになった。

(お前は本当のお前か?)
(偽ってはいないか?)
(騙されてはいないか?)

 日に日にエスカレートしていき、とうとう私は思い出した。
「そうだ、私は奴とは敵だ」

 思い出したが、行動に移すのは難しい、とりあえず今まで通りこなすことを心がけると、いきなりサキュア本人から話があると言って部屋を訪ねてきた。

「ウルク、あなたは明日で任務を終える」

 明日さえ終われば、ここから出ることができるということだ。
 こみ上げる気持ちを押し殺し、話をする。

「そうですか、残念です」

 その事を伝えると、すぐに部屋を出た。


 ---次の日---

 最後の任務をこなし、ここから出る準備をする。

(だが、ここから出て最初に何をすればいいんだろう)

 ずっとここにいた私が外に出て何ができる? そう考えたが、何も思いつかない。
 支度ができ、サキュアに挨拶をしにくい。

「サキュア、二年間ありがとう、また顔を見せにくる」

 私の挨拶には何も答えず、外に行くのをじっと見つめていた。

「あれでいいのですか?」
「リュウガイ、心配しなくてくるわよ、次は敵として」

---

 それからすぐに私はお世話になった、学園に声をかけられ、教師にならないか? と言われ、やる事もないし、受けようと思い、軽い気持ちで教師になることになった。
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