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第三話……パーティーメンバーを変更する予定なんだが……
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このノウズ地方では、北の森からモンスターが湧いて出てくる。正確には、森の北部のほとんど倒木しかない所にある洞窟の中からだ。
その洞窟の入口は、それぞれ距離が離れて複数あり、そこからレベル毎に異なるモンスターが出てくるという、ギルドや冒険者にとっては都合の良い仕組みになっている。
ママが言うには、元々、ノウズ地方は神様が我々のために創った土地として伝えられていて、その仕組みについても、我々のために創ってくださったと、みんなには解釈されている。
当然、俺もその通りに解釈していて、なぜなら、俺が子供の頃、この森で迷子になった時に、ギルドの仕事を手伝っていたママが突然神託を受け、それに従って探すと、すぐに見つかったと言われ、それから俺もママも、ずっと神様の存在を信じているからだ。
その後、ママは正式に冒険者になり、ダブルAランクまで順調に登り詰め、妊娠をきっかけに引退して、今はギルドマスターの任に就いているという背景がある。
「モンスターと対峙する前に聞いておきたいんだけど、バクスのスキルは何?」
ビーズが俺に当然の質問をしてきた。全員のスキルを把握しておいた方が、戦闘時に動きやすくなるからだ。
ただ、俺はその質問に答えることができない。
「すまないが言えない。と言うか、俺も知らないんだ。ママだけが知っている。俺のスキルは『指定重要機密スキル』だって」
「っ……! なるほどね……。あたし達が前にいたギルドでは、バクスの噂は流れてきても、スキルまでは伝わってこなかったからさ。どうりでね……。ギルド外にその情報を流すと捕まっちゃうからか。
ということは、戦闘や日常では全く分からないような特殊系スキルだってことになるけど、じゃあ、どうしてママは知ってるんだい? 明らかに何らかのスキルで知ったってことだよね?」
「ママのスキルも指定重要機密スキルに該当するらしいんだよ。それこそ、この世界の誰にも公表されていない。もちろん、俺でさえ知らない」
ただ、俺の予想では、いや、間違いなく、あの時の神託に関連するスキルだと思っているが、それはママと神のみぞ知るというわけだ。
もし、俺がその件だけでも周りに言いふらしてしまうと、簡単にママのスキルを推測できるようになり、冗談じゃなく国から死刑を言い渡される。
「……。私が思っていた以上に『マリレイヴズ』はすごかったんだ……。指定重要機密スキル保持者なんて、今まで聞いたことも会ったこともなかったのに、こんな身近に二人もいるなんて……。可能性を考えなかったわけじゃないけど……。
ママがダブルAランクだったっていう噂も、それだけで納得できる……。しかも、国家最高スキル保護観察官の資格も持ってるってことだし、そもそも国家認定最高ランクギルドじゃないと、指定重要機密スキル保持者を複数登録できない……。
『マリレイヴズ』では、そんなこと一言も言ってなかったのに。実力問わず人を集めるための宣伝は必要ないってことなのかな……。事情を知っている真の強者のみでいいみたいな……。
ママが才能やスキルを見抜けるんだとしたら、どうして私なんかが……」
ビーズがブツブツと独り言を言っているようだが、独り言だと口調が変わるのだろうか。一人称まで変わっているから、それだけ聞くと、後ろのディーズが言っているように感じるが、もちろん彼女の口は動いていない。ただ、呆然と前を見ているようで、シーズも同じような感じだ。
そう言えば、シーズの声は一度も聞いたことがないな。寡黙そうだしな。
「そんなに自分達の実力が不安か? 俺が言うのも何だが、お前達なら大丈夫だと思うぞ。そうじゃないと、ママも許可しない」
「え⁉️ あ……え? もしかして、聞こえて……」
「え?」
俺が戸惑ったのもそのはず、俺がビーズに話しかけて、反応したのがビーズではなく、なぜかディーズだったからだ。
「あ、すみません……。何でもありません……」
「……。ああ、例の連携スキルをもう使っているのか? 意思疎通しすぎて、お互いの考えが誰の考えか分からなくなる時があるとか」
「あ、はい……その通りです……。流石、バクスさんですね。戦闘時は問題ありません。むしろ、良い方向に働きます」
「そうか。なら良いんだが……。ああ、俺のことはバクスでいいぞ。俺が勇者になった時は『バクス様』と呼んでくれてかまわないが」
「え? でも、そしたら『勇者管理組合』が……」
「勇者管理組合? 『勇者ギルド』のことか? まぁ、いつかはそっちに所属することになるな」
「……。分かりました。それでは、バクス。改めて、よろしくお願いしますね」
「ああ、よろしく。ディーズは無口かと思っていたが、意外に喋る方なんだな。じゃあ、シーズも……」
「…………」
「あ、うん……やっぱりそうだよな……」
ディーズの不安と緊張は解けたようで、全く喋らないシーズを俺と一緒に見上げて笑っていた。
モンスターとの戦闘前では、こういう精神的なケアもリーダーとして当然の責務だ。もちろん、気が緩みすぎるのは良くないから、ある程度の加減が重要だ。
だが、アイツらの場合は、俺がケアすることもないほど、度を越して気が緩んでいたから、危なっかしくてしょうがなかった。
まぁ、その必要はもうないから、安心してモンスターの討伐に向かえるんだが……。
その洞窟の入口は、それぞれ距離が離れて複数あり、そこからレベル毎に異なるモンスターが出てくるという、ギルドや冒険者にとっては都合の良い仕組みになっている。
ママが言うには、元々、ノウズ地方は神様が我々のために創った土地として伝えられていて、その仕組みについても、我々のために創ってくださったと、みんなには解釈されている。
当然、俺もその通りに解釈していて、なぜなら、俺が子供の頃、この森で迷子になった時に、ギルドの仕事を手伝っていたママが突然神託を受け、それに従って探すと、すぐに見つかったと言われ、それから俺もママも、ずっと神様の存在を信じているからだ。
その後、ママは正式に冒険者になり、ダブルAランクまで順調に登り詰め、妊娠をきっかけに引退して、今はギルドマスターの任に就いているという背景がある。
「モンスターと対峙する前に聞いておきたいんだけど、バクスのスキルは何?」
ビーズが俺に当然の質問をしてきた。全員のスキルを把握しておいた方が、戦闘時に動きやすくなるからだ。
ただ、俺はその質問に答えることができない。
「すまないが言えない。と言うか、俺も知らないんだ。ママだけが知っている。俺のスキルは『指定重要機密スキル』だって」
「っ……! なるほどね……。あたし達が前にいたギルドでは、バクスの噂は流れてきても、スキルまでは伝わってこなかったからさ。どうりでね……。ギルド外にその情報を流すと捕まっちゃうからか。
ということは、戦闘や日常では全く分からないような特殊系スキルだってことになるけど、じゃあ、どうしてママは知ってるんだい? 明らかに何らかのスキルで知ったってことだよね?」
「ママのスキルも指定重要機密スキルに該当するらしいんだよ。それこそ、この世界の誰にも公表されていない。もちろん、俺でさえ知らない」
ただ、俺の予想では、いや、間違いなく、あの時の神託に関連するスキルだと思っているが、それはママと神のみぞ知るというわけだ。
もし、俺がその件だけでも周りに言いふらしてしまうと、簡単にママのスキルを推測できるようになり、冗談じゃなく国から死刑を言い渡される。
「……。私が思っていた以上に『マリレイヴズ』はすごかったんだ……。指定重要機密スキル保持者なんて、今まで聞いたことも会ったこともなかったのに、こんな身近に二人もいるなんて……。可能性を考えなかったわけじゃないけど……。
ママがダブルAランクだったっていう噂も、それだけで納得できる……。しかも、国家最高スキル保護観察官の資格も持ってるってことだし、そもそも国家認定最高ランクギルドじゃないと、指定重要機密スキル保持者を複数登録できない……。
『マリレイヴズ』では、そんなこと一言も言ってなかったのに。実力問わず人を集めるための宣伝は必要ないってことなのかな……。事情を知っている真の強者のみでいいみたいな……。
ママが才能やスキルを見抜けるんだとしたら、どうして私なんかが……」
ビーズがブツブツと独り言を言っているようだが、独り言だと口調が変わるのだろうか。一人称まで変わっているから、それだけ聞くと、後ろのディーズが言っているように感じるが、もちろん彼女の口は動いていない。ただ、呆然と前を見ているようで、シーズも同じような感じだ。
そう言えば、シーズの声は一度も聞いたことがないな。寡黙そうだしな。
「そんなに自分達の実力が不安か? 俺が言うのも何だが、お前達なら大丈夫だと思うぞ。そうじゃないと、ママも許可しない」
「え⁉️ あ……え? もしかして、聞こえて……」
「え?」
俺が戸惑ったのもそのはず、俺がビーズに話しかけて、反応したのがビーズではなく、なぜかディーズだったからだ。
「あ、すみません……。何でもありません……」
「……。ああ、例の連携スキルをもう使っているのか? 意思疎通しすぎて、お互いの考えが誰の考えか分からなくなる時があるとか」
「あ、はい……その通りです……。流石、バクスさんですね。戦闘時は問題ありません。むしろ、良い方向に働きます」
「そうか。なら良いんだが……。ああ、俺のことはバクスでいいぞ。俺が勇者になった時は『バクス様』と呼んでくれてかまわないが」
「え? でも、そしたら『勇者管理組合』が……」
「勇者管理組合? 『勇者ギルド』のことか? まぁ、いつかはそっちに所属することになるな」
「……。分かりました。それでは、バクス。改めて、よろしくお願いしますね」
「ああ、よろしく。ディーズは無口かと思っていたが、意外に喋る方なんだな。じゃあ、シーズも……」
「…………」
「あ、うん……やっぱりそうだよな……」
ディーズの不安と緊張は解けたようで、全く喋らないシーズを俺と一緒に見上げて笑っていた。
モンスターとの戦闘前では、こういう精神的なケアもリーダーとして当然の責務だ。もちろん、気が緩みすぎるのは良くないから、ある程度の加減が重要だ。
だが、アイツらの場合は、俺がケアすることもないほど、度を越して気が緩んでいたから、危なっかしくてしょうがなかった。
まぁ、その必要はもうないから、安心してモンスターの討伐に向かえるんだが……。
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