どうして僕が狙われるんだろう

mell0812

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36話 殺したくない人

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[うめ]



「2人でかかっておいで。」と彼女はにやけながなら言った。

「やだね。」

「なぜ? 私はあなた達を殺そうとしてるのよ?」

「だって、昔私たちの面倒見てくれたじゃんね。 もう誰も死んで欲しくないよ。」

「何言ってんの? 人を殺してる殺し屋がそんな事言うもんじゃないわよ。 」

「いいでしょ! ねえ、なぎ!」

地面に尻を着けたまま呆気に取られたまま聞いていたなぎにいきなり聞いた。

「え! あ、もちろん鍛えてくれた人に死んで欲しくないし、殺したくない。」



 「分かったわ、なら大人しく殺されてね」

彼女は片手にナイフを持ち、静かになぎに近寄った。

「ねぇなぎ! 早く逃げて!」

(やばい、なぎが殺される。)

「うん」

なぎはサッと立ち上がり、10メートル離れているドアにいる私の方へ走って逃げた。

だがゆっくり歩いてきた彼女が急に走り出した。

なぎがこっちに向かってる間にエレベーターの下矢印のボタンを押した。



あともうちょっとでなぎが私に追いつく。

(やばい、 追いつかれる!)彼女となぎのはあと5メートルぐらいの距離。

エレベーターが到着し扉が開いた。

急いでエレベーターに入ろうとした瞬間、なぎが追いつき刺されそうだった。

(やばい!)



私は咄嗟になぎに駆け寄り、彼女に飛び膝蹴りをした。

「ごめんなさい!」

「なに謝ってんのよ。」彼女はナイフを持ってない手で防がれた。

すると腹に痛みが走った。

「いった! なんなのね!」

痛みが来た箇所からグサッと抜かれ刺された箇所から血がどんどん出てきた。

「うめ! 大丈夫?」

エレベーターの中に入ったなぎが叫んだ。

「うん、なんとか。 でも彼女が」

「もう逃がさないわよ。」

彼女は持っているナイフを上げ、目の前にいる私に向かってナイフを振り下ろそうとする。

(やばい、何とかしないと。)

凄いスピードでナイフを振り下ろす、するとなぎが彼女を掴もうと通り過ぎた。



ギリギリの所でナイフが止まった。なぎが腕を掴み止めている。

「なぎ.....」

「早く逃げて」

私は腹を押さえながら、エレベーターまで歩き、入ると1階のボタンを押し、なぎが入ってすぐ降りられるように閉まるボタンを連打した。



なぎを見ると、彼女の腕を掴みながら後ろに回り、背中を思いっきり蹴った。

「もう、何すんのよ。」

彼女は後ろから蹴られた衝撃でバランスを崩し前に倒れた。



なぎは閉まり始めるすぐ近くのエレベーターに向かって走り出した。

「なぎ早く!」

エレベーターが閉まり始めた。

そしてエレベーターが半分まで閉まる所で、スルッと体を横にしながら入った。

「よかった! 間に合った!」となぎは間に合ってほっとしていた。

「あなたたち覚えてなさいよ。 次は逃がさないから。」

ドアが閉まる寸前まで話していた。

「戦わずに済む方法ないのかな?」

「何言ってんのうめ、もう無理だよ。 てかその傷大丈夫?」私が傷口を抑え血が止まらないのに気づいていた。

「リュック持ってきたらよかった。 でも大丈夫だよ」

「ほんと? 顔色悪いよ。」

「それよりも警察からなんとか逃げないと。」

そしてチンッと鳴り、1の文字が光った。

そして目の前の扉が開いた。



 すると「おんぶするから上乗って。」

となぎはしゃがみ、おんぶの格好をした。

「え、なにしてんのね?」

「いいから早く! そんなんじゃ走れないでしょ?」

「分かったよね。」

私はなぎの上に乗りおんぶしてもらった。

(おんぶしてもらったの、いつぶりだろね。 なんか懐かしいね。)



 そして私は抱っこされながら意識を保つ事に集中した。

そしてたくさんの死体や血だらけのエントランスに着いた。



そこにはテニス野郎とマッチョがいた。

壁全てがガラス張りになっていて、外の様子が見えた。

外にはパトカーや警察官がビルの前を全方位囲んでいた。。

拡声器を持った警察官が「出てこないなら、今からでも突入するぞ。」

と私たちに話しかけていた。

実際に警察官何人かで窓ガラスを割る準備をしている。

入り口の大きなドアドアには、マッチョがやってくれたであろうソファや机が積み立てられていた。



 「ねえ、大丈夫だったの? 電話出なかったけど。」

「あーすまなかったね。 ついドアを遮るのに集中してしまってね。」

(そうだったね。 マッチョは集中しすぎると周りが見えなくなるんだったね。)

みんなはこういう警察官に囲まれることは何度もあって慣れている。

「なるほどね、助かったよ!」

「うめをおんぶしてるけど、どうしたんだい?」

急に私の事を聞かれビクッとした。

「ナイフで刺されちゃったんだ。」

「そうなのかい。 私が変わるよ。」

「いやだよ。 汗だらけの上半身裸の男にだっこさされるなんてね。」

となぎを強く抱きしめた。

「えーそんな。 なら雄飛くんはどうだい?」 とショック受けながら、外にいる警察官をぼーっと眺めているテニス野郎に振った。

「余計に無理。 テニス野郎にだっこされるなら歩いたほうがいいね。」

「おいおい、露出狂。 俺を巻き込むなよ。 おれもそんな奴だっこしたくねえよ。」

「フンッ......」

「露出狂.......」

二人とも傷ついた。

「元気じゃんこいつ。」とテニス野郎はうめを指差した。



 「そんな事より、どうやって逃げるの?」

喋っている間も警察官が拡声器で何かを喋っていた。

「任せなさい。 こんな時のために柴さんから聞いてたんだよ。」とドヤ顔でマッスルフォームしだした。

(何してんの? こんな時に)



 [みさき達]



 遠距離部隊に敵を任せた後、私たちは敵を通り過ぎ目の前にあるドアを開け、入った。

そこにはまた50メートルぐらいの狭い廊下が続いていた。 天井に電気あったおかげで明るかった。

「みんな大丈夫かな?」

「大丈夫だよ! だって今までいっしょに鍛えたんだから。」と悠里。

「おれらの仲間を舐めてもらったら困る」と剛士。

「なら大丈夫だね!」

全員でこの長い廊下を走った。

突然、正義がグループ通話で「みんな! このビル大変なことになってるよ!」

「どういうこと?」

「分からない、でも4人組ら暴れてるみたいだ!」

「どういうこと?」と悠里。

「もっと分かりやすく言ってくれ!」と剛士。

「そんな事言われても!」と正義は不良に強く言われ泣きそうになっているのが声から分かった。

「分かった! メガネ君! まずは道哉くんを優先するわ!」

そこで会話は途切れた。



 ついにドアの前に辿り着き、ドアを開けた。

その部屋はなんの灯りも無く、真っ暗な部屋で入ると血生臭いにおいがした。



「何この匂い? くさい」みんなが服の袖で鼻を押さえだした。

みさきがスマホの灯りを点けると、目の前に椅子に縛られぐったりとしている道哉がいた。

「道哉くん! 大丈夫?」みさきは道哉にスマホを落とし、真っ先に駆け寄った。

「気をつけろ」覇気のない弱り切った声がした。

近くで見ると服が血だらけになっていた。

「どうしたの? この血は?」

「おれはいい。 後ろの奴と痛めつけるのが好きな奴に気をつけろ。」

「何言ってんの?」

「危ない! みさきちゃん!」と悠里がみさきに叫んだ。

暗闇の中にランプを持っている体がごつい不気味な奴が、みさきに向かって中華包丁のような物で斬りつけようと右腕を大きく振り上げようとしている。

だが叫んでも道哉が心配で聞こえていなかった。



 そこで悠里がランプの灯りに向かって、飛び蹴りをした。

当たったがビクともせず、硬く石のような物を蹴った感触だった。

振り上げた腕は上がったままでいつ振り下ろしてもおかしくなかった。



「だめだ! 剛士頼んだよ!」

「しゃあねえな!」剛士はみさきを抱きかかえ違う場所に移動した。

「何すんのよ! どうしたの?」

「お前危なかったぞ! やばい奴に殺されそうだったぞ!」

部屋の端っこに移動し、みさきを降ろした。

「ゆうりとあいつを倒すわ。 だからランプの灯りに向かって照らしてくれ。」

「分かった。」と言いみさきは落ちているスマホを取りに行く。 そして奥の方を照らすと、そこには不気味な景色が広がっていた。

その景色を見た瞬間、血生臭い正体が分かりぶわああと鳥肌が立った。



(続く)
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