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第19話 ミス
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通話履歴の一番最初。そこには淳の名前。
ワンコール。ツーコールで通話時間0:00の表示。
「もしもし、淳?」
「うん。椎太クン。なーに? うふふ」
「実は淳にお願いがあるんだ」
「え? それって何かな。恋人だからできること? うふふ」
「ねぇ、淳。真面目にキミには転校してもらいたい」
「……え?」
「それは、キミを危険から守るためなんだ」
「え? うん……」
「実はオレもエスパーなんだ。だから未来が見えたんだ。キミが崖から落ちる姿を。淳は知らないかも知れないけど、あの崖はこの市の沿岸部から隣町へいく線にある途中の景色なんだ。だからこそ、キミはこの市から離れる必要があるんだ!」
我ながらスムーズな説得。
これならば淳も納得してくれる。
オレは勝利を確信した。
「ねぇ椎太クン」
「うん。分かってくれた?」
「オレ『も』ってどういうこと?」
──────ッ!!
しまったーッ!
そうだ。予知が出来るだけでは淳がエスパーだと言うことまでは分からない。
淳が予知できる能力を知るはずがないんだ。
オレが心を読めない限り、それを知りうる術は無い。
「と、とにかくさ」
「…………」
「淳にはこの街から出て欲しい」
「……うん」
「今すぐにでも」
「椎太クンはサ」
「うん」
「もう淳のことが嫌いなの?」
淳の泣きぐずる音が聞こえる。
そんなわけない。好きだから。一緒にいたいから。だから街から出て行ったほうが安全なんじゃないか。
「違う。淳のことを考えてのことだよ。淳だって何度もあの夢を見てるんだろ。だから信じて欲しい。オレの気持ちを」
しかし、淳は黙ったままだ。
オレもどうしていいか分からずに黙ってしまった。しばらくして小さな声を出したのは淳のほうだった。
「……分かった」
「本当!?」
「なんで椎太クンが夢のことを知ってるかは分からないわ。でも椎太クンが言ってるから信じる。私、明日の朝、頼れる親戚の元に行って、転校の手続きをしてくるわ」
「そうそう。それがいいよ」
疑われたけど──。
淳は分かってくれた。これで一安心だ。
オレはベッドに入り、そのまま眠りについた。
通話履歴の一番最初。そこには淳の名前。
ワンコール。ツーコールで通話時間0:00の表示。
「もしもし、淳?」
「うん。椎太クン。なーに? うふふ」
「実は淳にお願いがあるんだ」
「え? それって何かな。恋人だからできること? うふふ」
「ねぇ、淳。真面目にキミには転校してもらいたい」
「……え?」
「それは、キミを危険から守るためなんだ」
「え? うん……」
「実はオレもエスパーなんだ。だから未来が見えたんだ。キミが崖から落ちる姿を。淳は知らないかも知れないけど、あの崖はこの市の沿岸部から隣町へいく線にある途中の景色なんだ。だからこそ、キミはこの市から離れる必要があるんだ!」
我ながらスムーズな説得。
これならば淳も納得してくれる。
オレは勝利を確信した。
「ねぇ椎太クン」
「うん。分かってくれた?」
「オレ『も』ってどういうこと?」
──────ッ!!
しまったーッ!
そうだ。予知が出来るだけでは淳がエスパーだと言うことまでは分からない。
淳が予知できる能力を知るはずがないんだ。
オレが心を読めない限り、それを知りうる術は無い。
「と、とにかくさ」
「…………」
「淳にはこの街から出て欲しい」
「……うん」
「今すぐにでも」
「椎太クンはサ」
「うん」
「もう淳のことが嫌いなの?」
淳の泣きぐずる音が聞こえる。
そんなわけない。好きだから。一緒にいたいから。だから街から出て行ったほうが安全なんじゃないか。
「違う。淳のことを考えてのことだよ。淳だって何度もあの夢を見てるんだろ。だから信じて欲しい。オレの気持ちを」
しかし、淳は黙ったままだ。
オレもどうしていいか分からずに黙ってしまった。しばらくして小さな声を出したのは淳のほうだった。
「……分かった」
「本当!?」
「なんで椎太クンが夢のことを知ってるかは分からないわ。でも椎太クンが言ってるから信じる。私、明日の朝、頼れる親戚の元に行って、転校の手続きをしてくるわ」
「そうそう。それがいいよ」
疑われたけど──。
淳は分かってくれた。これで一安心だ。
オレはベッドに入り、そのまま眠りについた。
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