JSB Experimental Ride

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再び世界へ

Round2 もてぎ8耐トライアウト

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前回の鈴鹿から舞台をモビリティリゾートもてぎに移して迎えた第2戦。今回は鈴鹿8耐への出場権を掛けた「トライアウト」も兼ねているが、適応されるクラスがJSB1000なので急遽そっちに鞍替えしてのエントリーとなった。その為、MD213VFはお休みとなった。俺はここに来てドゥカティカガヤマ同様の手法を講じることにした。何と、WSBK仕様のワークスマシンを引っ張り出してきたのだ。と言うよりもHRC側もシード権行使を行っているが、このレースにWSBKワークス軍団で乗り込んで来た。モリワキ含めてとんでもない台数のMC82後期型がJSB1000へと襲来する事になった。もちろん俺らモリワキもWSBKワークスの一員としてノミネートされてるのですぐに対応できるのだ。HRC側の目論見としては「このレースで8耐の編成を決めたい。」と言う考えがあるのだろう。俺は久しぶりに「専用機」を乗る事にした。いろはちゃんは初のWSBKスペックの為、色々適応させる必要がある為、俺の「専用機」に乗る事になった。当初は上が俺のマシンに乗せたがってたらしいが、俺が「いくらルーキーとはいえ、俺専用機を貸すことはできない。現にあれをマトモに乗れて扱えたライダーは、俺と香里奈ちゃん以外誰がいる?居ないでしょ!他に乗りこなせたライダー答えられたら良いよ、乗せてやっても。そこまでして乗せてやってと言うならばいいよ。前期型に現行パーツを組み込んだのを与えても。ただ、後からグチグチ文句言いに来ないでね。」と現行型を乗せるには危険過ぎると、止めに入った代わりに2022年に俺が王座獲得をしたマシンに、現行パーツを組み込んだのを与えてくれと言って貸与する流れになったのだ。こうして総勢10台以上の1000RR-RWがもてぎに襲来。しかもJSB1000という「市販車最高峰クラス」に。久しぶりの参戦に俺は、テンション上がりっぱですぐにでも走りたかった。迎えたフリー走行では、8耐の選考も兼ねているのでブリジストンを使って走る事にした。ただ耐久レースとスプリントレースでは求められるスペックが違う為、それに慣れるのに時間を割く事にした。トップタイムは、俺が叩き出した。予選では、ハルクプロとの一騎打ちを演じて俺がポールを獲得。その後に皆続く結果になった。決勝では、念願だったヤマハワークスとのバトルが実現。「JSB1000絶対王者」と言われている中須賀克行選手と「同じ土俵」で戦える日が本当に待ち遠しかった。俺は「普段通り」にマシンをグリッドへと並べてレースの時を待ち侘びていた。8耐ライダー選考も兼ねているこのレースは、何が何でも勝ちたいレースなのだ。そして、シグナルがブラックアウトしたと同時に勢い良くスタート。リアクションタイムは、俺が一番早かった。そのままホールショットも俺が死守してトップで最初の1周を終えた。中盤戦に入ると一気にレースが荒れだした。俺はサインボードを見るやいなや、「ん?Mizuno+0.85?何かの勘違いか…?いや…違う!追っかけてきてる!しかも乗ってる個体バウティスタのやつじゃん!ヤバいって!」と焦り始めていた。そう、水野選手が乗ってる個体はバウティスタが2021年に王者獲得したやつと同一個体だったのだ。俺は何としても今季初勝利を挙げたかったので、最後の最後まで引き離すしか手段が無かったのだ。美海は美海で自分のペースを崩すこと無く安定した走りをしている。星奈に関しては、いろはちゃんをあっさり処理して何食わぬ感じで走っていた。レースはいよいよファイナルラップを迎えた。俺は最後までタイヤが持つかどうかの際どいラインで走っていた。確かにドゥカティのパニガーレはV4でパワーがある。対するこっちは4発でコーナリングなら引けを取る事など無い。そう考えた俺は、V4の「欠点」を逆手どった走りを披露した。俺はコーナーで加速できるだけ加速してパニガーレを引き離した。遂にビクトリーコーナーを立ち上がってそのまま逃げ切ってトップでゴール。今季初勝利を挙げる事が出来た。いろはちゃんは、最後の最後で星奈を仕留めて3位を奪取してフィニッシュ。美海は5位と皆トップ10に食い込む走りをして、8耐トライアウトを終える事が出来た。
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