MotoGP HRC Development&Reserve Rider Memory

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縁の下の力持ち、そして、ワイルドカードエントリー。

第10話 ミサノの裏側

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これは第4話とリンクしてる話だよ。実はミサノでの来季型マシンのテストの際、高速コーナーで思いっきりコケて右手親指を負傷したなんて言ったけど、あれかなり応えたよ。まずは事の一部始終から。まずは高速コーナーでフルスロットル、そこでフロントから切り込んでしまい大転倒。幸いすっ飛んだ場所がグラベルだったから良かったけど、アスファルトだったら最悪の事態も考えた。そして俺はこの時に、上手く受け身が取れずに着地。この瞬間エアバッグが作動してくれたおかげで身体には大したダメージは無かった。むしろこれでエアバッグの恩恵を知る事になった良い機会でもあった。ちなみに2回使えるけど2回目は鎖骨ご臨終コース(過去にクラッチローが、それやってマジで鎖骨折ったとか言うの聞いたことある。)なので1回使ったら新しいのに変えるようにしている。だけど最初の内は、何度も経験してるから分かるけど、アドレナリンダバダバ出ていて痛みなんてもん皆無なんだよね。その後に担架上で右手親指にとてつもない激痛が走って、とてもじゃないけど走れたもんじゃないレベルだった為、現地の病院へ1度ドナドナされた。そして医者から言われたのが「これで亜脱臼というのがほぼ奇跡としか言い様が無いよ。君、相当、運良いよ。」という言葉を言われたっけ。その後、日本へ緊急帰国をして、病院へと向かい色々と検査したり応急処置を施した後、再び現地入りをして、まずはブラドルに「ごめん!ステファン!あんたに膨大な量の仕事押し付けちゃって!」と謝るとブラドルは「良いよ良いよ。気にしないで。俺も久しぶりにあんな量のテストとかこなしたし。むしろヒカルが少しでも減らそうと頑張ってくれたおかげで、こっちもかなり円滑に進められた。だから、謝る必要なんて無い。」と逆に俺を励ましてくれた。そしてその後は、アルパインスターズに特注で「例のアレ」を作らせたりと色々対処してレースを走った。そしてシーズンエンドに帰国して改めて怪我の治療に専念していた。実際、俺は、コケても骨折しない受け身を体得してる為、1度も骨折したことが無い。それとKabutoのヘルメットにもかなり助けられている。あのスピードでコケても脳震盪1つ起こすこと無く普通に歩けるのだから。あとはクシタニのツナギやグローブ、ブーツにもだ。これはどのライダーにも言えるけど、自分に合った物が一番だということ。だけど、幸いツナギをハサミで切られるという事は避けられた。だけど転んでから暫くは「何やってんだ?俺?」という感じで意識とかはあって、ひとまず脊椎とかをやってないかチェックする為にじたばたしたりしてチェックをしていた。その直後、マーシャルさん達が来て、「大丈夫か?体とか動くか?」とか色々聞いてきて、俺は、「あぁ、無事だよ。意識もあるし脊椎もやってない。だけど右手親指が妙に痛むんだ。」と言って担架で病院までドナドナされた。
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