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縁の下の力持ち、そして、ワイルドカードエントリー。
第16話 2度目のGP
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前回のブリーラムから、オーストラリアのフィリップアイランドに、舞台を移して迎えた第18戦。今回は、LCRのツナギが出来ていたので、そちらで走る事にした。俺に、2回もGPで走るチャンスをくれた、ルーチョさんには、本当に感謝しか無い。MotoGPクラス初日のFP1は、強風の影響をモロに喰らい、リズムを掻き乱され、22番手に沈み、タイムも思う様なタイムが出せなかった。FP2は、19周走ったが、リズムを掴んだのか、3番手にジャンプアップ。だけど、コーナリング時に、リアが暴れるのが、問題点として挙げるべき所だ。あとは、スイングアームが、WSBKでも使ってる、カレックス製のカーボンスイングアームでは無くて、ホンダ純正のアルミスイングアームの為、すごく重く感じた。これは、来季型をやってく上で、大きな課題になりそうだ。続くFP3では、レプソル・ホンダのマルケス(マルクの方)に次ぐ2位と、ペースを上げていき、迎えた予選。日本GPからマルケスが、突如覚醒して、ポールを取ったりと、速さを取り戻しつつあるホンダ勢。俺も、2戦目にして、速さを取り戻しつつあった。ただ、このコースは、動物が出て来たりと、他のコースに比べて、超ハイリスクなコースでもある。そして、予選が始まった。俺は、マルケスが出た後にコースイン。そして、アタック開始。実は、俺の(本当はタカ先輩の)RC213Vは、シートカウルをひと工夫しており、タカ先輩とは、かなりの身長差(俺は160cmで、タカ先輩は、174cm)がある俺には、あのまま乗れる訳なんて当然無い訳で、俺専用の、取り外し可能な、シートカウルを装着している。これまた「急造品」なのにも関わらず、すごくフィットしてて、気に入ってる。そして、低身長、低体重なのが味方して、かなりトリッキーな挙動が出来るので、これで、マルケスに差をつける事が出来る。そして、このコースでは、「ノリック走法」が役に立つので、上半身を起こせるだけ起こして、バンクした。本来ならば、2st向きの乗り方だが、4stでも使える為、よく使い分けているというレースライダーでも、まず居ない「二刀流」で戦う、唯一無二のライダーでもある。そして、タイムも、マルケスより速いタイムで、ポールを獲得。今回は、前のタイみたいなレースにはならなさそうなので、思いっきり走ろうと思う。そして、決勝。俺は、抜群のスタートを決めて、トップをマルケスから奪った。そして、自分のペースで、レースを進めることに。そして、終始安定した走りで、優勝。マルケスも2位に入り、3位にはスズキのリンスが入った。弟の方は、リタイアという結果になった。これで、俺の今シーズンのMotoGPは、一応「終わり」という事になった。あとは、タカ先輩かテツさんに任せる事にした。レース後に、ルーチョさんから、「タイから今回のオーストラリアまで、急遽代役として走ってくれて助かったよ。一時はどうしようか悩んだけど、声かけて良かったよ。」と大満足だった。
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