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縁の下の力持ち、そして、ワイルドカードエントリー。
第17話 全日本ロードレース選手権 規定変更の巻
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バイクレースも、シーズン開幕を間近に控えた、今月。とある通達が全メーカーに通達された。その通知は「全日本ロードレース選手権にエクスペリメンタル・クラスを復活させるのと、J-GP3クラスにワークスマシンオンリーのクラス、J-GP3W(ワークス)を新設する事を表明する。」という通達だった。と言ってもこれには裏があって、昨年を持ってスズキがMotoGPから撤退。かつてのカワサキみたいに「ハヤテ」とかいう「ワークス寄せ集めチーム」も作る事を許可されなかった為(あれは、シーズン開幕前に言っちゃったもんだから、色々大変だったらしい。)、GSX-RRを2台残して泣く泣く全てのシャシーをスクラップ送りにするのも大変心苦しいと見たMFJが、ドルナに色々進言してこのクラスが復活したとか。元々「エクスペリメンタル・クラス」というのは、MotoGPマシン開発をする為のクラスであったが、市販バイクもこのクラスに出たりと、本来の趣旨とは著しく乖離してたり、立ち位置があまりにも曖昧過ぎた為、僅か2年で消滅したと言われている「幻のクラス」でもある。俺から言わせると、復活するのは寧ろ大歓迎でもある。実は過去の全日本ロードレース選手権を見てても、GP125ccとか250とか500とかにもワークスマシンが走ってたりしたからだ。逆言うと、全日本ロードレース選手権の個体をまんまWGPの方に「コンバート」する事も物理的に可能だった。多分全日本ロードレース選手権も「マンネリ化」が酷くなり過ぎて、それを打破する為に編み出した「苦肉の策」とも言える様なものである。ゼッケンデザインは、エクスペリメンタル・クラス(通称EXクラス)は「白地に黒のアラビア数字」で、J-GP3ワークス・クラスは「黒地に白のアラビア数字」というJ-GP3と一緒のゼッケンデザインになった。そしてEXクラスは、マシンのカウルに「EX」というロゴの掲載も義務付けられている。ワークスクラスは、数字の横に「W」というロゴの掲載も義務付けられた。そして早くもワークスクラスには、海外からも多くのエントリーがあるとか。その内1チームは、CEVジュニア選手権で大暴れしてる、ホンダの「ワークス的」存在の「チーム・エストレージャ・ガリシア0.0」が、佐藤純那選手と星見日向(ひなた)選手を擁して殴り込みに来た。そしてもう1つのチームは、Moto3でも割と知名度がある、「リバゴールド・スナイパーズ」が、石動桜選手とマイク・スーラ選手を擁してのエントリー。そしてKTM勢も多くのエントリーがある。その内1チームは、「Moto3強豪チーム」として知られる「レッドブル・KTMチームアジョ」。遂に満を持して全日本ロードレース選手権に参戦する事になった。ライダーは、ティム・ライマーとテリー・カイザーの2人。FCC TSRホンダは、三森 海未と園田すずこの2人組をエントリーさせており、日本と世界で活躍してる強豪チームが、大多数エントリーしている。そしてEXクラスは、「HRC RACE LAB Team Liella!」としてRC213Vを2台エントリーさせる事になった。ライダーは、古畑誠吾と矢野香里奈のJP(日本郵便)2人組が昇格及び国内実戦開発ライダーとして選ばれた。スズキは、ヨシムラとタッグを組んで「ヨシムラスズキTEAM GSX-RR 」として吉川樹(いつき)と津田和哉選手を擁してのエントリー。そして一番のビッグニュースは、「カワサキがMotoGP復帰」というニュースだ。チーム名は、「Kawasaki TEAM Ninja」という名称でのエントリー。ライダーは、オーストリアと日本のハーフ、ユイナ・マルガレーテと黎 可可(リー・クゥクゥ)の2人になった。マシンは往年の名前を復活させた「Kawasaki Ninja ZX-RR」。ヤマハは「YAMAHA Experimental Racing 」としてYZR-M1を2台投入。ライダーは、澁谷さゆりと伊達かのん選手という女性ライダー2人組。そしてハルクプロは、水野巧と高橋涼の2人をエントリー。モリワキは、20年振りに「プロトタイプマシン」を製作した。RC213Vのパワートレインの供給を受けて製作した「モリワキMD213VF」を2台エントリーさせる。ライダーは、三原那由多と松永ありあの2人組。海外からは、「GASGAS TECH3」が、ファイルーズ・シャーリンとレオン・フェルナンデスをエントリーさせる事になった。そして、ワークスのKTMは、クリス・キャミアとアレックス・エリアスを送り込む。ドゥカティは、ミルコ・ピロ、ドミニク・ガーロフの2人組でEXクラスを「荒らす」と「宣戦布告」をした。残るホンダ勢は、TSRが岡崎美幸と浦本雅の2人組をエントリーさせるとの事。アプリリアワークスは、清成大治郎と加藤龍一のグレシーニ時代のコンビをエントリーさせるとの事。気になる両クラスのタイヤサプライヤーは、EXクラスがMotoGPマシン開発を前提にしてるクラスの為、ミシュランがサプライヤーに。J-GP3は、Moto3スペックを唯一供給してるダンロップに決定した。内訳としては、EXクラスにホンダが6台、ドゥカティが2台、スズキが2台、ヤマハが2台、KTMが4台、アプリリアが2台の計18台で争われる事になった。※GASGASは現在、KTMの傘下にある為、KTMとしてのカウント。J-GP3WクラスのWは「ワークスマシンクラスでもあり、ワールドクラスでもある。」という意味でのWでもある。※EXクラスは、当初筑波開催も計画されたが、安全性の確保があまりにも困難な上、あの狭苦しいコースに、300psオーバーのマシンを18台も走らせたら、ガチで死人出る為、筑波では開催されない事になった。
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