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CBR使い、最後の戦い。
最終回 Round12 「FIMスーパーバイク世界選手権 プリキュア・オールスターズ日本GP」
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マシンの搬入等を終えて迎えた、最終戦プリキュア・オールスターズ日本GP。各チームのガレージには、34グループ78名のプリキュア達が彩られていた。俺らチームは「チームHRCモリワキひろがるスカイ!プリキュアレーシング」という札の隣に「1やまこしひかる」「81なかのみう」と子供でも読めるように、平仮名表記するというバイクレースでも初の試みをしている。というより、これには全チームも賛同してくれて、みんな平仮名表記という珍しい試みをすごく楽しくやっていた。例えばヤマハの場合だと「21なかすがかつゆき」「3おかもとゆうき」という表記になる。特に目立ったのがMIEとカワサキワークス。普段見慣れない看板にレイナルドやジョニーは興味津々。MIEだと「No35 はふぃす・れいなるど」「No91もはめど・いるふぁん」という表記になっている。カワサキワークスは「No65 じょなさん・れい」「No22 あれっくす・ろうず 」という感じだ。ピットウォークの時には、それぞれの推しキュアやプリキュアのぬいぐるみもサインエリアに出陣。ファンや子供達は大盛り上がり。俺らチームにも大勢のファン達が押し寄せた。勿論俺は、ひろプリは履修しているとして過去作は大体履修済みの為、即座に対応できるというのが話題になり、トークショーでは「それでは九嶋選手。ご自身の愛機の愛称にもなっている、キュアスカイの口上をお願いします!」と司会の人に振られた時は「分かりました!行きます!無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」というと観客達からは大きい拍手が巻き起こった。そして迎えたフリー走行。さっきまでのワイワイムードから一気にレースモードにサーキットは様変わりした。俺は、このレースを最後にWSBKから一線を退く為、尚更気合いを入れていた。俺はマシンに跨りコースイン。澄み切った4気筒の音を響かせながら、ウォームアップを行ってアタック開始。さっきより、甲高いF1にも似た音を響かせながらホームストレートを駆け抜けた。タイムはトップタイムを叩き出してフリー走行を終えた。予選では、美海と昨年もエントリーして「打倒WSBK」に燃えている中須賀克行選手のポール争いで盛り上がった。当然俺もこんなのを黙って見てるのは出来ないので、すぐさま加勢した。結果は美海がぶっちぎりでポール争いを制した。続くレース1。レース1ではHRCの「最終兵器」とも言える「R-CBS」が威力を発揮。ここに来てようやく本気出してくれた様なものだ。それを活かして、美海がぶっちぎりで優勝した。2位に嵐珠、3位にイルファンが初の表彰台を獲得した。続くスーパーポールでは、俺と中須賀さんの一騎打ちという珍しい構図に。だけど、最後の最後で中須賀さんが振り切って、WSBK初優勝を遂げた。そして、今シーズン最後の俺にとってはWSBKライダーキャリア最後のレース2。カウルには「thank you!Hikaru! I don't never forget!!」というメッセージも添えられていた。俺は、皆から拍手で送り出された。マシンに跨り、メットバイザーを下ろして、コースイン。もう実はレース1の時点で美海の年間王者が決定した為、あとはもう皆闘争心剥き出しになって走るだけになった。ファンや観客の皆も「ありがとう!!山越 輝選手!!」と横断幕を掲げたりと、色々やってくれていた。実はこのレース前に俺は「今シーズンからというより2021年からヘルメットをAraiでは無くて、大阪のメーカーOGK Kabutoのヘルメットに変更してます。」とSNSで発信したりもしていた。マシンをグリッドに到着させてスタート前の最終確認やら色々やって、スタートの時を迎えた。シグナルが赤からブラックアウト。スタートは俺が完璧なスタートを決めて、トップのまま1コーナーへと突入。後続を引き連れてレースを進めることになった。Kabutoに変更したおかげで首の負担も軽減されて、レースにより一層集中出来る。あとは「メガネポケット」という存在が大きい。Araiだとそれが無いからかなり苦労した。レースも中盤になった所で、転倒も目立ち始めた。俺も集中力を切らさない様に、神経を尖らせていた。そしてレースは遂にファイナルラップに突入。最後の5.807mを駆け抜ける時が来た。これまでのライディングで得た知見を元に編み出した「ヒカル走法」を遂に披露する時が来た。各コーナーで臨機応変に走法を変えて走るというかなり特殊なライディングスタイルだ。最後のスプーンカーブをクリアして西ストレートへ。西ストレートに甲高いエンジン音が響き渡った。そこからの130Rへのアプローチも完璧に決まり、最後のS字もクリア。そして、ホームストレートに帰ってきた時に俺は、涙で前が見えなくなっていた。チェッカーを受けた俺は、何か肩の荷がおりたのか、背中が軽く感じていた。その際に日の丸を持ってウィニングランをすると美海も来てウィリーを披露したりと、最後までファンサをしまくった。パルクフェルメに帰還した俺らはお互い抱き合って喜び合うと同時に、インタビューでも「今日、俺の物語は最後の1ページを書き終えました!!これも皆のおかげです!!ありがとう!!そして、今日のレースが子供達にとって夢を叶える原動力になったり、夢を持つキッカケになってくれたら幸いです!!2020年~今年の初頭まで未知のウィルスと格闘して、お子様達の事を守ってくれた大人の方々、お子様達の夢を叶えられる様に、一緒になって二人三脚で今を歩んでいる保護者の皆様、あの期間、俺もかなり苦しかったです!!まともなシートが見つからなくてシーズン1年開発兼リザーブとして動いてた時もありました!!保護者の皆様と今日来てくれた小さいヒーローの皆も苦しかったよね。外で友達と遊びたかったり、友達と色々ワイワイしたかったけど、未知のウィルスのせいでダメになって苦しかったよね。だけど、今日ここに来てくれたみーんなが俺にとっての「ヒーロー」だよ!!そして、今日来てくれた「小さなヒーロー」の背中を後押ししてくれている保護者の皆様、その保護者の皆様も今日の「主役」でもあり「ヒーロー」です!!本当に最大級の敬意を表したいです!!本当に今日は皆様ありがとうございました!!俺にとって今日という日は一生忘れない最高の思い出となりました!!勝ててよかった!!最高!!」と涙を堪えながら言うと、会場からはとびきり大きい歓声が巻き起こった。そして俺はポディウムで遂に大胆な行動に出た。それは3位に入った星奈が美海の目を隠して「美海ちゃん、なんか輝が伝えたい事あるけど、目隠しして連れて来てって言ってたからこのまま行くよ!」とポディウムまで連れて行き、俺はある箱を準備していた。そして美海がポディウムまで来た時に俺は「美海へ、俺と初めて一緒になった時の事、覚えてるかな?すごく天真爛漫で、アグレッシブな走りをしてチームの士気を盛り上げたりしてくれたよね。8耐でリベンジを果たした後の事覚えてるかな?お互いに告白しあったよね。そして今日、ひとつの決心が着いたよ。美海…俺と結婚しよ!」と婚約指輪を見せてプロポーズすると美海は「はい!喜んで!!改めてよろしくお願いします!!私のヒーローさん!!」と涙を流しながらokをしてくれた。その際には、観客も大きな拍手でお祝いしてくれた。そこからシャンパンファイトになったが、美海が未成年の為、炭酸水でのシャンパンファイトとなった。ピエールさんも「何か噂だとよく一緒に色々行ってて、巷では付き合ってるんじゃないか?なんて噂あったんですけどあれ本当だったんですね!!というより、よくHRCがok出しましたね。」と言うと俺は「いやいやピエールさん!HRCは、恋愛関係に関しては言ってこないんですよ。だからライダー内恋愛とかチーム内とかokですよ。」などとサラッと言ったりとかなり盛り上がった。そして、ガレージに2人揃って戻ると拍手で御出迎えしてくれたのと同時に「結婚おめでとう!!」という声でクラッカーを炸裂させたなんて言うのもあった。こうして今シーズンのスーパーバイク世界選手権は幕を閉じ、俺は全日本ロードレース選手権のEXPクラスにエントリーする準備も始めていた。
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