FIA World Rally Championship Crazy Road

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第4章 超短期決戦

Round4 新たな試み(ラリーエストニア)

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メキシコから半年近くお休み状態だったWRC。実は、その間にル・マンを史上最年少制覇したりと、かなり充実した日々を過ごしていた。こうして迎えた第4戦ラリーエストニアな訳だけど、新型ウイルス感染症後初の再開イベントとして、感染対策の「テストケース」を採り入れたラリーとしても注目されていた。総距離も233kmという短い距離ながら、アベレージスピードが高い高速グラベルコースである。マシンの方には、一切アップデートを施していない。というより俺のマシンのみタービン変えたくらいなのだ。インタークーラーは、まだまだ余裕ある設計だったので、そのまま流用している。そんな中で迎えた初日は、まさかの姉妹対決が一昨年のラリージャパン以来再び勃発していた。俺は、その凄まじいペースに付いて行けず、当然蚊帳の外状態。ルイスにも「全然ペース上がってないけど何かあったのか?」と聞かれて「上がってねぇと言うより、追い付けねぇ。姉妹対決のペースが尋常じゃねぇんだよ。初日っからこんなにドンパチやって平気かよってくらい。」と答えるくらいハイペースな日になった。それでもステージ優勝をしてるので何とか3位は保持出来てる。そろそろスバルも優勝を渇望してる頃合いであろうと俺は思っていた。2日目は、何とスバルが総合トップに踊り出た。俺もこれには驚いた。どうやら聞いた所、偶然にもこのラリーとの相性が良かったとの事。一方、星奈は瞬間的にだが「オーバーシュート」が発生してしまい、ECUがエンジン及びタービン保護の為に「フェイルセーフモード」へと強制移行した為に、思う様な走りが出来ず、ひとまず完走はしたものの、望んだ順位では無かった。迎えた最終日。日本車と日本勢の組み合わせによる対決に皆が盛り上がっていた。勿論、俺と星奈も最後まで諦める訳にはいかず、クルー達皆で「今日に関しては、チームメイト及びスバルのバックアップに徹しよう。」と協定を交わしたくらいだ。俺に関しては、美海ちゃんと「たまには表彰台から見下ろすんじゃなくて表彰台を見上げるのもね。」と決めていたので寧ろ好都合だったのだ。スタート順は、星奈の後に俺という形に。2人揃ってソフトで行く作戦だ。星奈がスタートしてから30分後に、俺がスタート。俺は、バックアップという名の「デコイ」として最後まで走る抜ける考えで動いていた。でも、何故か走ってる内に感情が溢れて込み上げて来ていた。美海ちゃんが「最終セクションクリア!今フィニッシュ!」と言うと何故か涙が止まらなかった。優勝は、スバルの上坂/ロイテマンペア、2位は妹ズで3位に姉さんズが入ってWRC及びFIA管轄下の世界選手権では初となる女性陣による表彰台独占という快挙まで達成した。俺は最後まで走り切り6位。5位に星奈が入った。
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