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本編
3 王都脱出
しおりを挟む「アリスお嬢様!!」
タウンハウスに到着すると執事長のチャドを始め使用人達がアリス達を温かく出迎えてくれた。
「ただ今帰ったわチャド」
「ご無事で何よりに御座います」
「えぇ取り敢えずわね」
「ご連絡を通り既に出立の準備は整っております」
「では直ぐに出発しましょう。誰一人としてタウンハウスに残らないようにね。暫く……そうね、私はもう王都へ戻る心算はないから、皆もその心算でいて頂戴」
「「「「御意に御座います」」」」
そうして物々しく、また慌ただしく次から次へと用意された馬車へ荷物を運ばれていく。
「そうそう荷物は最小限でいいわよ。皆の座る場所を確保する方が先だから……」
「それは大丈夫に御座います。我々は……ですので」
「ふふ、そうね。ではチャドは私の膝の上ね」
「お、お嬢様のお膝の上等!? わ、私が旦那様に殺されて――――」
「これは命令よ」
「……はい、承知、い、致しました」
チャドの少し他人よりもやや長めの耳がしゅんと項垂れて見えるのは気のせいだろうか。
彼の後姿を見てアリスはクスリと微笑んでしまった。
そうして一時間後ノースモア公爵家のタウンハウスより数代の馬車が静かに?出発をした。
北の大地へと向かって……。
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