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1 Sideアンジェリカ
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「絶対に嫌よ!! 到底受け入れう事なんて出来ません」
「ですが王女殿下、これは最早王命による決定事項なのです。つきましては――――」
「嫌っ、嫌よ。皆今直ぐに部屋から出て行ってっっ!!」
私はこのアーモンド王国の第一王女アンジェリカ。
ほんの数ヶ月前までは毎日がとても幸せに満ちていたのです。
本当に何もかもが色鮮やかで、しかしほんの数ヶ月前に前国王夫妻が諸外国への外遊先で事故に見舞われお二人共が即死状態で発見されたのです。
その突然の出来事に私は何も出来ずただ茫然と報告を受けておりました。
何故ならそこまで茫然自失となってしまったのかと言えばです。
お二人は私の愛するお父様とお母様なのですもの。
本当にお優しくて国をあるべき道へ正そうと何時も力を合わせ頑張っておられたわ。
愛する良心であると共に誰よりも尊敬すべき御方達。
まだまだお元気で、なのにこんなにも呆気なく亡くなってしまわれるだなんて、一体この先私はどうすればいいのかしら。
ただ幸いな事に私は一人ではなかったのです。
私には四歳年上の兄が、でもその兄も喪が明ければ即位と同時に結婚をするでしょう。
そうなれば王妹である私は今までの様には……きっと肩身が狭く、いえ多分政略の駒として国内または周辺国の王族若しくは貴族の許へと嫁がされるでしょうね。
私のお兄様はとてもお優しくて美しくもまた優秀なる御方。
しかし即位したばかりの兄を言い含めればです。
臣下達はきっと私を駒と使う心算でしょう。
そしてお優しいお兄様はそれを抑え込む事――――いいえ15歳にもなって何時までもお嫁へ行きたくはないと駄々を捏ねる方がどうかしているのだわ。
何故なら私は王女として国の為にこの身を捧げなければいけない。
臣下が望むのであらば国の益となるべく嫁ぐのが王女たる者の務め。
でも、でもお願いだからせめてもう少しだけ、そうお父様とお母様の死を悲しむ時間を与えて頂戴。
そうすればきちんと望む家へと嫁ぐから……。
そうして両親の裳へ服していましたら、あれはそうひと月程経ったある夜も更けた頃だったと思うの。
私は何時もの様に寝台でぐっすりと眠っていたわ。
だから最初は何も気づかなかった。
いえ、何時もより少し深い眠りだったのかもしれない。
何故ならあの日はお兄様より頂いた珍しい果物より作られた果実水を飲んでから休んだのですもの。
珍しい飲み物だけれど余り日持ちがしないから今晩必ず飲む様にって。
そうして飲んだ後に強烈な眠気へと襲われればそのまま……。
強烈な睡魔の中最初に感じたのは身体の中が裂ける様な熱くも鈍い痛みだった。
でも何故か私は普通に起きる事が出来なくて、瞼を一生懸命開こうとするけれども何故かとても重たくて、そうして直ぐウトウトと意識が深い海の底へと沈みかければまた何かが身体を襲う衝撃の様なモノが幾度となく感じられた。
翌朝何時もより少し遅めに目覚めた私は寝台を見て吃驚してしまった。
確か月のものはまだだけれどもだ。
今まで正確に来ていたものなのにまさかの事で敷布を血で汚してしまいました。
しかしながら直ぐにでも起きて下着を変えなければいけないと思いつつもです。
不思議な事によく眠れた筈なのにどうした事なのか身体は酷く疲れていて、月のものとは少し様な重怠さと秘めたる場所がじくじくと鈍く痛んでいたのです。
本音を言えばずっと一日中寝台の中で過ごしたかった。
でも何か無性に、そう今直ぐにでも身を清めたくて侍女へ無理を言いお風呂へ入ればそこでまた私はある事に驚愕してしまいました。
何故なら身体中に赤い発疹が、然も一つや二つではなく、それはもう数え切れない数の見た事のない発疹に私は何か危険な病に罹ったのではと真剣に悩みました。
当然私へ仕える侍女達もそう思った筈なのに何故か誰もその事へ触れようともしない。
常ならば少しの傷でさえも直ぐに侍医を呼んでしまう程の大事になる筈なのにです。
訝しく思っている所へ兄が私の許に会いに来ると先触れがあったのです。
流石に国王となられるお兄様へこの病を感染させる事になってはそれこそ国の一大事です。
私は侍女へ命じ侍医の手配とお兄様には会えない旨を伝える様に申し付けたのですが……。
「殿下、これは病……ではないと思われます」
そう言葉を発したのはまだ私と然して変わりのない年齢の侍女でした。
とは言え彼女の方が年上なのは間違い何のですけれどもね。
「何故? これが病でなければ一体……」
「それは何とも……私の口からは申し上げる事は出来ません」
病でなければ一体何だと言うのでしょう。
兎に角お兄様へお会いする事は流石に躊躇われた為、後日事の次第が判明すれば……と言う事で納得をして頂ければです。
何故か今晩から暫くの間あの飲み物を毎夜飲む様にと告げられました。
まあフルーティーで美味しいものでしたから私も拒否もせず素直に飲む事にしましたわ。
でもまさかあの様な事になるだなんて――――!!
「ですが王女殿下、これは最早王命による決定事項なのです。つきましては――――」
「嫌っ、嫌よ。皆今直ぐに部屋から出て行ってっっ!!」
私はこのアーモンド王国の第一王女アンジェリカ。
ほんの数ヶ月前までは毎日がとても幸せに満ちていたのです。
本当に何もかもが色鮮やかで、しかしほんの数ヶ月前に前国王夫妻が諸外国への外遊先で事故に見舞われお二人共が即死状態で発見されたのです。
その突然の出来事に私は何も出来ずただ茫然と報告を受けておりました。
何故ならそこまで茫然自失となってしまったのかと言えばです。
お二人は私の愛するお父様とお母様なのですもの。
本当にお優しくて国をあるべき道へ正そうと何時も力を合わせ頑張っておられたわ。
愛する良心であると共に誰よりも尊敬すべき御方達。
まだまだお元気で、なのにこんなにも呆気なく亡くなってしまわれるだなんて、一体この先私はどうすればいいのかしら。
ただ幸いな事に私は一人ではなかったのです。
私には四歳年上の兄が、でもその兄も喪が明ければ即位と同時に結婚をするでしょう。
そうなれば王妹である私は今までの様には……きっと肩身が狭く、いえ多分政略の駒として国内または周辺国の王族若しくは貴族の許へと嫁がされるでしょうね。
私のお兄様はとてもお優しくて美しくもまた優秀なる御方。
しかし即位したばかりの兄を言い含めればです。
臣下達はきっと私を駒と使う心算でしょう。
そしてお優しいお兄様はそれを抑え込む事――――いいえ15歳にもなって何時までもお嫁へ行きたくはないと駄々を捏ねる方がどうかしているのだわ。
何故なら私は王女として国の為にこの身を捧げなければいけない。
臣下が望むのであらば国の益となるべく嫁ぐのが王女たる者の務め。
でも、でもお願いだからせめてもう少しだけ、そうお父様とお母様の死を悲しむ時間を与えて頂戴。
そうすればきちんと望む家へと嫁ぐから……。
そうして両親の裳へ服していましたら、あれはそうひと月程経ったある夜も更けた頃だったと思うの。
私は何時もの様に寝台でぐっすりと眠っていたわ。
だから最初は何も気づかなかった。
いえ、何時もより少し深い眠りだったのかもしれない。
何故ならあの日はお兄様より頂いた珍しい果物より作られた果実水を飲んでから休んだのですもの。
珍しい飲み物だけれど余り日持ちがしないから今晩必ず飲む様にって。
そうして飲んだ後に強烈な眠気へと襲われればそのまま……。
強烈な睡魔の中最初に感じたのは身体の中が裂ける様な熱くも鈍い痛みだった。
でも何故か私は普通に起きる事が出来なくて、瞼を一生懸命開こうとするけれども何故かとても重たくて、そうして直ぐウトウトと意識が深い海の底へと沈みかければまた何かが身体を襲う衝撃の様なモノが幾度となく感じられた。
翌朝何時もより少し遅めに目覚めた私は寝台を見て吃驚してしまった。
確か月のものはまだだけれどもだ。
今まで正確に来ていたものなのにまさかの事で敷布を血で汚してしまいました。
しかしながら直ぐにでも起きて下着を変えなければいけないと思いつつもです。
不思議な事によく眠れた筈なのにどうした事なのか身体は酷く疲れていて、月のものとは少し様な重怠さと秘めたる場所がじくじくと鈍く痛んでいたのです。
本音を言えばずっと一日中寝台の中で過ごしたかった。
でも何か無性に、そう今直ぐにでも身を清めたくて侍女へ無理を言いお風呂へ入ればそこでまた私はある事に驚愕してしまいました。
何故なら身体中に赤い発疹が、然も一つや二つではなく、それはもう数え切れない数の見た事のない発疹に私は何か危険な病に罹ったのではと真剣に悩みました。
当然私へ仕える侍女達もそう思った筈なのに何故か誰もその事へ触れようともしない。
常ならば少しの傷でさえも直ぐに侍医を呼んでしまう程の大事になる筈なのにです。
訝しく思っている所へ兄が私の許に会いに来ると先触れがあったのです。
流石に国王となられるお兄様へこの病を感染させる事になってはそれこそ国の一大事です。
私は侍女へ命じ侍医の手配とお兄様には会えない旨を伝える様に申し付けたのですが……。
「殿下、これは病……ではないと思われます」
そう言葉を発したのはまだ私と然して変わりのない年齢の侍女でした。
とは言え彼女の方が年上なのは間違い何のですけれどもね。
「何故? これが病でなければ一体……」
「それは何とも……私の口からは申し上げる事は出来ません」
病でなければ一体何だと言うのでしょう。
兎に角お兄様へお会いする事は流石に躊躇われた為、後日事の次第が判明すれば……と言う事で納得をして頂ければです。
何故か今晩から暫くの間あの飲み物を毎夜飲む様にと告げられました。
まあフルーティーで美味しいものでしたから私も拒否もせず素直に飲む事にしましたわ。
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