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3 Sideアンジェリカ
しおりを挟むまた再び夜も更けていきます。
今宵はリザに言われてお兄様の勧める果実水を飲まずに休む事にしました。
彼女が言うにはきっと今宵全てがわかる――――と。
一体何が分かるのかと思いつつ、リザの言う通りならばと思い、私は夜通し起きている心算だったのです。
ですが寝台で休むと直ぐに眠気に襲われれば私はあっと言う間に夢の中へと誘われてしまいました。
最近は毎日この様な感じなのです。
そうして気づけば翌朝――――ではありませんでした。
最初はそう何もわからなかった。
ただ眠っている間に時折呼吸がし難い感じと表現すればよいのでしょうか。
それから次第に身体中が何とも変な感じなのです。
「あ、あんンっ⁉」
自分でも信じられない変な声に思わず纏わりつく様な眠気が消えれば私はぱちりと目が覚めてしまいました。
一体なんて声を――――!!
「ああ、起きてしまったのだねいけないお姫様だ。ほらこれを何時もの様に美味しそうにアンジェの胎の中へ呑み込めば思いっきり感じてごらん。お兄様のものを食い千切りそうになるアンジェはとても厭らしくも美しい。ああ、お兄様だけのアンジェっ、あい、愛している!!」
「――――ンあああ!?」
何故あり得ないくらいに直ぐ近くに聞こえてしまうお兄様の言葉と同時進行の様に私の身体の、その秘めたる場所へ何かが侵入すればです。
勿論私は必死に抵抗します。
でもお兄様は今まで見た事のない艶のあるって嫌っ、厭らしい笑みを湛えればです。
あろう事か私の両の足の間へと割り込むだけでなく、どの様に力一杯押し退けようと――――って何故お兄様は衣装を纏ってはいらっしゃらないの⁉
わからない。
何故、どうして?
流石に兄妹と言えどもです。
裸の男性の胸を触るのは流石に躊躇われるのです。
だから私の腰を掴む腕を必死に押し返すのですが全くびくりともしないのです。
そしてお兄様が動かれる度に何か下半身が疼く様な初めて感じるこれは何?
私の拒絶を無視したまま魘される様に何度も私の名を呼ぶお兄様。
そんな時でした。
お兄様の手が私の胸のふくらみを――――ってそこで初めて気づけば何故私自身も身につけていた筈の夜着を纏っていない⁉
それってつまり私達兄妹はお互いの裸体を見せている。
私はもう理解が出来る出来ないの区別何てと言うよりもです。
そこは瞬間的にパニックへと陥ってしまいました。
だからありったけの声を上げて何とかこの状態より逃れたい!!
ただそれだけを想い……。
「あ、や、やめいやあああああああああああああああああ」
「で、殿下っ、アンジェ様っ!! 王太子殿下これは⁉」
「そなたに用はないハンプソン夫人、下がるがよい」
やはり駆けつけてくれたのはリザでした。
私は泣きながら自由にならない身体でリザへ何とかと助けを求めます。
「リザ、リザ助けてっ、リザ、いや、いやあああああああああああああああ」
「う、くっ、締ま……るアンジェ!!」
突き上げられる毎に何かがせり上がれば行き成り、そうリザへ助けを呼ぶと同時に視界は真っ白になってしまいました。
そうして訳が分からない中で胎の中へ熱い何かを吐き出された感覚だけがしっかりと身体が感じ取っていました。
翌朝いえ、あれから身体を清めてくれたリザは私が目覚めるまでずっと私の手を握り傍へいてくれました。
「アンジェ様っ、申し訳御座いません。まさかここまでとは〰〰〰〰」
「私はお兄様の子種を受け取った。そう理解してよいの、ですか」
涙が止めどもなく溢れては流れ落ちていくのです。
昨夜は気が動転して何もわからなかった、いえわかりたくはなかったのです。
でも一夜明けた今だから少しだけ、そうほんの少しだけ冷静になりました。
そう座学だけなのですが閨の事について教えを請うた通りのものが行われた。
それも実の兄に!!
きっと昨夜の事を振り返ればあれが初めてではなかったのでしょう。
恐らく――――。
15歳の小娘である私にはどうする事も出来なかった。
そしてこれから襲い掛かる現実に私はなす術もなくただ寝台の中で終日塞ぎ込む様になったのです。
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