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25 Sideアン
しおりを挟む私達はセディーをエルミス夫人とハロルド、そしてブラッドリーへ託しました。
特にブラッドリーへ私は願ったのです。
「これより先何があろうともセディーを一番に護って頂戴」
「……それが貴女の願い――――なのか?」
「ええそうよ。子を想い大切に思う心は全ての種族を超えて同じくするもの。今の貴方へそれを理解しなさい……とは言わないわ。ただ私よりもセディーを、このアッシュベリーを護って下さい。それが私の最初で最期の望みだわ」
「承知した」
「そして貴方の主は私ではなくセディー。あの子の事を頼んだわね。そしてドリー、貴方も絶対に幸せにならなくては駄目よ。何故なら貴方も愛される為に生まれたのですからね」
ひょんな事より私と知り合えば、従者としてこの地で仕えてくれるドリーはまだ幼い子供?
ふふ、それは見た目だけなのかもしれません。
いえ今の彼は見た目と同じくその心も幼いのです。
本当ならばセディーと兄弟として一緒に育てたかった。
でもそれが叶う事はないのでしょう。
そう、私が旦那様と共に王宮へ出向くと言う事は多分そうなのでしょうから……。
勿論旦那様は最後まで引き留めて下さいましたわ。
しかし旦那様お一人だけで王宮へ乗り込むと言う事は敵陣へたった一人で立ち向かうと言う事と同義なのです。
王宮故にきっと今まで許されていたであろう帯剣も出来なくなる筈。
言ってみれば丸腰で死地へ赴けば如何に堅牢の盾と言われ様とも捕えられるのは目に見えているのです。
そしてきっと旦那様を餌に私は王宮へ、兄の許へ飛び込んでしまう。
それならばいっそ最初から夫婦で乗り込む方がいい。
少なくとも私が共にいれば旦那様の身の安全は保障される。
その代わり私は……。
ですがもう決めた事。
ほら、王都はもう目の前なのですもの。
だから今は少しでも長く旦那様、シリル様と共に過ごすこの時間を大切にそしてこの瞬間の幸せを噛み締めたい。
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